春 着       197句

春着きて孔雀の如きお辞儀かな  上野泰

作品
作者
掲載誌
掲載年月
三年目春着溢れて地震の街 稲畑廣太郎 ホトトギス 199901
ことのはのおのづからなる春着の子 鷹羽狩行 199902
春着の子四五人過ぎて春着の妓 鷹羽狩行 199902
七十路も果なる春着濃むらさき 村上光子 馬醉木 199903
春著着ていよいよ何も出来ぬ娘に 長山あや 円虹 199904
海峡を春着の人と渡りをり 田畑保英 火星 199906
行きずりの春着の衿のすみれ色 萩原記代 199906
春着着て嬉し脱ぎても又嬉し 稲畑汀子 ホトトギス 200001
三人の春著に舟の漕ぎ寄れる 山尾玉藻 火星 200002
春着着て新嫁たすき携へて 田中藤穂 水瓶座 200002
春着着ていきいきと人往き交へり 松本圭司 200003
やや派手の春着鎮めむ母が帯 村上光子 馬醉木 200003
春著縫ふ脳裡かがやく山河あり 本橋怜加 冬牡丹 200003
春着の子三人揃ひかしこまる 川崎麻子 200003
裁ち屑を花のごとくに春着縫ふ 太田寛郎 200004
いまさらの妻の春着に畏めり 小澤克己 遠嶺 200004
枕辺のほのかに香る春著かな 山田禮子 遠嶺 200004
子等遊ぶ縫ひし春着の抜き糸にて 星佳子 200004
かたまつて船岡山へ春著の子 山尾玉藻 火星 200101
鹿より身隠す春著の袖たもと 八染藍子 200103
春著着し門葉ぼさつのごと集ふ 古田考鵬 雨月 200103
髪結ひて耳美しき春着の子 前川みどり 春耕 200103
連れ立ちて春著の人等ぎごちなく 富田直治 春耕 200103
喪籠りに縫ひし春著や雨もよひ 品川鈴子 船出 200104
春着縫ふ絹糸ぴしっと弾かせて 荒木治代 ぐろっけ 200104
古稀過ぎの春著に齢隠したる 佐藤淑子 雨月 200106
一揃ひ春著嵩ばる旅鞄 稲畑汀子 ホトトギス 200112
八十の春著の衿をゆるやかに 黄川田美千穂 200201
露天商春着きる子にせかされて 滝本香世 百鳥 200204
春着きてもう一方のハネムーン 瀬川公馨 200205
春著着て八等身でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200206
春着佳し招待席に一家族 高橋さえ子 200206
知人かも知れぬ春着とすれ違ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200301
手作りの絽刺と聞けば春着また 稲畑汀子 ホトトギス 200301
春着の子の姉は新調妹は御下がり 阿部範子 200303
反り橋の下りのこはき春著かな 助口弘子 火星 200304
地下道や春着の人と眠る人 加藤みき 200304
春着の子峠を越えて行きにけり 中村立身 百鳥 200304
春著の娘昨日の少女には非ず 有山紫於 雨月 200305
晩餐に急(せ)いて春着の裾捌き 足利ロ子 ぐろっけ 200305
宮詣り母と嬰児の春着かな 入山登志子 帆船 200311
枯葦の風に春著の吹かれくる 山尾玉藻 火星 200401
背伸びして鈴を鳴らして春着の子 江森香 帆船 200402
さざめきて春着乗り来るエレベーター 塩田博久 風土 200403
春著きる未だ少女の気分あり 篠田純子 あを 200403
今はむかし春著は母の仕着せにて 大橋敦子 雨月 200403
橋殿に快を抱き春著の娘 大畠政子 雨月 200403
インタビューせるもさるるも春着の娘 和田一 雨月 200403
割烹着春着の模様隠したる 上出曙美 築港 200403
春着の児所作に小鈴の音が添ひ 田所節子 200404
廻転扉の玻璃抜け出でし春着の娘 鎌田篤 雨月 200404
春着の娘立たせて抜くや仕付糸 田中峰雪 雨月 200404
春着脱ぎもとの己に戻りたる 多田節子 雨月 200404
春着の子車を降りてふりむかず 中村立身 百鳥 200404
叱られてゐてにこにこと春着の子 櫻井幹郎 百鳥 200404
喪の服の冬着春着を迷ひけり 永田あき 酸漿 200405
春著着て大和ごころを保たなむ 下平しづ子 雨月 200405
頼らるることの幸せ春着縫ふ 野中啓子 200406
かへりみて我が身愛しと著る春著 吉田小幸 ホトトギス 200407
直実の浜に春着の染白髪 品川鈴子 ぐろっけ 200502
心もち背仲びしてゐる春着かな 石川琢之 対岸 200503
欄干や鳥になりたき春着の子 福山悦子 200503
指の傷なだめ春着の躾とる 辻井桂子 雲の峰 200503
ソクラテスの妻に戻るや春着脱ぐ 鈴木撫足 春燈 200503
空港の動く歩道を行く春著 大島寛治 雨月 200504
うなゐごのずいと伸びたる春着丈 本城布沙女 雨月 200504
いくたびも鏡を出入り春着の子 白鳥彰子 200504
枕辺に春著たたみて眠りけり あさなが捷 200505
春着の子走るまはりを響かせて 八田木枯 晩紅 200508
春著着て蕉心会の幹事たり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
紅梅の幹もて染めし春著とや 稲畑汀子 ホトトギス 200601
はにかんで猫撫でてゐる春着かな 中村房枝 六花 200601
大いなる寄生木仰ぐ春著かな 山尾玉藻 火星 200602
意に副はぬ春着の帯の締めごこち 品川鈴子 ぐろっけ 200602
歯を診らる春着の口を開けしまま 品川鈴子 ぐろっけ 200602
歯科台に仰臥春着の帯枕 品川鈴子 ぐろっけ 200602
春着の眉しかめ奥歯の荒治療 品川鈴子 ぐろっけ 200602
ジーンズの足捌きせり春着の娘 名和節子 200603
宝恵駕の吹き曝しなる春著かな 深澤鱶 火星 200604
春著きて貝合せなどしても見たし 大橋敦子 雨月 200604
足腰の確か春著を召して刀自 椋本一子 雨月 200604
春著着せ娘ふたりを眺めゐる 加地芳女 雨月 200604
畳紙を解けば春着の花こぼれ 森下清子 200605
母逝きぬ春著にしつけ残せしまま 苑実耶 200605
春着着て酒とめどなく酌む女 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
会場に目立つ一人の春著かな 稲畑汀子 ホトトギス 200701
畳み癖探して畳む春着かな 水谷ひさ江 六花 200702
襟足に雪降る吾子の春着かな 武田美雪 六甲 200703
三代伝ふ春着の地紋向ひ鶴 島村久枝 200703
年毎に母似となれる春着の娘 大泉美千代 雨月 200704
吊革に高低のあり春著かな 木下もと子 200704
喫煙所春着の女性多かりき 横山迫子 六花 200706
春著着て背面跳びはしなはんな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
案の定春著召されて来られけり 稲畑汀子 ホトトギス 200801
ちりちりと鈴音たててゆく春着 ことり 六花 200801
きりきりと吹く風をゆく春着かな ことり 六花 200801
辻ヶ花の春著に合はす帯を縫ふ 井口淳子 200803
春著縫ふ事もかなはぬ老となり 近藤豊子 雨月 200803
ひと回りさせて春着をほめにけり 杉山麻生 200804
二の鳥居からはおぶはれ春著の子 奥田順子 火星 200804
春著着て己が日和と思ひけり 望月晴美 200804
軒の影踏んでは跳んでは春着の子 坪内稔典 稔典句集 200804
寄り添へる合掌の里春着縫ふ 川口襄 遠嶺 200805
病棟の受付嬢の春著かな 岩崎真理子 遠嶺 200805
芝居へと誘はれてゐる春着かな 小澤克己 遠嶺 200901
春著着て羽子突きむかしの姉妹 大橋敦子 雨月 200901
袖揺らしさやさやとゆく春着かな ことり 六花 200901
睨み鯛春着の刀自と一対一 品川鈴子 ぐろっけ 200902
僧われの白衣新調春着とす 古田考鵬 雨月 200903
けふの町春着の匂ふ人ばかり 王岩 あを 200903
やうやくに笑みとり戻す春著の子 野口光江 遠嶺 200904
一本に集ふ句会の春着かな 伊藤豊美 遠嶺 200904
割烹着より出でし春着の明かりかな 島元文 遠嶺 200904
産まれくる弟を待つ春著の子 沼田桂子 春燈 200904
わが系図春着の児から書きはじむ 平野みち代 200904
くれなゐの布一枚を春着とす 柿沼盟子 風土 200904
絹鳴りを走らせ春着たたみけり 高橋ひろ 万象 200905
春着着て笑みを絶さず納税課 上田幸夫 ぐろっけ 200906
めでたさの歌舞伎観にゆく春着かな 小澤克己 遠嶺 201001
不精ひげ剃り大島の春着なる 大坪景章 万象 201001
跳ねてみて影とたはむる春着の子 伊藤紀子 ろんど 201001
いとけなく春着の袖を揺らしをり ことり 六花 201001
ともすれば韋駄天歩き春着にて 品川鈴子 ぐろっけ 201001
春著の子長き袂を見せ合へる 山尾玉藻 火星 201002
踏切の棹が春著の胸に来し 山尾玉藻 火星 201002
一献にいよよ華やぐ春着の子 篠原幸子 春燈 201003
嫁に映ゆ我若き日の春着かな 斉藤裕子 あを 201003
歩み板鳴らし島より春著の子 蘭定かず子 火星 201004
掃き終へて衣桁に広ぐ子の春着 菅野日出子 末黒野 201004
しばらくを脱ぎし春着の中にをり 芝孝子 末黒野 201004
イヤリング揺らし春着の裾さばき 鈴木浩子 ぐろっけ 201005
網代木のかたへを来たる春著の子 山尾玉藻 火星 201102
初々し襟足みせて春着の子 大木清美子 201103
春着縫ふ終ひじたくなんどはせず 折橋綾子 201103
歩み板鳴らし島より春着の子 蘭定かず子 火星 201103
一族を見上げてばかり春著の子 柴田佐知子 201103
手をひろげ見せ合つてゐる春著の子 柴田佐知子 201103
さたうきび畑の向うを春著の子 幡丸山照子 火星 201104
春著の子の蝶とまるやう座しにけり 幡丸山照子 火星 201104
その春着曾祖父母の思ひあり 東秋茄子 京鹿子 201104
をみな子四人母の恩義の春著着て 大橋敦子 雨月 201201
春著の子おちよぼ口して歩きけり 小林朱夏 201202
古歌一首描きし車輌春着客 鈴木照子 201203
乳匂ふ春著の中の親子かな 小林朱夏 201203
たこ焼の列に加はる春著の子 松下八重美 夢見の鐘 201203
母逝きぬ春著のしつけそのままに 苑実耶 大河 201203
かまぼこの薄紙はがす春着の子 齋藤厚子 201204
夢二の女春着纏うて愁ひ顔 松山三千江 春燈 201204
日やはらか白寿の春着匂ひけり 村上絢子 馬醉木 201204
クラクションは隣り家なりし春着の子 森清信子 末黒野 201204
銭洗う挟気にして春着の子 太田良一 末黒野 201204
父の背で寝てしまいたる春着の子 福島松子 ぐろっけ 201204
春著にて髪へしきりに手を遣りぬ 山村一翠 ぐろっけ 201204
恙なく生きて傘寿の春着かな 佐藤シズヱ 万象選集 201205
大提灯下に人待つ春着かな 伊藤喜美子 万象選集 201205
大き目に針山作り春着縫ふ 杉本敏江 万象選集 201205
海の端に色を展げし春着の子 小林愛子 辻楽師 201206
天赦日春着選んでをりにけり 近藤紀子 201206
春着着て少しお澄まししてゐたり 國保八江 やぶれ傘 201206
春着縫ふ金糸銀子のひざに散り 丸山佳子 京鹿子 201301
縫ひあげしひとの春着に袖とほす 丸山佳子 京鹿子 201301
春着きて母の化粧も濃くなれり 森岡陽子 かさね 201303
明日の夢を満身に春着かな 柴田靖子 201304
クリムトの彩に肖る春着かな 岩月優美子 201304
春着の子マナティに頬すりよせる 細川知子 ぐろっけ 201304
歩数ほど前へ進めず春着の児 細川知子 ぐろっけ 201304
扇雀のまぶしきまでの春着縫ふ 丸山佳子 京鹿子 201401
縫ひ上げて吾子の二十歳の春着かな 中嶋昌子 春燈 201403
春着縫ふ紅絹の針山ふつくらと 鶴岡紀代 春燈 201403
御転婆も春着の匂ふ女となり 柴田靖子 201404
春着吊る匂ひ袋は誰が袖を 林いづみ 風土 201404
恥じらいを隠しきれざる春着の娘 江見巌 六花 201404
春着の中どこにも窓のない男 堀内一郎 堀内一郎集 201412
春着縫ふ祖母の手なみの返し針 コ田千鶴子 馬醉木 201602
エスカレーター春着の一団連なれり 岸洋子 201603
笑ふとき笑くぼの欲しき春着かな 樋口みのぶ 201603
桃色や鴨居に主を待つ春着 辻響子 201603
すれ違ふ香のほのかなり春着の娘 中嶋昌子 春燈 201604
肩揚げをつまみ春着となりにけり 久保夢女 201604
春着きせ子を恋人に託しけり 升田ヤス子 玫瑰 201604
春着もで都はづれの風の中 井上信子 201604
たたみ皺とれぬ絣を春着とす 山本無蓋 201604
人に酔ひさめぬ春着を畳みをり 成田美代 201604
折鶴を手に遊ばせて春着の子 押田裕見子 201606
天神さま雑沓闊歩春着の子 岸上道也 京鹿子 201704
寿を交はす春着の襟白し 丸山千穂子 末黒野 201704
歩巾にも弾みかくせぬ春着の娘 江木紀子 雨月 201804
車より彩りこぼれ春着の子 森清信子 末黒野 201804
吊しおく花鳥あふるる子の春着 杉田智榮子 馬醉木 201804
娘の春着孫の春着へ風通す 井上和子 201808
畳紙の春着の金波立ち上がる 井上和子 201808
うらうらと春着を試着たわむれに 小沢えみ子 201902
春着の子母の神籤を覗き見る 野口希代志 やぶれ傘 201904
古着市春着の人が売る古着 おーたえつこ 201906
匂やかに役者の女房春着かな 森田節子 風土 202004
ゆつくりと障子を開くる春着の子 高倉和子 202007

 

2021年1月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。