針供養 1    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
針供養いまも身近に鯨尺 矢澤杉子 青湖 199805
針供養まぶしからざる日が一つ 鷹羽狩行 199903
戻りまた雨もやうなり針供養 鷹羽狩行 199903
針などは使はず仕舞の針供養 熊谷みどり いろり 199904
針供養元お針子も古びてゐし 小川花久 いろり 200004
五六本とて賑やかに針供養 青木直子 200005
病院の霊安室で針供養 永野秀峰 ぐろっけ 200006
畳目といふもののあり針供養 行方克巳 知音 200104
神妙に生徒の並ぶ針供養 杉江茂義 俳句通信 200104
針供養婚期遠退く座り胼胝 森脇恵香 俳句通信 200104
祝詞あぐる女性宮司や針供養 藤田かもめ 200105
前掛を取れば外着や針供養 西村和子 知音 200105
針を持つことまれの世の針供養 神崎律子 200107
針供養晴着の列の又伸びし 稲畑汀子 ホトトギス 200202
石段はむかしの高さ針供養 鷹羽狩行 200202
針持たぬ指も加はる針供養 稲畑汀子 ホトトギス 200202
畳屋の交じりてゐたる針供養 久保木千代子 春耕 200205
こんにやくも一言どうぞ針供養 梶浦玲良子 六花 200207
沓脱ぎにブーツ林立針供養 芝尚子 あを 200301
ファッションを着し娘合掌針供養 麻生當子 200302
針供養身じろぐたびに冷えてきし 山尾玉藻 火星 200302
妻の背のすこし曲りて針供養 小西明彦 200302
裁ち台の古りし箆あと針供養 武司琴子 ぐろっけ 200303
針供養中州いよいよ草紅葉 高尾豊子 火星 200303
御馳走は焚火いちばん針供養 三嶋隆英 馬醉木 200303
角帯のをとこ神妙針供養 後藤志づ あを 200303
生前のままの針山針供養 伊藤白潮 200303
天日と風を道づれ針供養 鷹羽狩行 200303
筒袖の子のおとなしき針供養 岡和絵 火星 200303
レコードの針もいまどき針供養 三嶋隆英 馬醉木 200303
むづかしき作法など無し針供養 新子禎自 築港 200304
針供養供養するほど出番なし 塩川雄三 築港 200304
針供養女性にまじり男ゐて 塩川雄三 築港 200304
針供養近き社の静まれる 久保田ヤスエ 酸漿 200304
針供養針も持たずに参りけり 永川絢子 築港 200304
波音の中のふるさと針供養 山田暢子 風土 200304
針供養並べて母の鯨尺 小林成子 200305
針供養今は視力も落ちてきし 柄田喜美枝 築港 200305
針持ちし日の遠去りぬ針供養 大井昌 京鹿子 200306
ゆつくりと休めと刺せり針供養 永野秀峰 ぐろっけ 200402
母越ゆる技今もなし針供養 白澤よし子 馬醉木 200404
日溜りに鳩のあそべる針供養 佐々木咲 草の花 200405
待ち針の彩のやはらぐ針供養 吉武千束 200405
精神科にもひっそりと針供養 泉田秋硯 200405
針山は母の色なり針供養 間宮陽夫 馬醉木 200405
こぼれたる針に日の差す針供養 笹村政子 六花 200405
長幼の序おのづから針供養 太田尭史 対岸 200406
半襟を掛けたるのみや針供養 岸野美知子 酸漿 200503
国境は地球の縫ひ日針供養 長岡新一 200503
つつましき女世帯や針供養 木村茂登子 あを 200503
まち針に豆ほどの鈴針供養 長谷川通子 雲の峰 200504
母在らば甘えてみたし針供養 原島ふじ子 遠嶺 200504
針供養肩身の狭きミシン針 高梨水青 築港 200504
お針子として昔日の針供養 梅原幸子 遠嶺 200505
縫物はおざなりとなり針供養 山口庸子 ぐろっけ 200505
針供養捨句供養もこころでは 泉田秋硯 200505
針供養閻魔の黙す豆腐なる 岐部陽子 八千草 200508
待針の色うきたてて針供養 岐部陽子 八千草 200508
深々とある一刺や針供養 豊田都峰 京鹿子 200603
指刺ししものまんなかに針供養 豊田都峰 京鹿子 200603
針供養いよいよ蘇鉄太らせり 古田美恵 200604
あかときの磯の匂ひや針供養 荒井千佐代 200604
針供養佐助の針は誰が納む 鈴木榮子 春燈 200604
針供養女の業もさされけり 植竹惇江 春燈 200604
やはらかき雲を浮べて針供養 篠藤千佳子 200605
姉かつて裁縫師匠針供養 足利ロ子 ぐろっけ 200605
子を二人嫁がせぬまま針供養 小阪喜美子 遠嶺 200605
風もなく屋台賑ふ針供養 二村蘭秋 雨月 200605
畳屋の新の半纏針供養 和田満水 200605
針供養爪皮つきの下駄並び 池谷市江 200605
針供養つんつん光る木々の先 深川峰子 200605
足腰の話などして針供養 西畑敦子 火星 200605
被布を着て乙女おとなび針供養 鎌田篤 雨月 200606
針供養よく結べたる貝の口 杉山真寿 200607
神妙に風に吹かれし針供養 里中章子 200607
紀ノ川の風も加はり針供養 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
蒟蒻のぷるぷると針供養かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
針供養香煙いよよ紫に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
畳針蒟蒻にさし針供養 滝沢伊代次 万象 200702
針供養針に縁なき衆生とて 稲畑汀子 ホトトギス 200702
針供養世界遺産を指呼にして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
水切りて豆腐ちぢめり針供養 酒井ひろ子 200704
針供養家計とりなす妻のゐて 中澤弘 春燈 200704
脱皮できぬ母とのくらし針供養 根岸美智子 200705
降神の儀より始まる針供養 永田二三子 酸漿 200705
畳屋の親方もゐし針供養 今井松子 遠嶺 200705
三代揃へる氏子総代針供養 志摩陽子 200706
裾上げと釦つけだけ針供養 中島英子 八千草 200708
針供養少女の夢の限りなく 稲畑汀子 ホトトギス 200802
羊歯叢のよき日向あり針供養 山尾玉藻 火星 200803
鉄瓶の滾りて閑か針供養 須賀敏子 あを 200804
針供養豆腐は悲鳴あげまひぞ 東亜未 あを 200804
蒟蒻に針を休めて針供養 福澤乙 酸漿 200804
針供養禰宜の拍手ひびきけり 福澤乙 酸漿 200804
縫ふ母の思ひ出ばかり針供養 椋本一子 雨月 200805
夕近き風のさはりし針供養 吉田島江 火星 200805
近くゐて行かず仕舞の針供養 折橋綾子 200805
煎餅の焦げる匂ひや針供養 中山賠雪 200805
袖丈は一尺二寸針供養 横井明子 200805
にぎやかに来てつつましく針供養 斉藤ふみ 200805
縫合の皮膚の手応え針供養 貝森光洋 六花 200806
S盤を守りし竹針供養かな 柴崎甲武信 月日 200811
奈良朝よりの歴史尚び針供養 大橋晄 雨月 200904
針供養厨子の閂鎖せしまま 竹内喜代子 雨月 200905
若きらに訝しがられ針供養 佐藤山人 200905
耳朶のぬくもつてきし針供養 坂口夫佐子 火星 200905
針供養お納戸色に街暮るる 山路紀子 風土 200905
針供養雷門も暮れにけり 小原徳男 遠嶺 200905
飴色の母の物指し針供養 棗怜子 春燈 200905
顔馴染のテーラーに会ひ針供養 塩見治郎 雨月 201001
千本といふはどれほど針供養 片山由美子 201002
くつきりと日向日陰や針供養 片山由美子 201002
針供養へと急ぎたる風の中 片山由美子 201002
着飾りて集ふ先あり針供養 稲畑汀子 ホトトギス 201002
子らの声日向にあふれ針供養 神蔵器 風土 201003
二上山に落暉とどまる針供養 城孝子 火星 201004
針供養われ百本の注射針 水原春郎 馬醉木 201004
年輪を語る手の甲針供養 有元洋剛 201005
白壁に夕日射しゐる針供養 大嶋洋子 春燈 201005
誰よりも働きし手や針供養 宮崎高根 201005
長生きの女ばかりの針供養 高倉恵美子 201005
人も又土に還るや針供養 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
針供養もう会へぬ針会へぬ人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
針供養偲ぶ心も持ち寄りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
針の穴とうに見えねど針供養 上田玲子 201103
みづうみの返照長し針供養 千手和子 馬醉木 201104
針供養友息災が土産なり 和南城ふみえ 酸漿 201104
こんにやくに林のやうに針供養 鎌倉喜久恵 あをかき 201104
針供養久しく針を持たざりき 家塚洋子 酸漿 201105
指貫の皮の匂へる針供養 鈴木榮子 繭玉 201105
亡き母とつれ立ちてきぬ針供養 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
糸鋏並べととのへ針供養 菅野蒔子 末黒野 201105
亡き母の着丈四尺針供養 小林和子 風土 201105
畳屋が末席に居て針供養 石田かし子 ろんど 201105
針供養日の目やさしくなりにけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
針供養母亡きあとの月日かな 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
衣擦れの音の追ひ越し針供養 神谷さうび 末黒野 201106
針供養終へて月日の還らざる 稻畑汀子 ホトトギス 201202
連れだつる和服のをみな針供養 早川八重子 末黒野句集 201203
衣擦れの音の追ひこし針供養 神谷さうび 末黒野 201204
仕立屋の町に無くなり針供養 大西八洲雄 万象 201204
浅草の賑はひ抜けて針供養 横川良子 万象 201205
林藪の笹に日の射す針供養 能村研三 201205
お針せぬ娘も見真似針供養 青木ちづる 201205
針供養針にも心ありにけり 奥田茶々 風土 201205
針供養大事と祭りし母偲び 大泉美千代 雨月 201205
針供養妣の縫ひたる着物きて 辻井ミナミ 末黒野 201206
高円山の雪に日当る針供養 城孝子 火星 201206
一椀の花麸の紅や針供養 小谷延子 万象 201207
針供養なかにひとりの男弟子 北崎展江 くりから 201209
眉目愛しき少女の祈り針供養 安立公彦 春燈 201304
針供養針を数へて母仕舞ふ 鈴木榮子 春燈 201304
縫ひ立ての袋帯締め針供養 三橋早仙 ぐろっけ 201305
待ち針が色を咲かせる針供養 安居正浩 201305
座に侍る男も和服針供養 松本三千夫 末黒野 201306
尺差しに母の名薄れ針供養 細川知子 ぐろっけ 201307
針供養竹のさやぎの中を来し 山尾玉藻 火星 201401
針供養指のきれいな男かな 菅谷たけし 201404
ありがたう浄めの塩の針供養 伊藤訓子 ろんど 201406
人類に衣類欠かせず針供養 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
針供養父子二代の店を閉づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
裁ち板に箆の疵跡針供養 佐藤満智子 ろんど 201503
針供養いまも丈夫な糸切歯 斉藤マキ子 末黒野 201505
仕立屋は亡母の生業針供養 田村すゝむ 風土 201505
着流しの一人混じりぬ針供養 石川叔子 201506
千万のひかり納むる針供養 松本幹雄 馬醉木 201506
針供養僧十人の御成りかな 國保八江 やぶれ傘 201506
絎台に母のまなざし針供養 元橋孝之 京鹿子 201506
きらきらと花巫女の列針供養 秋川泉 あを 201604
針供養課外授業の子のあふれ 原田しずえ 万象 201605
針供養ジャンボ豆腐に畳針 菊池洋子 やぶれ傘 201606
針供養豆腐ぶるぶる震へをり 福島せいぎ 万象 201606
内弟子や下駄新しく針供養 古川幸子 春燈 201607
花巫女のしづしづ進む針供養 秋川泉 あを 201704
往年の母の輝き針供養 高橋将夫 201704
人絶えて松の風聴く針供養 横田初美 春燈 201704
針供養こころに祈り鍼打たる 渕上千津 201704
人生のほころびを縫ひ針供養 高橋将夫 201705
針もたぬ娘もをりし針供養 江島照美 201705
どの針もあはき影持つ針供養 辻美奈子 201705
待針に旧姓二本針供養 佐藤玲子 春燈 201705
針山の下に秘するや針供養 佐藤玲子 春燈 201705
針仕事の母の面影針供養 大橋晄 雨月 201705
女人講の揃ひ法被や針供養 鈴木庸子 風土 201705
巫の大きてのひら針供養 内藤静 風土 201705
境内のひかり集めて針供養 石井秀一 風土 201705
針供養動き出したるオリオン座 高野春子 京鹿子 201705
背山より風おだやかに針供養 西住三惠子 201707
ナガオカのレコード針も針供養 懸林喜代次 春燈 201802
鯨尺の母の名うすれ針供養 古谷昌女 春燈 201805
針持てぬ母となりけり針供養 江島照美 201805
もつれあう電源コード針供養 みさきたまゑ 船団 201809
針持たぬ日無き母想ふ針供養 落合由季女 雨月 201811
針穴は光の出口針供養 細川洋子 201904
針供養比良眩しみて妣慕ふ 松本鷹根 京鹿子 201904
徹夜して縫ひしあの頃針供養 三井所美智子 201905
悲喜こもごも瓶に詰まりぬ針供養 古賀恵子 201905
針供養夫も針持つ老後かな 江島照美 201905
和鋏の小さき鈴の音針供養 斉藤マキ子 末黒野 201905
玉垣を風吹き抜くる針供養 岡田史女 末黒野 201905
針供養 →2

 

2023年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。