ハンモック        118句

山彦のゐてさびしさやハンモツク   水原秋桜子   葛飾

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ハンモック目覚め湖色変りゐし
淡地和子
雨月
199808
さざ波のリズムにゆれるハンモック
安井和子
199906
やすらぎは遠くからハンモック
新関一社
京鹿子
199906
落としたる本は拾はずハンモック
永野由美子
円虹
199907
寝てみたき遠嶺の雲のハンモック
小澤克己
遠嶺
199910
天地のくるりまはりてハンモック
田畑美穂女
ホトトギス
199911
すぐそこのもの届かざるハンモック
稲畑汀子
ホトトギス
200007
木洩日の顔に来てをりハンモック
稲畑汀子
ホトトギス
200007
コバルトの潮に足向けハンモック
西山美枝子
酸漿
200010
ハンモックかすかに揺れて森の風
長谷川登美
ぐろっけ
200010
青空に擦過傷ありハンモック
村山半信
海程
200012
ハンモック揺れるか雲が動くのか
川崎不坐
火星
200101
ハンモック南十字が傾いて
山本順子
船団
200102
ハンモック我が身の鮮度保ちけり
山野みどり
銀化
200109
潮騒を編み込まれたるハンモック
森麟
銀化
200109
彼の世にも空はありけりハンモック
森谷彰
銀化
200110
風に揺る涅槃図釈迦のハンモック
中川濱子
ぐろっけ
200110
ハンモック木蔭動いてゆきにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200207
本残しありゆれてゐるハンモック
稲畑汀子
ホトトギス
200207
ハンモック揺りオリオンの真上なり
加地芳女
雨月
200207
白樺の風にまどろむハンモツク
相沢有理子
風土
200208
ハンモック吊る木は何時も決めてある
泉田秋硯
200210
ハンモック揺らせてもらす内緒ごと
武田ともこ
ぐろっけ
200211
ハンモック嬰のおもちやの電池切れ
宮崎千恵子
帆船
200308
海の藻に乗れりラッコのハンモック
二宮きみ枝
200310
ハンモック父がのぞいてゆきにけり
藤原絹子
百鳥
200311
白樺に並んで二つハンモック
木村享史
ホトトギス
200404
末の子と猫の太郎とハンモツク
中嶋弘子
帆船
200408
ハンモック二三度落つも使ひをり
森川泰雄
200409
ハンモック吊りても見たき森の中
早乙女信
対岸
200410
越前水母ハンモックにて水夫ねむる
黒田咲子
200411
ハンモック揺れる足裏の未だ幼な
長谷川登美
ぐろっけ
200411
ハンモック水平線の上に吊る
宮崎清子
百鳥
200509
ハンモック湖面に魚の飛び跳ねて
中里とも子
百鳥
200509
白樺の風と揺れゐるハンモック
竹内喜代子
雨月
200509
銀河系宇宙に生まれハンモック
野口香葉
遠嶺
200511
お三時よと母の呼ぶ声ハンモック
佐山苑子
遠嶺
200511
ハンモックに預けし心風が透く
佐野静子
遠嶺
200609
ハンモック先づは力点いな支点
菊地光子
200609
なまけものこんな気分かハンモック
中野英歩
八千草
200702
白樺の日のかけら降るハンモック
栗原公子
200710
地動説確かめているハンモック
岡本幸枝
ぐろっけ
200710
子守はや眠り声なりハンモック
岡本幸枝
ぐろっけ
200710
吊られゐて嬰の魚めくハンモツク
柴田久子
風土
200710
鵜を飼ひて舟に住むなりハンモック
服部鹿頭矢
馬醉木
200711
ハンモック風の葉擦れの夕べかな
稲畑汀子
ホトトギス
200807
大空の風を集めてハンモック
稲畑汀子
ホトトギス
200807
ハンモック喜寿の軆をやつと載す
品川鈴子
ぐろっけ
200808
招かれて訪ふ新築のハンモック
伊藤早苗
200810
ハンモック巒気をはらむ撓りとも
能村研三
200812
いまユダの裏切りの章ハンモック
荒井千佐代
200901
フランスの小咄を読むハンモック
中田みなみ
200909
藤の風夢の世界ヘハンモック
鈴木照子
201007
バス揺れの抱き紐嬰のハンモック
品川鈴子
ぐろっけ
201009
星恋の今宵はひとりハンモック
泉田秋硯
201010
巡礼の鈴通り過ぐハンモック
松井倫子
火星
201010
読み止しは指栞してハンモック
能村研三
201010
蜘蛛の巣の水玉光るハンモック
土屋喜美代
酸奬
201010
旅の本目隠しにしてハンモック
服部早苗
201011
ニュートンを得心ハンモックに沈む
密門令子
雨月
201011
文庫本顔に伏せたるハンモック
藤井啓子
ホトトギス
201012
ハンモック吊せばそこが風の道
稲畑汀子
ホトトギス
201107
白樺の風に子の寝るハンモック
大石誠
201107
ペティキュアの足海へむけハンモック
山尾玉藻
火星
201108
少年が稲妻を抱くハンモック
鴨下昭
201110
ハンモックのフランス人形眸閉ぢ
大島寛治
雨月
201110
ハンモックあの木のあの枝に吊れば
稲畑廣太郎
ホトトギス
201207
ハンモック夢真白なる子の眠り 竹中一花 201209
人影のなくて湖畔のハンモック 楠原幹子 201209
ハンモックより腕が出て脚が出て 遠藤真砂明 201210
他人の手を借りてのりたるハンモック 平野みち代 201210
島の宿木蔭に吊るすハンモック 古井公代 ぐろっけ 201211
ハンモック夢も希望も宙ぶらりん 佐藤淑子 201310
軽くなる夢風羅坊ハンモック 井上石動 あを 201307
葉洩日の淋漓と降りぬハンモック 井上石動 あを 201308
揺らされて笑ふ童女のハンモック 松村晋 ぐろっけ 201311
ハンモックとは載りにくく落ち易く 林直入 ホトトギス 201402
ハンモックより起き上る一と工夫 稲畑汀子 ホトトギス 201407
虎造の節の憎さよハンモツク 井上石動 あを 201409
辛さうなカレー匂うてハンモック 辻響子 201409
子の降りて木洩日乗せるハンモック 山本ひろ 雨月 201410
サーキットの音遥かよりハンモック 涼野海音 火星 201410
ハンモックいつしか森の人となる 小圷律夫 ホトトギス 201412
海軍の父の青春ハンモック 松田明子 201412
考への翼を得たるハンモック 岩田公次 ホトトギス 201501
ハンモック瀬音が睡魔送り来る 岩田公次 ホトトギス 201501
ハンモック大地に抱かれをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201507
寝返りを打てば落ちさうハンモック 稲畑汀子 ホトトギス 201507
乗るときのこつを覚えてハンモック 稲畑汀子 ホトトギス 201507
読み止しの本伏せてありハンモック 松尾龍之介 201510
考へも一緒にゆれるハンモック 遠山みち子 201510
樹の枝に夢を吊るしてハンモック 竹中一花 201708
乗りたがり下りたがる子のハンモック 今橋眞理子 ホトトギス 201712
ハンモック我が重心のあり所 湖東紀子 ホトトギス 201712
ハンモック吊りて山荘朽ち果てし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
ハンモック星近付けて遠ざげて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
ハンモック胸にはヨハネ福音書 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
回文のごとき人生ハンモック 江島照美 201808
ひとにある胎内記憶ハンモック 辻美奈子 201809
シャンシャンの育つは早しハンモック 石田康明 春燈 201809
宇宙人考へ眠るハンモック 竹下陶子 ホトトギス 201901
万全といふあやふさのハンモック 高橋将夫 201909
天国も地獄もなくてハンモック おーたえつこ 201910
秋風や紐の重さのハンモック 小島良子 201911
ハンモック揺れて揺らして引きこもる 山田まさ子 船団 201912
さり気なく坐つてをりぬハンモック 稲畑汀子 ホトトギス 202007
ハンモックとは乗りにくく降りにくく 稲畑汀子 ホトトギス 202007
非通知の着信を聞くハンモック 能村研三 202009
木漏れ日の巣籠もりとなるハンモック 橋添やよひ 風土 202009
ハンモックあんぽんたんが揺れてます 火箱ひろ 202009
ハンモック犬も眠れる荘の昼 金山雅江 春燈 202009
手は器手は楽器ともハンモック 森清信子 末黒野 202011
ハンモック星を見る樹は決めてをり 中田みなみ 202108
童心にかへる旅路のハンモック 七郎衛門吉保 あを 202109
風が出て頃合よしとハンモック 赤座典子 あを 202109
ハンモックに身を任せたり風のまま 石井雲雀 末黒野 202111
ハンモック宇宙旅行も産業に 松尾龍之介 202112

 

2022年8月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。