半夏生 (半夏) 5    109句

ホルマリン漬けの皓さの半夏かな   高島茂   点線

作品
作者
掲載誌
掲載年月
半夏雨浅間さまの花火ドン 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
壁紙の猫の爪あと半夏生 奥田温子 やぶれ傘 201709
瀬の音の転がり濁る半夏雨 米田紀子 201710
半夏生いろはにほへととスマートホン 須賀敏子 あを 201709
隙間より猫覗きをる半夏生 田中美恵子 201710
仏心を水に映せり半夏生 藤田美耶子 201710
半玉の衿白粉や半夏生 小張志げ 春燈 201710
沿線の線路のほてり半夏生 久保村淑子 万象 201710
ひんやりした枕に代へし半夏生 谷口一献 六花 201710
風呂釜の傷み始めし半夏生 住田千代子 六花 201710
東慶寺一隅灯す半夏生 占部美弥子 末黒野 201710
白日に山河輝やく半夏生 水野恒彦 201711
卵みな正しき形半夏生 栗原京子 201712
半夏雨昼間につける書斎の灯 齊藤實 201808
仏頭のごとき木の瘤半夏雨 菊地光子 201808
半夏生観音さまの紅濃ゆし 塩貝朱千 京鹿子 201808
半夏生必ず覚ゆ身の不調 佐藤淑子 雨月 201808
半夏生姉のひと世を思ふとき 佐藤淑子 雨月 201808
仏縁に心耕す半夏かな 平野多聞 201809
思ひがけぬ医師の言葉や半夏生 河崎國代 春燈 201809
拭き掃除から始まるひと日半夏生 石橋邦子 春燈 201809
曲り角又間違ひて半夏生 高木晶子 京鹿子 201810
半夏生この身の痣は夜疼く 能美昌二郎 201810
半夏生夫の裏側いまも謎 小田嶋野笛 末黒野 201810
半夏生写真の妻の麗しく 津田このみ 船団 201811
五体いつもどこか痛みて半夏雨 田代民子 201812
笹団子バナナのごと剥く半夏雨 七郎衛門吉保 あを 201908
手作りの橋渡るこゑ半夏生 杉原ツタ子 201909
晩節の父の眼差半夏生 田中美恵子 201909
阿夫利嶺を去らぬ黒雲半夏生 森清堯 末黒野 201909
半夏生老いはひそかにやつて来る 金山雅江 春燈 201909
半夏生膝を折らねば切れぬ爪 千田百里 201909
木杓子に沁みる汚れや半夏雨 池田光子 風土 201909
蛸の足ぶつ切りあはれ半夏生 菊谷潔 六花 201909
物忘れまた詰られて半夏生 中原敏雄 雨月 201909
雨もよひ曲家に咲く半夏生 秋川泉 あを 201909
アートなりや落書なるや半夏生 佐藤慧美子 201910
祈ったら風が変わった半夏生 林田麻裕 201910
終活の話始まる半夏生 たかはしすなお 201910
半夏生月星紋のお饅頭 つじあきこ 201910
虫たちと受粉の時間半夏生 つじあきこ 201910
半夏生ゆれる此の世のこと忘れ つじあきこ 201910
半夏生いつか彼の世でみな出会う つじあきこ 201910
いい人で終りたくなし半夏雨 石黒興平 末黒野 201910
地下街に抜け道さがす半夏かな 斉藤マキ子 末黒野 201910
シュレッダーの詰まりやすさや半夏生 岡田史女 末黒野 201910
スイッチオン庖丁を研ぐ半夏生 大石よし子 雨月 201910
鬼の里野くれ山くれ半夏雨 西村白杼 京鹿子 201910
ゆるやかに曲がる飛石半夏生 笹村政子 六花 201910
半夏生おいしいお菓子のうわさして おーたえつこ 201910
大いなる合掌造り半夏生 佐藤花木 雨月 201911
半夏雨烟る古民家ずつしりと 森清信子 末黒野 201911
半夏雨一言多きこと悔ゆる 渡辺美智子 末黒野 201911
幽かなる水の匂ひや半夏生 渡辺美智子 末黒野 201911
束鮒の伏す藻そよりと半夏生 深川淑枝 201912
般若面震へてをりし半夏かな 竹内悦子 喜悦 202002
潮騒と母の指貫半夏かな 杉原ツタ子 202008
遠く来て半夏の雨や街眠る 竹中一花 202008
象牙なる天狗の根付半夏生 竹内悦子 202008
半夏生ひとり気をもむ事のあり 小菅礼子 春燈 202009
大内宿の神事に終はる半夏祭 室井津与志 春燈 202009
生き様をリセットしたき半夏雨 中貞子 202009
半夏生のひと日睡魔に付かれける 中貞子 202009
身の内の菌と共存半夏生 高橋将夫 202009
マニキュアの色なき色や半夏生 芝田幸惠 末黒野 202009
用水に鯉水際に半夏生 森美佐子 やぶれ傘 202009
悲しみの顔がほどけぬ半夏生 はしもと風里 202009
半夏生蛸食べる日と知らざりき 田中藤穂 あを 202009
残像の上に残像半夏生 高木晶子 京鹿子 202010
波が波消し去り行くや半夏生 江見巌 六花 202010
半夏雨たんすにねむるパスポート 鷺山珀眉 京鹿子 202010
水は水に流れて大河半夏生 亀井福恵 京鹿子 202010
半夏生地を這ふものは疎まれて 山内碧 202010
入院の上履き古ぶ半夏生 田代貞香 202010
半夏生外出かなはぬ片眠り 升田ヤス子 六花 202010
半夏生天地異変の凄まじき 六崎正善 末黒野 202011
水の色雲の動きも半夏生 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
風の色一喜一憂半夏生 出利葉孝 202108
陰と翳あり現世の半夏生 五十畑悦雄 202109
半夏生マスクの中の半化粧 飯塚トシ子 202109
岳を消し雨の近づく半夏生 土井ゆう 風土 202109
脇門の広く開く寺半夏生 柿沼盟子 風土 202109
蛸料理レシピ教はる半夏生 渡辺やや 風土 202109
眉を足すのみの粧ひ半夏生 橋添やよひ 風土 202110
西暦のどこかに生きて半夏生 高木晶子 京鹿子 202110
鉄瓶の湯がたぎりおり半夏生 都築繁子 202112
蒔きものに畑明け渡す半夏生 原友子 202112
半夏生黄味が崩るる目玉焼 今井康子 202112
銀化せしホテルの鏡半夏雨 木暮陶句郎 ホトトギス 202202
ぬくもりの残るベッドや半夏生 中西厚子 202208
爪先に冷え忍び寄る半夏雨 菅原末野 風土 202208
白き穂の左見右見して半夏生草 赤座典子 あを 202208
酢に殺す青身魚や半夏生 能村研三 202208
箒目のわずかに乱れ半夏生草 森川享 末黒野 202209
茸榾の一山蒸せる半夏生 能村研三 202209
半夏生止まつたままの古時計 野村昌代 202209
早朝のそば屋のバイク半夏生 神山市実 やぶれ傘 202210
今年また袋小路に半夏生草 小巻若菜 やぶれ傘 202210
金婚の喧嘩上手や半夏生 井上宮子 春燈 202210
雨脚の大路に弾む半夏かな 岡野里子 末黒野 202210
白髪の殖ゆるがままや半夏生 岡田史女 末黒野 202210
七七日の遺詠を読むや半夏生 山中ミツ 末黒野 202210
いつまでも気にかかる本半夏雨 河崎祐二 202210
音荒く風に閉まる戸半夏生 土井ゆう子 風土 202210
開いては閉づる歳時記半夏生 亀井福恵 京鹿子 202210
半夏生皮靴捨ててタイ捨てて 松川昌義 末黒野 202211
杉戸絵のうすれし翳や半夏雨 大西逸子 京鹿子 202301
流れ矢の地球ほしを蝕む半夏雨 鈴鹿呂仁 京鹿子 202306
就中一味の雨の半夏寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 202306
半夏生→ 1

 

2023年7月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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