紫 荊   51句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紫の暮色包みて紫荊 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
巨大な画架と父が残され花紫荊 芹沢愛子 海程 200006
咲きやうの剽げることも紫荊 山田夏子 雨月 200007
紫荊の下に大鯉放たれし 山尾玉藻 火星 200106
夜の風紫荊の紅こぼれ散り 河合笑子 あを 200206
縮緬の小紋古りたり紫荊 八木岡博江 酸漿 200206
伸びし枝ひしめき咲けり紫荊 小浦遊月 酸漿 200207
紫荊童女の声の聞えくる 小野タマ枝 酸漿 200207
街路樹の紫荊花のとき冬の町 中村恭子 200303
紫荊末吉と出し恋みくじ 立脇操 雲の峯 200306
ふところの遺影古りけり紫荊 岡本眸 200405
築地塀の崩れしままや花紫荊 池本喜久恵 200407
紫荊の二本の木陰蝉茸生ふ 松崎鉄之介 200410
どうしても瞼が重い紫荊 竹内弘子 あを 200506
校訓は良妻賢母紫荊 赤羽正行 遠嶺 200507
紫荊牡丹桜を夢見をり 後藤比奈夫 ホトトギス 200509
紫荊の走り根の合ひ蝉茸生ふ 松崎鉄之介 200511
人一人見えぬこの町紫荊 泉田秋硯 200707
紫荊の蕾みて既に匂ひけり 松崎鉄之介 200805
花紫荊明智の母の涙かな 天野みゆき 風土 200808
青邨亡し真正直に紫荊咲く 神蔵器 風土 200905
紫荊小さく志は高く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
紫荊青空低くしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
紫荊池に映らぬ高さあり 稲畑汀子 ホトトギス 201004
紫荊手品師ハトを消して見せ 佐田昭子 ぐろっけ 201006
紫荊思考回路は月の香へ 大島翠木 201108
紫荊足を汚して猫戻る 鈴木直充 春燈 201207
咲き終へて色失ひし紫荊 稲畑汀子 ホトトギス 201304
紫荊雲と存問する高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
紫荊空恋ふ色に仕上がりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
花蘇枋つつしみなきは愛されず コ田千鶴子 馬醉木 201406
花蘇枋色濃きが先づ人目惹き 久保晴子 雨月 201407
言い訳は次々と出る花蘇枋 こうのこうき ろんど 201407
花蘇枋お昼寝時間の保育園 田中藤穂 あを 201506
玉垣の苔むす石や花蘇枋 松本三千夫 末黒野 201507
紫荊尋ねたづねて番外寺 木村梨花 春燈 201605
老いの坂ゆるやかであれ花蘇枋 井上正子 童女 201701
花蘇枋冷たくあれど恋は恋 沼田巴字 京鹿子 201805
窮屈を好める性か花蘇枋 西村しげ子 雨月 201907
生けられて蘇枋は紅を失はず 後藤比奈夫 ホトトギス 201910
蘇枋にも敷いてやりたき花筵 後藤比奈夫 ホトトギス 201910
花蘇枋運動場につむじ風 藤井奨晴 やぶれ傘 202005
水ぐすりに昭和の甘さ紫荊 内田美紗 船団 202006
胃の重し枝の先まで蘇枋咲き 中田みなみ 202006
拡散の吐く息無色紫荊 中田禎子 202008
火の絶えて久しき生家花蘇枋 東小薗美千代 末黒野 202104
花蘇枋対岸にビル林立す 加倉井たけ子 202105
神経の薬小粒や紫荊 小島良子 202105
花蘇枋の紅き滴や雨上り 森一枝 末黒野 202107
溜池の静もりゐたり蘇枋の実 黒滝志麻子 末黒野 202112
花蘇枋深々と昼来てゐたり 増成栗人 202207

 

2023年3月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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