花菜漬      136句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花菜漬きざみすぎたる悔すこし 能村登四郎 199805
花菜漬箸の終りに香りけり 能村登四郎 199805
赤穂塩ほどよくきいて花菜漬 森田ゆり 風土 199905
遠き日の母の箱膳花菜漬 穴澤光江 花菜風 199907
甲に受く農家の縁の花菜漬 神蔵器 風土 200005
末広の箸置き二つ花菜漬 稲辺美津 遠嶺 200006
父想ふゆゑに我あり花菜漬 小澤克己 遠嶺 200007
塩効いて天女の里の花菜漬 杉山瑞恵 雨月 200009
廻し取りしてたちまちに花菜漬 中原幸子 遠くの山」 200010
歯ざはりに旬ほとばしる花菜漬 藤岡紫水 京鹿子 200106
献立に添ふ花菜漬仏の日 村越化石 200106
ロツキイとロッキイ違ふ花菜漬 田中武彦 六花 200109
花菜漬箸の終りに香りけり 能村登四郎 羽化 200110
フアクスで頼む京都の花菜漬 平田紀美子 風土 200205
花菜漬塩の加減に心して 河中透水 雨月 200206
灯のさきにうるむ絹雨花菜漬 藤岡紫水 京鹿子 200206
所望してお代はりしたる花菜漬 野沢しの武 風土 200206
花菜漬箸は吉野の杉にして 吉田汀史 200206
花菜漬きざむ手許のたしかなる 小池槇女 火星 200206
一人居の昼餉夕餉の花菜漬 岡有志 ぐろっけ 200206
京見ゆる暮しに慣れて花菜漬 波田美智子 をりをりに 200208
女性部と言ふ名の会議花菜漬 森本さやか 雲の峰 200305
いつよりかよき距離おぼえ花菜漬 福山悦一 200305
深酒や罪滅ぼしの花菜漬 左官治郎 200306
花菜漬しづかに夜の来てをりぬ 清水晃子 遠嶺 200306
花菜漬出て飽食の一家族 葛馬房夫 雨月 200307
家苞に持ち重りして花菜漬 今井千鶴子 円虹 200307
途中下車こだわる京の花菜漬 田中時子 八千草 200310
丈草忌重しをかろく花菜漬 高千夏子 200403
独り者買ひ足してをり花菜漬 松崎鉄之介 200404
スルタンの贅見し夜の花菜漬 川津小枝子 200405
よきことのありさうな朝花菜漬 村越化石 200405
戦艦に手は振るまいぞ花菜漬 植松美根子 200406
振売の魚屋にもらふ花菜漬 伊藤月江 雲の峰 200407
箸置に九谷を選び花菜漬 矢島久栄 200408
やはらかく石の重みを花菜漬 林昭太郎 200505
朝市や婆のほまちの花菜漬 内海保子 万象 200505
寂光院前の茶店の花菜漬 神蔵器 風土 200506
七人の昼餉に旅の花菜漬 木内憲子 200506
手加減の塩味のよき花菜漬 田中千枝子 対岸 200508
七分搗の飯に立つ湯気花菜漬 野中啓子 200508
笑み合ふも肴のひとつ花菜漬 山田六甲 六花 200604
あをによし「東大路」の花菜漬 神蔵器 風土 200604
花菜漬湖の景称へつつ 徳丸峻一 風土 200605
あきらめの身に添ひにける花菜漬 大橋敦子 雨月 200605
一日のまた過ぎてゆく花菜漬 山田暢子 風土 200605
花菜漬母亡きことを今更に 佐藤よしい 風土 200606
正直を旨とす暮し花菜漬 山田夏子 雨月 200705
三島手は母の好みや花菜漬 樺山翠 雨月 200705
深川の人情いまも花菜漬 田中藤穂 あを 200707
夫留守の卓の浮足花菜漬 安永圭子 風土 200707
花菜漬恋しい人が四、五人は 坪内稔典 稔典句集U 200804
花菜漬遠くの友のすこやかに 坪内稔典 稔典句集U 200804
花菜漬買うて若狭の箸おろす 塩路隆子 200805
左指少し太めで花菜漬 竹下昌子 200805
手のひらに置いてもらへり花菜漬 大西八洲雄 万象 200806
そよ風が運びたる幸花菜漬 伊東和子 200807
花菜漬寡婦三人の三夜講 岡野ひろ子 200807
食すすむ青き蕾の花菜漬 伊庭玲子 200904
洛北の雨脚ほそし花菜漬 片山博介 春燈 200905
花菜漬好みし人の日々遠き 仙石君子 雨月 200905
持ち寄りの花菜漬なり比べをり 矢田部なほ子 200905
あをによし奈良の仏と花菜漬 神蔵器 風土 200906
声張りてないしょ話を花菜漬 木原今女 ぐろっけ 200906
海へ向け魚干さるる花菜漬 きくちきみえ やぶれ傘 200906
花菜漬南部絵暦解きがたく 内藤静 風土 200908
天平の色を染めたる花菜漬 竪山道助 風土 200908
論客もいつしか円し花菜漬 藤沢秀永 200909
水取や手の甲にうく花菜漬 神蔵器 風土 201003
入り用の金を夫より花菜漬 蘭定かず子 火星 201005
友よりの幸福便や花菜漬 真柄百合子 末黒野 201005
妻の小言ほろりと苦し花菜漬 松本三千夫 末黒野 201005
入母屋の名主の家の花菜漬 古川よし子 風土 201006
花菜漬隣人よりのお裾分 永田あき 酸漿 201006
花菜漬独りの卓を彩れり 檀原さち子 酸漿 201006
花菜漬母の声せるあねいもと 浜口高子 火星 201007
一茎を活け大方は花菜漬 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201008
くらがりに大黒さんの花菜漬 浜口高子 火星 201105
花菜漬飯白きこと二三日 桂樟蹊子 201105
ふる里の茶粥に適ふ花菜漬 武生喜玖乃 雨月 201106
蝋@燭の夕餉また良し花菜漬 石川笙児 201106
花菜漬空気になれぬ老二人 田中涼平 201106
午前午後ゆつたり過ぎぬ花菜漬 山田暢子 風土 201107
花菜漬もとめてつつむ小風呂敷 藤澤陽子 201107
てのひらに京の言葉と花菜漬 根岸善行 風土 201201
こともなく始まるひと日花菜漬 田中珠生 馬醉木 201205
一日中雨降ると言ふ花菜漬 竹久みなみ 風土 201205
ひとさまの少しお役に花菜漬 直江裕子 京鹿子 201206
食べて旨し石焼芋と花菜漬 菊地崇之 かさね 201206
噛みしめる今の息災花菜漬 和田郁子 粥の味 201209
棟梁へ楊枝を添へし花菜漬 奥山ひろ子 万象 201305
蕾摘むときのためらひ花菜漬 山田正子 201305
舞妓より手くぼにたまふ花菜漬 山田春生 万象 201305
ふるさとの話に及ぶ花菜漬 酒井みちこ 201305
上賀茂の杜ひつそり花菜漬 岡野安雅 かさね 201306
買ひ替へし釜で炊く飯花菜漬 國保八江 やぶれ傘 201306
聞き役になりて持て成す花菜漬 塩川君子 末黒野 201306
割箸の歪に割れて花菜漬 山田六甲 六花 201405
藍の鉢にひと粒咲ける花菜漬 小澤菜美 201405
朝飯に彩あざやかな花菜漬 荒井和昭 201406
花菜漬妻の回忌の食膳に 野沢しの武 風土 201407
身上は早寝早起き花菜漬 田岡千章 201408
花菜漬田舎育ちのぬけきらず 水谷文謝子 雨月 201501
村抜けて川の老いたり花菜漬 深川淑枝 201503
箸置きの小枝の粋や花菜漬 中田みなみ 201505
花菜漬絞り加減は味のうち 時澤藍 201506
花菜漬旨し思ひ出ほろ苦し 赤岡茂子 春燈 201506
連載を交代に読む花菜漬 高橋道子 201506
なにごとも潮時のあり花菜漬 寺田すず江 201507
花菜漬びやつと泣いたあとの顔 秋月祐一 船団 201512
向き合へる時よいつまで花菜漬 山崎靖子 201606
花菜漬一菜で足るわが朝餉 大島寛治 雨月 201606
坦々と一日の終はり花菜漬 秋山信行 やぶれ傘 201608
花菜漬つまみながらの昼の酒 松本善一 やぶれ傘 201608
朝市に呼び合ふ屋号花菜漬 河野由美 馬醉木 201701
良い本に巡り合うた日花菜漬 須賀敏子 あを 201704
箸休めなりけりまはす花菜漬け 中川句寿夫 ここのもん 201705
清左とは久し一献花菜漬 原田達夫 201705
大皿の料理に加へ花菜漬 安藤久美子 やぶれ傘 201705
水あがり重石傾ぐ花菜漬 吉田万喜子 雨月 201708
だんだんと母に似る姉花菜漬 大川ゆかり 201806
花菜漬少し食慾進みけり 中村風信子 馬醉木 201904
母の忌や足す一品の花菜漬 岩木茂 風土 201905
還暦の二人の暮らし花菜漬 神野未友紀 201905
夫の忌の「酔心」に添ふ花菜漬 平田きみこ 風土 201906
姑を知らぬ三代花菜漬 近藤綾 201906
人生は晩年も佳し花菜漬 山田暢子 風土 201907
食進む妻息災に花菜漬 谷村祐治 雨月 201907
蕾より食べられてゆく花菜漬 きくちきみえ やぶれ傘 202005
花菜漬駅を問はずの昔塩 片桐てい女 春燈 202107
籠り居の夕餉の卓や花菜漬 高木邦雄 末黒野 202107
花菜漬余生うまかり楽しかり 阪倉孝子 202205
染付の藍はくづし字花菜漬 平松うさぎ 202205
掌の窪に受くふるさとの花菜漬 浅田光代 風土 202205
箸先に残る野の香や花菜漬 六車佳奈 風土 202205
花菜漬父母に声かけ供へけり 菅澤陽子 春燈 202207

 

2023年4月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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