浜昼顔   111句

青田行く水はながれて磯原の濱晝顔の磯に消入りぬ    長塚節

作品
作者
掲載誌
掲載年月
這ふものは強し砂丘の浜昼顔 鷹羽狩行 199809
ふだん着の亡母の来てゐる浜昼顔 長尾康子 風土 199810
男より逃げて浜昼顔となる 鳥居真里子 船団 199812
靴の砂浜昼顔に来て落す 別府優 199901
浜昼顔椅子の退屈知っており 今城知子 船団 199902
漂着のものにハングル浜昼顔 花藤原照子 199911
蓬島へ徒歩にて渡る浜昼顔 伊丹さち子 馬醉木 200007
逝くときは浜昼顔に尋うてから 竹村悦子 銀化 200008
浜昼顔背向き真向きてうからなり 下村志津子 銀化 200009
引潮や浜昼顔が崖に這ふ 中野菊子 春耕 200009
踏まれても踏まれても咲く浜昼顔 佐藤琴 200009
浜昼顔ポッと口開け午睡の漁夫 伊藤和 海程 200011
浜昼顔異国語の瓶流れ着く 石本百合子 馬醉木 200012
空耳になって浜昼顔のなか 佐渡美佐子 船団 200102
風紋に浜昼顔の色揃ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200105
しぶくたび浜昼顔の数増やす 藤井圀彦 200108
浜昼顔黒潮浜を洗ひをり 渕江千代 酸漿 200109
浜昼顔這ふ単線の能登鉄路 岡田有峰 築港 200309
浜昼顔油塔は赤き火を噴けり 川瀬信子 築港 200309
浜昼顔打ち寄す波のしづかなり 川瀬信子 築港 200309
海風の肌に重たき浜昼顔 朝倉治美 200310
網干さる灯台の下浜昼顔 加藤梅窓 200310
浜昼顔砂中に魚の骨あまた 佐藤佐代子 200311
浜昼顔自転車砂に呑まれたる 恩田甲 百鳥 200408
浜昼顔夜は大地の声を聞く 今井松子 遠嶺 200410
捨て網をがんじがらめの浜昼顔 中山砂光子 200410
浜昼顔八方風のメヌエット 和田幸江 春燈 200507
声かけて浜昼顔の砂拂ふ 岡本眸 200507
夕ぐれや浜昼顔は砂の星 坂本京子 200508
日かげれば浜昼顔に涛とどく 岡本眸 200508
浜昼顔かばひやうなき吹かれやう 岡本眸 200508
浜昼顔かばふべく海背にしたり 岡本眸 200508
手触るれば浜昼顔の紅ほのか 岡本眸 200508
浜昼顔アフロディーテの足跡か 岩月優美子 200509
廃船や浜昼顔の一叢に 森理和 あを 200509
浜昼顔皆口開けて日照雨そばえ受く 村上和子 ぐろっけ 200510
燈台の浜昼顔が咲き揃ふ 岩木茂 風土 200608
浜昼顔砂のくづるる音を聞く 合川月林子 ぐろっけ 200610
はまひるがほ手囲ひて砂やはらかし 佐々木幸 200611
浜昼顔波の置砂風除けに 官林千枝子 200708
日も風も力ゆるめず浜昼顔 北川英子 200708
浜昼顔の中の眠たさ潮満ち来 泉田秋硯 200709
引けば引く砂の力の浜昼顔 大山良子 200710
漁港への別れ路に咲く浜昼顔 松崎鉄之介 200807
浜昼顔白秋歌碑へいま少し 斉藤小夜 風土 200809
浜昼顔旧塩田の風今に 岸本林立 雨月 200809
白秋碑へ浜昼顔の咲ける径 和田一 雨月 200810
隠れ咲く浜昼顔も一会かな 小山繁子 春燈 200907
白砂の浜昼顔のさんざめく 三輪初子 炎環 200908
白砂を侵せし熔岩や浜昼顔 山本浪子 風土 200908
浜昼顔砂地に仕付打つてをり 高橋道子 200908
廃船へ浜昼顔の絡みつく 笠井敦子 200908
浜昼顔握手せぬこと悔ひてをり 竹内美穂 炎環 200909
浜昼顔黒き腕の新五郎 松本平八郎 炎環 200909
息できぬほどの潮風浜昼顔 鈴木多枝子 あを 200909
戸口より浜昼顔の番屋かな 石田阿畏子 馬醉木 200910
海鳴や浜昼顔の蔓惑ひ 木下ふみ子 馬醉木 200910
鳴砂に浜昼顔の咲きゐたる 山田六甲 六花 200910
浜昼顔佐渡のみやげの花咲けり 三浦カヨ子 酸漿 200911
浜昼顔夢は追ふもの掴むもの 岩月優美子 201008
波が呼ぶ浜昼顔の競ひ咲き 中川すみ子 201009
浜昼顔つぎの大浪待ちをりぬ 川端俊雄 火星 201010
カツプラーメン急に食べたし浜昼顔 森理和 あを 201010
浜昼顔沖白みくる通り雨 寺岡ひろし 雨月 201108
遠き帆へ浜昼顔の揺るる音 平野みち代 201109
ひと群の浜昼顔や空碧き 堺昌子 末黒野 201109
潮騒を聞く浜昼顔と共にゐて 松嶋一洋 201109
廃船を浜昼顔の囲むかに 大崎紀夫 やぶれ傘 201109
浜昼顔高き波音地に響き 中村弘 末黒野 201110
眠りても浜昼顔の群生す 川村文英 ろんど 201208
廃船の鉄にからまる浜昼顔 三浦澄江 ぐろっけ 201208
舟板や浜昼顔に影もなし 山田六甲 六花 201208
浜昼顔潮風荒き日なりけり 羽賀恭子 201210
小港に浜昼顔の咲くところ 瀬島洒望 やぶれ傘 201210
浜昼顔砂の火照りを花にして 岩木茂 風土 201311
天を向く浜昼顔は雨を恋ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
風紋に浜昼顔の咲きゐたる 鎌田光恵 201408
浜昼顔無心の刻をいとほしむ 岩月優美子 201408
浜昼顔杖の三鬼の立ちし浜 内海良太 万象 201408
向き合うて浜昼顔と目で遊ぶ 市川伊團次 六花 201409
海神へ浜昼顔がラッパ吹く 山口ひろよ 201509
足跡は浜昼顔の方へ逸れ 大崎紀夫 虻の昼 201510
浜昼顔錨いくつか岸に錆び 大崎紀夫 虻の昼 201510
バス降りて浜昼顔の咲く岬 瀬島洒望 やぶれ傘 201510
海の綺羅浜昼顔に及び来る 河野美奇 ホトトギス 201511
浜昼顔体に入りし水の出る 津田このみ 船団 201602
九十九里浜昼顔のふるへあふ 大山春江 万象 201608
漁了ヘし男ら酔ひて浜昼顔 柴田佐知子 201611
浜昼顔真夜は匍匐そ解くならむ 高橋道子 201709
浜昼顔海より闇の来てをりぬ 和田照海 京鹿子 201710
波音に浜昼顔は襞を解く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
ふるさとの浜昼顔の咲く夕べ 稲畑汀子 ホトトギス 201806
国土削ぐ海や浜昼顔も痩せ 田中臥石 末黒野 201808
群落の浜昼顔に波の音 海渡たみ 馬醉木 201809
浜昼顔砂の風紋渚まで 藤生不二男 六花 201809
浜昼顔砂にあそべる指の美し 藤生不二男 六花 201809
引く波の鞣す浦曲や浜昼顔 菅野日出子 末黒野 201908
浜昼顔揺れて波音風の音 岡野里子 末黒野 201910
浜昼顔砂やはらかく崩れけり 住田千代子 六花 201910
靴跡は浜昼顔のところまで 住田千代子 六花 201910
浜昼顔トランペットの音がとどく 山崎正子 202009
流刑地の浜昼顔や砂を這ふ 三代川玲子 春燈 202011
浜昼顔ここに始まる九十九里 鈴木和江 202108
浜昼顔午後より白き沖つ波 黒滝志麻子 末黒野 202109
自然守る人人や浜昼顔の海辺 長崎桂子 あを 202109
朽舟に浜昼顔の咲き出でし 笹村政子 六花 202110
腰かがめ浜昼顔をながめやる 秋山信行 やぶれ傘 202209
芙蓉峰浜昼顔に寄する波 長尾タイ 末黒野 202209
浜昼顔踝あたりこそばゆき 岸本順子 京鹿子 202212

 

2023年6月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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