波郷忌.・風鶴忌・忍冬忌・ 惜命忌       100句

波郷の棺担ぐ桂郎時雨くる    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初霜といふ菓子ひとつ波郷の忌
片山由美子
199904
波郷忌の夕波のたつ小名木川
皆川盤水
高幡
199912
篁の蒼き影踏む波郷の忌
大和田鏡子
俳句通信
200001
波郷忌をけふに露抱く巖は碑に
中原道夫
銀化
200001
波郷忌のほど好き燗となりにけり
水原春郎
馬醉木
200002
波郷忌や発作のごとく酒欲しき
和田あきを
風土
200104
波郷忌のはたと昏れたり石蕗の花
皆川盤水
春耕
200112
武蔵野に大綿舞へり波郷の忌
水原春郎
馬醉木
200201
波郷忌の萩も津和野も日照雨かな
岡山裕美
雲の峰
200201
波郷忌を三十年まりの白椿
村上光子
馬醉木
200202
波郷忌に焚かむと菊を括りけり
木室幸雄
百鳥
200202
酔ひざめのただただ寒し波郷の忌
仲村青彦
200202
秀野忌より波郷忌までの山の色
西田もとつぐ
雲の峰
200212
波郷忌の忘恩の膝くづしけり
西田もとつぐ
雲の峰
200212
花八つ手けふ波郷忌と過しをり
渡辺立男
馬醉木
200302
波郷忌や木曾の地酒を買はで過ぎ
後藤秋邑
百鳥
200302
波郷忌のうすうすあをき蕎麦湯かな
石崎宏子
百鳥
200302
波郷忌の近づく昼月白きかな
宮川みね子
風土
200303
波郷忌や三尺の子に墨磨らす
神蔵器
風土
200401
波郷忌や冬の泉のこゑすなり
須佐薫子
帆船
200401
日本貧しかりし波郷忌一葉忌
岡本眸
200401
波郷忌のしづかに昼の潮満ち来
浜福恵
風土
200402
波郷忌や歩いて渡る葛西橋
小林共代
風土
200402
貨車過ぐる音を聞きつつ波郷の忌
鈴木良戈
200402
白樫の高垣の鳴る波郷の忌
鍬形幸子
百鳥
200402
波郷忌の岸遠くをりかいつむり
渡部義雄
200403
波郷忌の大路の落葉し尽くしぬ
上林孝子
200403
泉石に避らぬ別れや波郷の忌
安西静
帆船
200404
波郷忌の炎に透ける十指かな
若井新一
200412
波郷忌やゑくぼのごとき日を賜ふ
神蔵器
風土
200501
波郷忌や無患子の実の落つを待つ
神蔵器
風土
200501
綿虫や胸に火のつ風鶴忌
神蔵器
風土
200501
波郷忌と知る地玉子の数届き
伊藤白潮
200501
波郷忌の路地に溢るる冬日かな
横森みゆき
雲の峰
200502
竜の玉まだ色あはき波郷の忌
長野純顕
対岸
200502
波郷忌に遅し片減る波郷杖
伊藤早苗
200503
ちりちりと身内の熱や忍冬忌
村本真由美
遠嶺
200503
鼻先に白き散薬忍冬忌
菅野末野
風土
200511
波郷忌や冬薔薇園のまん中に
神蔵器
風土
200601
桂郎忌波郷忌の過ぐ空の色
工藤ミネ子
風土
200602
佗助の蕾はあをし惜命忌
上柿照代
馬醉木
200703
知らぬ間に波郷忌過ぎぬ夜空かな
米山喜久子
200703
波郷忌の日射の中の人のこゑ
冨田正吉
200802
慈恵師の祈り響けり風鶴忌
中島玉五郎
200811
冠雪の石鎚山晴るる惜命忌
石本秋翠
馬醉木
200902
寒椿ふふみ初めたり波郷の忌
間宮あや子
馬醉木
200902
寺巡り花を愛でたる波郷の忌
赤座典子
あを
201001
波郷忌や磧伝ひに女の子
中村恭子
201001
海近く住み海を見ず風鶴忌
松本三千夫
末黒野
201002
白陀師の嘆きを今に波郷師忌
小野口正江
末黒野
201002
かりがねの羽音高鳴り波郷の忌
秋葉雅治
201101
波郷忌の月の明りに夫の椅子
浜福惠
風土
201102
波郷忌の風どことなく冬めけり
松本三千夫
末黒野
201102
咳き込みて人を離るる忍冬忌
内藤静
風土
201103
惜命忌一葉忌過ぐ玻璃戸かな 小林輝子 風土 201202
波郷忌やそばをさかなに昼の酒 山田春生 万象 201202
得心の告知聞きをり惜命忌 宮井知英 201203
波郷忌の日のささなみの中に居て 井上信子 201301
翔先生を泣かせし波郷忌の近し 千田百里 201301
砂町の夕日遠見に波郷の忌 千田敬 201301
波郷忌の命惜しとて薬喰 関根揺華 201301
波郷忌の粥啜りをり朝の鵙 松本三千夫 末黒野 201302
木蓮の冬芽たしかに波郷の忌 大上充子 馬醉木 201303
波郷忌の花柊のほのかなり 熊切光子 末黒野 201303
砂町に下駄の音する波郷の忌 山田正子 201303
吊し柿透き徹りける波郷の忌 野畑さゆり 201303
武蔵野の土となりたる波郷の忌 瀧春一 花石榴 201312
波郷忌の女夫塚ともなりしかな 瀧春一 花石榴 201312
落葉踏む足すべらせて波郷の忌 瀧春一 花石榴 201312
橋渡ればまた橋のある波郷の忌 中島芳郎 201402
波郷忌を迎ふ八ツ手の花芯伸び 田中臥石 末黒野 201402
桂郎忌すぎて波郷忌鵙猛る 神蔵器 風土 201412
茶の花の蕊金色に惜命忌 小林輝子 風土 201502
波郷忌や廊下の長き療養所 白水良子 201602
波郷忌の日なり久留里の城の坂 田中臥石 末黒野 201602
波郷忌や無患子拾ふ深大寺 辻井ミナミ 末黒野 201603
波郷忌を修す雪待月半ば 田中臥石 末黒野 201802
波郷忌の散歩ここまで雪婆 久留米修二 馬醉木 201802
冬鵙の声たばしりぬ惜命忌 小川玉泉 末黒野 201803
篠懸の実を手につつむ惜命忌 上柿照代 馬醉木 201803
波郷忌の白こそよけれ冬椿 南うみを 風土 201902
波郷忌を修す夕べの花八手 田中臥石 末黒野 201902
風鶴忌写真の波郷微笑みてをり 田中臥石 末黒野 201902
波郷忌の大股で来る木枯も 千田百里 202001
流麗な五句立て屏風風鶴忌 能村研三 202001
冬の日の九人の句会忍冬忌 小原紀子 末黒野 202002
杯を捧ぐや波郷忌の夕べ 田中臥石 末黒野 202002
閼伽桶の水澄む波郷忌なりけり 田中臥石 末黒野 202002
波郷忌を文机に座し何もせず 倉林はるこ 202002
波郷忌を迎へ霜月粥を炊く 田中臥石 末黒野 202002
一葉忌波郷忌と冬深みゆく 山内宏子 202003
波郷忌を迎へ花屋に寄りにけり 田中臥石 末黒野 202102
波郷忌を修すこころへ海の音 田中臥石 末黒野 202102
波郷忌や落葉踏みたき郷の山 尾崎千代一 末黒野 202102
障子越しの日が文机に波郷の忌 佐藤あさ子 202103
波郷忌や冬日拾ひて葛西橋 山下健治 春燈 202202
波郷忌を以て残菊となりにけり 中村洋子 風土 202202
波郷忌の欅は雲にとどきたり 森田節子 風土 202202
波郷忌や暮れていきなり腎不全 田中臥石 末黒野 202203
あたためて履く白足袋や惜命忌 小田嶋野笛 末黒野 202203

 

2023年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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