白 扇     67句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
風を欲るとは思はれぬ白扇子 藤井圀彦 199812
さりげなく白扇かざし舞いたまう 武井康隆 船団 199812
白扇に涼の一字を給ひけり 神蔵器 風土 199908
白扇や要がえしとはやっかいな 日下敬 船団 199909
熱量のある会議にて白扇子 能村研三 200008
白扇を置きて男の舞ひ終る 松宮幹彦 俳句通信 200009
そのあとの白扇手もちぶさたなり 鉄山幸子 銀化 200010
白扇をたたみ一座へもの申す 谷榮子 雨月 200101
白扇にしかと師の文字匂ひ立つ 杉本光祥 200109
白扇に口許隠し酔ひし振り 山陰石楠 200110
音ひとつ立ててたたまれ白扇子 鷹羽狩行 200208
本陣の話に沸きて白扇 原茂美 雲の峰 200209
噺家の刀となりし白扇子 池田厚子 雲の峰 200209
白扇ぴたりと嶺々に雲止まる 小澤克己 遠嶺 200209
白扇や将外にゐて閉ぢ開き 亀井福恵 京鹿子 200209
白扇を帯にひとつの意を通す 今井松子 遠嶺 200210
慰めの言葉にならず白扇 池谷市江 200211
白扇新京極へ曲がりけり 杉浦典子 火星 200211
明治の母偲び白扇帯に押す 梶島邦子 築港 200309
白扇に指され暴悪大笑面 戸田和子 200310
笑ひ皺かくすに探す白扇 吉田明子 200310
実盛の白扇さらと開きけり 岡本明美 雲の峰 200310
ナプキンの白扇びらき月今宵 藤井明子 馬醉木 200311
白扇子開きて人をへだてたる 中村房江 六花 200408
白扇を家のなかまで使つて來し 八田木枯 「夜さり」 200409
白扇のひとつ動ける会議場 竹腰千恵子 200409
江戸つ子の角帯に挿す白扇 大村峰子 万象 200410
白扇の横一文字茶釜鳴る 荒木英雄 対岸 200410
白扇に君との過去も畳みたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
白扇に百嬉をさめて夜の黙 小澤克己 遠嶺 200509
海一枚閉ぢ白扇の置かれけり 小澤克己 遠嶺 200509
白扇や誰にみせよう心意気 津田礼乃 遠嶺 200510
呼出しの白扇といふ扇かな 大橋敦子 雨月 200610
白扇や鶴の一声まだ発せず 鷹羽狩行 200708
白扇のひと差し舞うて西湖かな 中島陽華 200709
白扇をつかひこなして旅にあり 八田木枯 晩紅 200710
巴里行きの離陸待つ間や白扇 泉田秋硯 200710
白扇にのせて出さるる寸志かな 吉田裕志 200710
白扇をたたみ香りにひたりけり 矢嶋みつ江 遠嶺 200711
対局の棋士の白扇のみ動く 吉田裕志 200711
白扇やことさら死への言葉あり 小澤克己 遠嶺 200808
白扇に無欲の一句認めむ 川口襄 遠嶺 200809
ひらきたる側が表や白扇子 鷹羽狩行 200809
いらだってバス待つ真昼白扇子 芝宮須磨子 あを 200811
白扇のかをりの風を貰ひけり 関まさを 酸漿 200811
白扇に真髄の二字天動す 延広禎一 200908
白扇やわれに打出の小槌無し 小澤克己 遠嶺 200908
孤に生きて衆に憩ひぬ白扇 小澤克己 遠嶺 200910
強運の人を煽ぎし白扇子 長谷川智弥子 炎環 200912
白扇を開きしやうに千枚漬 池田加代子 風土 201003
白扇とサンドイッチと爪楊枝 齋藤厚子 201009
癌告知受けし白扇膝に握る 山尾玉藻 火星 201208
鵜綱いま闇に白扇ひらきけり 熊川暁子 201208
白扇の手を止め次の言葉待つ 阪上多恵子 雨月 201210
白扇を開く商談成りてより 阪本哲弘 201310
白扇を翳して合図弓始 森脇貞子 雨月 201404
切腹の作法しかじか白扇子 谷田部栄 万象 201408
屋根方の白扇舞へば山車急に 鎌田篤 雨月 201410
白陀師の墨痕著し白扇 菅野日出子 末黒野 201411
奈良格子の奥に灯す白扇子 落合絹代 風土 201510
白扇や席を譲られ老を知る 松本文一郎 六花 201511
白扇のゆるき所作なる風羅の舞 橋添やよひ 風土 201608
白扇を開くや師の句の立ち上がる 荒井千佐代 201608
勘平の自刃のくだり白扇子 齊藤いさを 馬醉木 201909
白扇たたみて決まる一語かな 能村研三 202010
白扇に言の葉生れやすきかな 和田華凛 ホトトギス 202111
白扇の風にうるおう燐席 小澤えみ子 202112

 

2022年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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