厳 寒    47句

厳寒を垣とし戦災墓標群    菊池麻風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
厳寒や大川何も語らざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
大川の威に厳寒の風緩む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200001
厳寒の殖えて憐れや湖の鹿 村瀬初実 春耕 200003
厳寒の地にぞ住みたる吾子のこと 黒川悦子 円虹 200104
厳寒の東京を抜け出して来し 稲畑汀子 ホトトギス 200201
格好のいうてはをれず厳寒に 稲畑汀子 ホトトギス 200201
厳寒の予報の外れ日光浴 増田智子 帆船 200304
厳寒の飛騨の三寺まゐりかな 密門令子 雨月 200304
厳寒の水に沈みぬ楮重石 岩木茂 風土 200402
厳寒やついで参りの善光寺 須佐薫子 帆船 200402
厳寒の沈思のこころ密にせり 能村研三 200403
フォルテもて「第九」を歌ふ厳寒期 望月晴美 要滝 200403
厳寒の庭にふるへて竹の影 桑島啓司 200404
厳寒に水掛け地蔵水浸し 木藤ヒデ子 築港 200404
蕉像の目には厳寒届かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
蕉像に何か着せたき厳寒に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
厳寒の海から椀へ布海苔かな 森理和 あを 200504
厳寒を共に嘆きて見ず知らず 土永三輪子 対岸 200604
賑はひて厳寒無縁の駅弁祭 池田博子 四葩 200605
厳寒の水音に歩を止めにけり 渡辺章子 200605
一禽の発ち厳寒の湖覚ます 川口襄 遠嶺 200705
厳寒を負ひ禅林に隙間なし 小澤克己 遠嶺 200802
厳寒の旅人にある心意気 能村研三 200802
厳寒の家並寄せ合ふ漁師町 森田節子 風土 200805
厳寒に都心固まりゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
厳寒に白きも混りゆく都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
厳寒の影阮咸の琵琶に添ふ 小澤克己 遠嶺 200901
厳寒の鉄橋鳴らす保線工 渡会昌広 馬醉木 200903
厳寒の海開眼の一句抱く 小澤克己 遠嶺 200904
厳寒に薄くれないの櫻かな 西垣順子 201104
厳寒の唇の尖つてきたりけり 浅田光代 風土 201104
厳寒にサッカー仲間集ひけり 本郷宗祥 かさね 201203
厳寒や奮ひ立つもの胸にあり 長山あや ホトトギス 201305
山の温泉の真夜の厳寒月明り 宮崎正 ホトトギス 201306
厳寒や音遠ざかるヘリコプター 坂場章子 201404
厳寒やアルミシートの威を借りる 石倉千賀子 末黒野 201404
厳寒というて油断を窘むる 稲畑汀子 ホトトギス 201502
蒼々と富士厳寒の車窓かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
厳寒の峙つ富士に襟正す 安原葉 ホトトギス 201506
快晴の旅厳寒の家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201701
旬日の変化に処すも厳寒に 稲畑汀子 ホトトギス 201701
厳寒の頭痛宥むる深呼吸 下田村園子 201704
厳寒や旖羅一入の大理石 前田美恵子 201704
厳寒の突如もの言ふ拡声器 定梶じょう あを 201804
厳寒の底一灯をもて学ぶ 山田佳乃 ホトトギス 201906
厳寒の磯辺に話し声のあり 前田美恵子 202002
もうもうと湯気厳寒の店先に 酒井湧水 ホトトギス 202206

 

2023年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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