蝦 夷     276句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
果なき野果なきみどり蝦夷へ旅 稲畑汀子 ホトトギス 199806
眠る森より抜けて蝦夷山桜 稲畑汀子 ホトトギス 199905
蝦夷の旅終へて薄暑の待つ家路 稲畑汀子 ホトトギス 199905
しぼりたててふ牛乳に蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 199905
鈴蘭に近づく蝦夷の旅思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 199905
白・白・白・白おのづから雪の蝦夷 平橋昌子 199907
青鷺や濃き蝦夷松の釧路川 堤正俊 春耕 199908
山毛欅林蝦夷春蝉の鳴きとよむ 金升富美子 199908
芽ぶく木とやさしさ競ひ蝦夷ざくら 鷹羽狩行 199908
大野分蝦夷隼人のまつろはず 小林喜一郎 199911
蝦夷人と熊汁かこむ暑気払ひ 香川はじめ 春耕 199911
蝦夷の道一直線に冬構 稲畑廣太郎 ホトトギス 199911
蝦夷人の顔となりきつて小豆刈る 中川濱子 ぐろっけ 199912
壱岐の人蝦夷よりの人秋遍路 湯淺苔巌 円虹 200001
蝦夷松の秋風高き旅路かな 水田むつみ ホトトギス 200001
蝦夷の日を纏ひアスパラ送られし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
踏めば鳴く蝦夷地の雪でありにけり 藤浦昭代 円虹 200005
蝦夷は余花盛りと告げて乾杯す 稲畑汀子 ホトトギス 200005
蝦夷蕗の大きさに旅なつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 200005
諏訪の森蝦夷春蝉の声埋む 村越化石 200008
蝦夷の旅雨おほつぶや青林檎 皆川盤水 春耕 200008
ここは蝦夷うつつに霧の峠越え 稲畑汀子 ホトトギス 200009
蝦夷の秋身軽に訪ふも旅心 稲畑汀子 ホトトギス 200009
蝦夷連峰冠雪なぞる機上より 大川冨美子 ぐろっけ 200009
黄色なほひそめ末枯れそめし蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 200009
大胆に涼しき蝦夷の旅路かな 黒川悦子 円虹 200010
茸採女蝦夷龍胆を手折りくる 和田和子 馬醉木 200012
今にして蝦夷松林に狐罠 坊城としあつ ホトトギス 200105
海峡の彼方に蝦夷や夏怒涛 田下宮子 200109
夏の雲見知らぬ蝦夷の花に座す 宮澤さくら 遠嶺 200110
蝦夷の地の紅葉美しき山ぶだう 神原操 雨月 200112
蝦夷竜胆矢印辿る霧の中 阿部悦子 酸漿 200112
樅の秀にきっと胸張る蝦夷鶲 勝野薫 ぐろっけ 200201
邂逅の蝦夷の花野に始まりし 河野美奇 ホトトギス 200202
遥か来し花野果なきことも蝦夷 坂中紀子 円虹 200202
病弱の友に文書く蝦夷は雪 本河康子 200202
蝦夷狐立ちどまり空まさをなる 依田明倫 ホトトギス 200203
リラ咲くや蝦夷恋ふ心ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200204
蝦夷春蝉とぎれては鳴く朝ぐもり 阿部文子 酸漿 200207
聞き澄ます蝦夷虫喰に箸休め 相沢有理子 風土 200208
口減らしのジヤガラモガラに蝦夷春蝉 松崎鉄之介 200208
たちまちに蝦夷の土踏み秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 200209
野菊より色のはじまる蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200209
出来上りゆく青空も蝦夷の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200209
青空のなければそれも蝦夷の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200209
薄紅葉かといへばそれらしき蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 200209
百年の計のかなひて蝦夷の稲 清水里美 ホトトギス 200302
残雪の嶺はすぐそこ蝦夷に入る 遠藤裕子 円虹 200306
森はいま蝦夷春蝉の楽流す 村越化石 200307
着けばすぐ句会といふも蝦夷の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200308
八月の蝦夷ははじめて雨に訪ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200308
蝦夷の旅終へて残暑の帰路の待つ 稲畑汀子 ホトトギス 200308
しのび寄る気配は蝦夷の秋なりし 稲畑汀子 ホトトギス 200308
八月の雨の蝦夷地へ着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 200308
初秋の蝦夷の心を問うて旅 稲畑汀子 ホトトギス 200308
青春の蝦夷春蝉のわかれかな しもだたかし ホトトギス 200309
蝦夷の地の滝壺はオホーツクの海 工藤節朗 200309
蝦夷春蝉鳴きて風樹もさざ波す 岡田貞峰 馬醉木 200310
谷地坊主に蝦夷黄菅群れトーチカめく 須賀遊子 200311
猟銃音つらぬく蝦夷の二重窓 斎藤節子 馬醉木 200312
サロマ一〇〇キロ蝦夷透かし百合見るために 森岡明子 200312
寒月や骨格しかと蝦夷の樹々 佐々木幸 200401
亡き妻と訪ひし奥蝦夷いわし雲 沼口蓬風 河鹿 200402
深雪晴蝦夷にゐるさへ忘れをり 市橋香 ぐろっけ 200406
仔馬生れ蝦夷の駿馬と脚長し 坊城としあつ ホトトギス 200408
蝦夷の秋ここにも深き祈りあり 稲畑汀子 ホトトギス 200408
啄木の歌碑に蝦夷蝉鳴きしきる 二口毅 築港 200410
蝦夷甘草船笛丘の上にまで 佐藤紀子 200410
この頃を鈴蘭が呼ぶ蝦夷が呼ぶ 中川萩坊子 ホトトギス 200410
保冷車の蝦夷菊がまづ降ろさるる 岡田滋夫 雲の峰 200411
稲稔る聞くとはなしの蝦夷訛 早崎泰江 あを 200411
蝦夷に会ふ野村泊月句碑涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
蝦夷といふ落着きにあり忘草 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
蝦夷萱草ひたに真直ぐ宗谷線 須賀敏子 あを 200508
八月の蝦夷は季節を急ぎをり 稲畑汀子 ホトトギス 200508
着陸の蝦夷は冷やかなる雨よ 稲畑汀子 ホトトギス 200509
蝦夷は秋訪ふ旅衣心して 稲畑汀子 ホトトギス 200509
うそ寒き東京の雨蝦夷よりも 稲畑汀子 ホトトギス 200510
蝦夷地いま第二の故郷花さびた 岸田爾子 200511
丸太造り蝦夷の花野の無人駅 吉原房子 200512
蝦夷の山指呼に龍飛の秋たしか 北村香朗 京鹿子 200601
鹿逃げて蝦夷の没日に跳び込めり 中田みなみ 200601
冬瓜のころげて荒るる蝦夷の庭 野村信子 四葩 200602
蝦夷なまり聞き直しては鱈場蟹(タラバ)買ふ 岸田爾子 200604
この浜に立ちし虚子あり蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 200607
蝦夷の夏とはこの広さこの大地 稲畑汀子 ホトトギス 200607
時は今蝦夷春蝉の鳴き囃す 村越化石 200608
みどりさす床に大地図蝦夷細か 楯野正雄 200609
大秋晴蝦夷の畑の果てしなし 渡辺玄子 酸漿 200701
蝦夷の土付け伯爵といふ南瓜 大坪景章 万象 200701
蝦夷の空大いなるかな星月夜 渡辺玄子 酸漿 200701
ラベンダーの紫ほのか蝦夷の夏 上間和子 八千草 200701
蝦夷の地に降り立つ一歩ななかまど 粂谷京子 200702
梟やここに行きつき蝦夷住まひ 岸田爾子 200703
蝦夷は初夏耐へ来し日々を語らずに 稲畑汀子 ホトトギス 200705
明るさをみどりに広げゆける蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 200705
雪渓に繋がる蝦夷の空広し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
二年てふ歳月早し蝦夷の夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 200705
蝦夷萱草オホーツク迄続き咲く 阿部悦子 酸漿 200707
磯風や蝦夷の名を負ふ百合黄菅 岸川素粒子 万象 200708
炎帝の蝦夷を特別扱ひせず 笹原紀世子 200711
先づ春の寒さを問はん蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200804
蝦夷の空広々と霾曇かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
緑立つ蝦夷への旅を終へてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
蕗の薹蝦夷の大地を潤せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
恐山蝦夷磯躑躅低く咲く 阿部悦子 酸漿 200808
蝦夷松に蔓紫陽花の絡みたる 廣瀬雅男 やぶれ傘 200808
蝦夷富士の美しき全容秋日濃し 坂上香菜 200811
蝦夷からのタラップを下り熱帯夜 八張さち ぐろっけ 200811
眼前に蝦夷地の主峰初冠雪 吉岡一三 200812
萩の実の蝦夷の嘆きの固さかな 布川直幸 200901
あきらかに蝦夷銀嶺の寒すばる 沼澤石次 馬醉木 200904
鎌倉に蝦夷に信濃に虚子祀る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
露涼し蝦夷の旅路を語るとき 稲畑汀子 ホトトギス 200907
夕虹を突き抜けてゆく蝦夷の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
蝦夷を去る暑さの待つてゐし家路 稲畑汀子 ホトトギス 200907
蝦夷といふ気温十九度の盛夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
じり深き蝦夷の大地に降り立ちし 稲畑汀子 ホトトギス 200907
夏館蝦夷の大河を母として 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
風といふもてなし蝦夷の夏館 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
東京の朝曇発ち来たる蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 200907
やはらかき蝦夷のみどりに抱かるる 稲畑汀子 ホトトギス 200907
大空を鶴来て蝦夷耀へり 岡田真澄 風土 200910
蝦夷丹生に蹤けばひらけし江差港 石寒太 炎環 200910
蝦夷梅雨にしたたか打たれ開陽丸 石寒太 炎環 200910
大蝦夷の空の広さや草矢打つ 山内なつみ 万象 200911
十勝岳蝦夷の大地を統ぶる夏 山田天 雨月 200911
蝦夷梅雨や足湯の脚のみな短か 岩本セツ女 ろんど 200911
鈴蘭の蝦夷地は遠し訃報来し 稲畑汀子 ホトトギス 201006
青空を取り戻したる蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 201007
汗忘れをりし二日の蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201007
万緑にとらはれしより蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201007
梅雨のなき蝦夷とて雲の重き日よ 稲畑汀子 ホトトギス 201007
耐へて来し日々を語らず蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 201007
船笛に蝦夷山つつじ噎せてをり 園部早知子 ろんど 201009
桐咲いて蝦夷の丈の色濃なる 佐藤凉宇子 ろんど 201009
菰巻いて蝦夷坂東を分かち立つ 根岸善行 風土 201101
冬めくや京に遺れる蝦夷の碑 竹内慶子 春燈 201102
万緑の貫く蝦夷の大地かな 稲畑汀子 ホトトギス 201107
やはらかきこの虎杖も蝦夷のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201107
蝦夷の名の紫つつじ狭き庭 加藤千津 ろんど 201108
蝦夷富士に少年はただ馬洗ふ 柴田良二 雨月 201109
汗ばみて蝦夷の強情なくもなし 千田敬 201110
くさびらの白盛り上る蝦夷古墳 小林輝子 風土 201112
蝦夷までの雲海の下地震の地も 河野美奇 ホトトギス 201112
蝦夷富士から北斗市へ時雨模様かな 佐藤恭子 あを 201201
蕗の薹蝦夷の大地を解きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202
去年今年大蝦夷松のゆるぎなし 橋本弘子 万象選集 201205
蝦夷富士の湧水汲みて若水とす 佐藤哲 万象選集 201205
結局は齟齬なき旅路蝦夷は夏 稻畑汀子 ホトトギス 201207
邂逅の誰彼蝦夷の露涼し 稻畑汀子 ホトトギス 201207
涼しさは持つて帰れぬ蝦夷の旅 稻畑汀子 ホトトギス 201207
水無月の頃がまことに蝦夷らしく 稻畑汀子 ホトトギス 201207
北国の気性は荒し蝦夷梅雨 野村鞆枝 京鹿子 201210
蝦夷の意気詰めてアスパラガス出荷 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
蝦夷といふ君との逢瀬似合ふ夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
蝦夷乱の地とや日高路花吹雪く 土屋草子 ろんど 201309
降るやうに湧くやうに蝦夷春蝉よ 中田のぶ子 ろんど 201309
くきくきと曲る木道蝦夷竜胆 土井ゆう子 風土 201312
蝦夷よりも寒いと蝦夷の人が言ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
蝦夷富士の襞の著けし竜天に 土屋草子 ろんど 201406
梅雨のなき蝦夷地の旅に心置く 稲畑汀子 ホトトギス 201406
地の果てがあるとも思ふ蝦夷の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
新涼の蝦夷の旅はや遠きかな 稲畑汀子 ホトトギス 201408
蝦夷の秋蹄の音に始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
秋蝉の音色は蝦夷のものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
日本の新秋蝦夷に始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
蝦夷梅雨やストーブいまだ居座れり 土屋草子 ろんど 201409
蝦夷大地一足とびに夏来たる 野村鞆枝 京鹿子 201409
草叢より蝦夷蝉鳴けり秋暑き 坂上香菜 201410
馬肥ゆる蝦夷の大地を友として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201410
曼珠沙華蝦夷入鹿を虜にす 佐藤凉宇子 ろんど 201501
麦を踏む蝦夷の大地を響かせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
蝦夷の樹の早や黙ばかり冬に入る 佐瀬晶子 ろんど 201503
涼しさを通り越したる蝦夷の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
夏の旅気温一桁てふ蝦夷地 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
着陸す蝦夷の若葉を傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
余花に会ふことも親しき蝦夷の旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
邂逅に旧交に蝦夷旅涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
想像を絶する冷えや蝦夷の夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
老鶯に広げられゆく蝦夷の空 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
蝦夷訛もて老鶯は語部に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
柳絮飛ぶ頃の蝦夷地へ旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 201505
明日の旅なほ雪予報蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 201505
蝦夷にして余花の名残もなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201505
蝦夷はまだ夏遠ざけてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201505
右折して左折五月の蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201505
旅衣脱いだり着たり蝦夷五月 稲畑汀子 ホトトギス 201505
夏も雪降るを納得せしは蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 201505
風強きことを常とし蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 201505
蝦夷は夏とは快晴の旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201505
蝦夷の夏寒き旅路を置いて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201505
旅衣吹かれて蝦夷の五月かな 稲畑汀子 ホトトギス 201505
蝦夷萱草千島風露の揺れやまず 林いづみ 風土 201508
災害の及ぶ蝦夷地の秋出水 稲畑汀子 ホトトギス 201509
蝦夷の地に下り立つ茅花流しかな 小林愛子 万象 201509
鹿が啼く蝦夷の没日を見てあれば 山口素基 万象 201602
雪ばんば蝦夷の曠野の低き日に 浅井青二 雨月 201602
木枯しやなぞらひ読みし蝦夷詞 野村鞆枝 京鹿子 201603
果てのなき蝦夷果てのなき新緑裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
更衣迷うて蝦夷の旅にあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
蝦夷涼しももちのファンといふ佳人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
雪渓を育んでゐる蝦夷の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
俳句とは心の若さ蝦夷五月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
蝦夷の初夏とは冷えびえと冷えびえと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
踏みしめる大地のありて蝦夷の夏 稲畑汀子 ホトトギス 201605
美しき大地よ蝦夷の五月とは 稲畑汀子 ホトトギス 201605
蝦夷の血一気に激す梵天衆 森屋慶基 風土 201605
蝦夷松の樹氷を散らす風の音 榎美幸 万象 201605
旭岳空青あをと蝦夷雷烏 大内和憲 万象 201608
蝦夷地にも酷暑道連れ新鉄路 七郎衛門吉保 あを 201610
蝦夷梅雨の荒磯に甘藻なびきけり 赤堀洋子 万象 201701
蕗の薹蝦夷の大地の目覚かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
江戸と蝦夷繋ぐ卯月の空の道 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
代掻いて蝦夷の大地を覚ましゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
ひとつ建つ蝦夷の墓標や大枯野 榎美幸 万象 201704
旅薄暑阿波に別れて蝦夷に会ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
更衣とは蝦夷の旅終へてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
滞在を一と日延ばして蝦夷涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
田植待つ蝦夷の大地の果てしなく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
蝦夷の冷えより帰り来て江戸薄暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
降り立ちし五月の蝦夷の風纏ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201705
忽ちに蝦夷のみどりに呑まれたる 稲畑汀子 ホトトギス 201705
快晴の旅路五月の蝦夷なりし 稲畑汀子 ホトトギス 201705
なつかしき大地よ風よ蝦夷の初夏 稲畑汀子 ホトトギス 201705
今蝦夷は若葉明りに包まれて 稲畑汀子 ホトトギス 201705
代田水蝦夷に大地のある限り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
蝦夷梅雨や豊平川を叩く音 田中信行 201709
蝦夷青嶺湖は紺青極めたり 内海良太 万象 201709
蝦夷蕗の広葉に楡の種積もる 江見悦子 万象 201709
蝦夷の風馬鈴薯剥けば立ち上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
ログハウス蝦夷春蝉の声の中 赤堀洋子 万象 201710
蝦夷富士へ雪形兎跳ぶ構へ 山本とく江 万象 201710
旅人へ蝦夷春蝉の昂れり 山本とく江 万象 201710
蝦夷の血を嗣ぎて好もし熊煮汁 園部蕗郷 春燈 201803
邂逅の誰彼蝦夷の初夏の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201805
太陽がもう昇りけり蝦夷五月 稲畑汀子 ホトトギス 201805
蝦夷の旅終へしも初夏の一頁 稲畑汀子 ホトトギス 201805
還暦を迎へし朝や蝦夷涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
江戸の靄抜ければ蝦夷の夏霞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
蝦夷で会ひ江戸で会ひ葉流さん涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
明易の旅路は讃岐から蝦夷へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
胸中を占むる蝦夷地や涅槃雪 平子公一 馬醉木 201805
薩摩より蝦夷より富士見初句会 大久保白村 ホトトギス 201806
蝦夷といふ日本の要馬肥ゆる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
蝦夷神に一番近き紅葉かな 山田六甲 六花 201812
真つ向に蝦夷の島影石蓴採り くどうひろこ 201904
麦の秋空へと続く蝦夷大地 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
新緑を輝かせたる蝦夷の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
若葉雨蝦夷の彩りありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
蝦夷の夏気温八度に降り立ちぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
若葉雨蝦夷に潤ひ広げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
冷えびえとひえびえと蝦夷夏に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
雪渓を眼下に蝦夷へ高度下げ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
楡新樹蝦夷に蒼天引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
一つ歳加へ新緑加へ蝦夷 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
この風が蝦夷の新緑仕上げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
牛と馬雛罌粟蝦夷の大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
万緑の蝦夷の大地へ降り立ちし 稲畑汀子 ホトトギス 201905
新緑の蝦夷の旅路を語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 201905
旅し来し若葉美しかりし蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 201905
烏賊売りの声に明くるや蝦夷の街 友田悠子 末黒野 201910
人一人見かけぬ大地初夏の蝦夷 稲畑汀子 ホトトギス 202005
蝦夷に着き大地は初夏の中にあり 稲畑汀子 ホトトギス 202005
初夏の旅語れば尽きぬ蝦夷の友 稲畑汀子 ホトトギス 202005
楡若葉果てなき如く蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 202005
麦を踏む蝦夷の大地をねぢ伏せて 田丸千種 ホトトギス 202006
雪渓に蝦夷の歴史といふ重さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
二百十日蝦夷あぢさゐの終のいろ 北原沙織 202011
鱈汁や蝦夷の風音閉ぢ込めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
花渡る津軽海峡蝦夷燃ゆる 中村重幸 202107
黒々と蝦夷富士せまる望の夜 林いづみ 風土 202112
蕗の薹蝦夷の大地の目覚めかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
三十年を祝ぐ蝦夷の地の春めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
寒星の揃ひの早き蝦夷の村 川高郷之助 202304

 

2023年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。