出水 2  100句

墨とんぼ出水の道のへりへりを    青畝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
逆鱗に触れたる梅雨の出水かな 山田六甲 六花 201508
災害の及ぶ蝦夷地の秋出水 稲畑汀子 ホトトギス 201509
梅雨出水常のせせらぎ轟轟と 柚木澄 末黒野 201510
駆け昇る竜の疾さや梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
竜が棲む洲を覗けり梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
濁流は竜のうねりぞ梅雨出水 延川五十昭 六花 201510
闘竜の咆哮聞こゆ梅雨出水 延川笙子 六花 201510
雄叫びの胸に轟く梅雨出水 延川笙子 六花 201510
群竜の遡る波梅雨出水 延川笙子 六花 201510
抜手切る竜見えにけり梅雨出水 延川笙子 六花 201510
秋出水自然の力恐れけり 大木清美子 201511
気まぐれな天の爪あと秋出水 鈴木セツ 201511
将門の国や渦巻く秋出水 内海良太 万象 201511
縦ななめ激しき雨の秋出水 赤松赤彦 六花 201511
豹変の溝川の相梅雨出水 隅田恵子 雨月 201511
秋出水無明世界の水明り 湯橋喜美 201512
秋出水わたしは何もできません 江島照美 201512
嗄れ声吹き戻さるる秋出水 井島郷雲 万象 201512
大雨の続く鬼怒川秋出水 及川信二 末黒野 201512
秋出水猛り猛りて出口なし 瀬川公馨 201601
はらはらと気象のゆくへ秋出水 今井充子 201601
鶏小屋の鶏ごと流る秋出水 秋千晴 201601
石の橋出水がこえて来たりける 織田高暢 201602
人乗せて浮いてゆく家秋出水 木村享史 ホトトギス 201603
梅雨出水瓦礫入りなる土嚢積 升田ヤス子 玫瑰 201604
信濃川春の出水となりにけり 小林のり人 春燈 201606
春出水出羽の遠嶺は雲とかず 木村傘休 春燈 201606
梅雨出水母が預かる父の印 中川句寿夫 あを 201608
秋出水ニュース怖れて聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201609
流木に葉の青々と梅雨出水 谷田部栄 万象 201610
邂逅といへば出水の鶴も又 稲畑汀子 ホトトギス 201611
出水より旅のつづきのやうな冬 稲畑汀子 ホトトギス 201611
秋出水プランクトンと豊穣と 加藤みき 201611
城跡にとじこめられし秋出水 島玲子 風土 201611
数珠玉に出水の泥の乾きゐる 根橋宏次 やぶれ傘 201611
秋出水避ける術すらなかりしと 片岡良子 雨月 201612
百選てふ棚田を崩し秋出水 笹倉さえみ 雨月 201701
鶏のついで走りや梅雨出水 中川句寿夫 ここのもん 201705
梅雨出水耳元に闇うねりけり 山田六甲 六花 201708
一村の出水騒ぎに暮れゆける 下平しづ子 雨月 201709
流木の流木に乗る梅雨出水 赤座典子 あを 201709
ゲリラ超え神出鬼没の出水川 七郎衛門吉保 あを 201709
堤防に人の集まる梅雨出水 太田チヱ子 末黒野 201710
列島をあちこち襲ふ秋出水 今井充子 201711
白陀地蔵如何に出水の雄物川 田中臥石 末黒野 201711
駅名に残す出水のありしこと 窪みち子 201712
秋出水客の疎らな園芸店 黒木東吾 やぶれ傘 201712
秋出水客の疎らな園芸店 黒木東吾 六花 201712
安珍の追はるるごとく秋出水 福島せいぎ 万象 201802
清姫の蛇身のうねり秋出水 福島せいぎ 万象 201802
奥の院参道流る秋出水 福島せいぎ 万象 201802
秋出水過ぎし砂地に蹄跡 谷田明日香 風土 201802
キャンドルに出水の闇の深さかな 竹下陶子 ホトトギス 201806
梅雨出水天泣き川泣き橋流る 金森信子 雨月 201809
出水引く仮の橋架け通学路 佐津のぼる 六花 201809
浮世かな梅雨の出水に足取らる 赤松赤彦 六花 201809
遠き日の景蘇る夏出水 谷口一献 六花 201809
梅雨出水一村すべて崩し去る 川崎雅子 春燈 201809
打ちまける茶色絵具や夏出水 七郎衛門吉保 あを 201809
出水禍の故郷に届くか水送る 落合絹代 雨月 201810
秋出水うつたへてゐる牛乳屋 升田ヤス子 六花 201810
ふる里の映像辛し大出水 石田康明 春燈 201810
水の星の定めとは言へ夏出水 友田悠子 末黒野 201810
避難所に猫と一夜を大出水 曽根富久恵 201811
清濁を海は選ばず出水さへ 有松洋子 201811
子の付けし柱の傷を出水越す 三木亨 201811
秋出水しづまる淵の蒼さかな 市村明代 馬醉木 201811
被災の碑古び役場に秋出水 山本喜朗 雨月 201811
水攻めの城を沈めし秋出水 山本喜朗 雨月 201811
鉄骨に真赤な月や出水引く 中田みなみ 201812
秋出水又も警報最上川 藤波松山 京鹿子 201812
国一つ壊さむばかり秋出水 大畑善昭 201812
この出水抑へるすべもなく憎し 浜崎素粒子 ホトトギス 201901
梅雨出水避難を拒む母諭し 吉田悦子 201902
梅雨出水音沙汰の無き旧き友 大山夏子 201904
出水禍の記憶はいつも新しく 稲畑汀子 ホトトギス 201906
わが街の出水も過去のものとなる 稲畑汀子 ホトトギス 201906
ローマ橋のアーチの数や出水川 柴崎富子 白地 201909
秋出水軒に舟吊る元庄屋 懸林喜代次 春燈 201911
大潮に満潮かさね秋出水 石橋邦子 春燈 201911
祈るべき天にはあらず秋出水 江島照美 201911
あきらめの淋しき笑ひ秋出水 岡田正義 雨月 201912
流木が神の江に着く秋出水 谷陽右 馬醉木 201912
あまつさへ激震の地へ梅雨出水 岩岡中正 ホトトギス 201912
合流の黙のうねりの秋出水 松本鷹根 京鹿子 201912
洋上の日刊紙で知る秋出水 赤座典子 あを 201912
濁流に立ちつくすのみ秋出水 近藤紀子 202001
みすずかる信濃出水に遭ふ嘆き 安斎久英 末黒野 202001
よれよれの花壇となりぬ出水あと 山田暢子 風土 202001
秋出水夜のサイレン鳴りつづく 平井改子 風土 202001
御堂にもずかと入りこむ秋出水 平井改子 風土 202001
秋出水鴨居に赤きランドセル 辻水音 202001
出水跡残る畦道茨の実 廣瀬雅男 やぶれ傘 202002
避難所はここと決めけり秋出水 阿部さちよ 202002
秋出水親戚よりのたよりなく 本郷美代子 やぶれ傘 202002
金襴の衣装干さるる出水後 升田ヤス子 六花 202002
秋出水九九は八十一ずっと 中原幸子 船団 202003
にはとりの小屋ごと浮かぶ秋出水 秋千晴 202005
本丸に出水の跡と刻みあり 山田六甲 六花 202007
出水→ 3

 

2023年8月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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