大根焚     109句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桶五十空(から)に大根焚果つる 三輪温子 雨月 199904
大根焚引換券といふがあり 山尾玉藻 火星 199912
大根焚飾るがごとく俎板干す こばやしきょうこ 200003
大根焚大釜なれど茶は小釜 こばやしきょうこ 200003
客足の遅きに暇の大根焚 こばやしきょうこ 200003
大根焚庭へも茣蓙を敷き詰めて こばやしきょうこ 200003
お下がりの大根焚いて隣組 加藤晴子 ホトトギス 200003
大根焚茶飯に混じる京人参 こばやしきょうこ 200003
蝶が翅たたみてゐたり大根焚 津田経子 火星 200105
大根焚だんだん晴れてきよります 加藤みき 200202
大根焚く窓に夕星上がり初む 竪ヤエ子 雲の峰 200212
大根焚愛想も添へて手渡さる 国包澄子 築港 200302
大根焚俄善女となつて食ぶ 安部義子 築港 200302
立つて食べ坐つて食ぶる大根焚 鈴木佐和子 築港 200302
法の苑炊煙高く大根焚 澤村一與 築港 200302
大根焚法話なんぞはそつちのけ 鈴木佐和子 築港 200302
大根焚肩触れ合うて席譲る 国包澄子 築港 200302
妻病みて厨大根焚のゐず 古田考鵬 雨月 200303
いつ果つるともなき人出大根焚 塩川雄三 築港 200402
バス降りし順に列なす大根焚 谷野由紀子 雲の峰 200402
大原の地に初午の大根焚 酒井多加子 雲の峰 200404
大根焚老いも若きも列つくり 鈴木佐和子 築港 200502
百相の顔で戴く大根焚 佐脇葭紅 築港 200502
気持だけ小銭をおきし大根焚 鈴木佐和子 築港 200502
岩屋仏大根焚をみそなはす 庄野房女 築港 200502
杖つき来てとくと戴く大根焚 佐脇葭紅 築港 200502
味付けは京風仕立て大根焚 鈴木佐和子 築港 200502
立食の不作法許す大根焚 佐脇葭紅 築港 200502
好き嫌ひ言はずいただく大根焚 塩川雄三 築港 200502
ひとり食ぶ群がつて食ぶ大根焚 佐脇葭紅 築港 200502
誰よりも早く並ぶ子大根焚 竹内悦子 200603
法徳の慈味恋ひ参る大根焚 落合由季女 雨月 200603
叡山を越え来る風や大根焚き 小宮山勇 遠嶺 200703
祖師さまにお相伴して大根焚 村上悦子 雨月 200803
ありがたき法話を胸に大根焚 村上悦子 雨月 200803
胸ぬちのほっこりぬくき大根焚 村上悦子 雨月 200803
正信偈耳朶に残りて大根焚 村上悦子 雨月 200803
枝々にからまる湯気や大根焚 桑島啓司 200804
ともかくも大根焚いて置く外出 稲畑汀子 ホトトギス 200811
そのむかし美しき野望や大根焚く 木田千女 200902
大根焚湯気の向こうに幸祈る 飯田美千子 200902
大根焚食べ功徳を疑はず 大橋淳一 雨月 200903
薪爆ぜる音のあちこち大根焚 山本耀子 火星 200903
残り香に暮色まぎるる大根焚 米山のり子 馬醉木 200903
阿弥陀堂湯気のなかなる大根焚 中道愛子 200903
はすかひはミンクのをんな大根焚 岡本高明 船団 200906
大根焚湯気に貌消し命乞ひ 鈴鹿仁 京鹿子 201001
大根焚上人がゐて婆がゐて 鈴鹿仁 京鹿子 201001
やすらぎと謂ふはこの顔大根焚 鈴鹿仁 京鹿子 201001
大根焚老も若きも並びたる 本木下清美 ぐろっけ 201003
大根焚小さき踏切渡りきし 小林成子 火星 201003
大根焚釈迦の御前の座を賜ばり 落合由季女 雨月 201003
大根焚く荒ぶるこころをんなにも 浅田光代 風土 201003
ふろふき大根焚きをり本を読みながら 石川元子 酸漿 201003
配給のごとき行列大根焚 塩路五郎 201102
大釜の湯気に巻かるる大根焚 小林千草 馬醉木 201103
大根焚釈迦の成道尊びて 落合由季女 雨月 201104
藁を焚く煙の匂ひ大根畑 丑久保勲 やぶれ傘 201105
大根焚ほくほく旨し湯気の中 寺田光香 201202
煮えたぎる日本の味大根焚 藤岡紫水 京鹿子 201302
高僧の袖に触れたる大根焚 碇天牛 雨月 201302
大鍋に大根焚きをる旗日かな 竹中一花 201303
嬰も来て婆も来てをり大根焚き 竹内悦子 201303
幼稚園の椅子の並びし大根焚 藤田素子 火星 201402
大根焚き法話は耳を通り抜け 藤岡紫水 京鹿子 201402
中風を病まずと食ぶ大根焚 大橋淳一 雨月 201403
塀越えて湯気もうもうと大根焚 大橋淳一 雨月 201403
み仏の前に味見や大根焚き 倉谷ます美 万象 201404
遥々の命惜しむや大根焚 北村淳子 末黒野 201404
大根焚三連竈の薪爆ぜる 倉谷ます美 万象 201404
大根焚の煮上り会話途切れける 黒住康晴 201502
親鸞像けぶり参らせ大根焚 宮平静子 雨月 201503
日和下駄鳴らし大根焚はこぶ 丸井巴水 京鹿子 201603
鍵束を他人にまかせ大根焚 中田禎子 201603
大根焚誘った友は捻挫して いろは 201603
鳴滝に集ふ里人大根焚 今村千年 末黒野 201604
大根焚五山は黙を解かざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
山頂に寺のありけり大根焚 中田禎子 201702
あの山に雪降るといふ大根焚 市村明代 馬醉木 201703
辞書に習ふ漢字のあまた大根焚 井上静子 201703
大根焚行つてみたきや生駒山 石橋邦子 春燈 201802
媼らの夢また夢や大根焚 たかはしすなお 201803
一椀にあげ一枚や大根焚 大橋淳一 雨月 201803
路地に入れば湯気立つ寺や大根焚 桜井知恵子 雨月 201803
明治の銘入りしまな板大根焚 桜井知恵子 雨月 201803

種子=仏・菩薩を標示する梵字

種子(しゅじ)ほこつと湯気となりける大根焚

柳川晋 201003
大根焚く真白き割烹着がわんさ 浅田光代 風土 201702
大根焚経を唱和の婆の唇 浅田光代 風土 201702
大根焚の湯気縫つてゆく取材班 浅田光代 風土 201702
辞書に習ふ漢字のあまた大根焚 井上静子 201703
あの山に雪降るといふ大根焚 市村明代 馬醉木 201703
大根焚行つてみたきや生駒山 石橋邦子 春燈 201802
明治の銘入りしまな板大根焚 桜井知恵子 雨月 201803
路地に入れば湯気立つ寺や大根焚 桜井知恵子 雨月 201803
一椀にあげ一枚や大根焚 大橋淳一 雨月 201803
媼らの夢また夢や大根焚 たかはしすなお 201803
次々と割木投げ入れ大根焚 島玲子 風土 201903
大黒さん味見しに来る大根焚 島玲子 風土 201903
大釜は男まかせや大根焚 島玲子 風土 201903
七十本大釜に入れ大根焚 島玲子 風土 201903
緋床几に並びふうふう大根焚 中上馥子 春燈 201903
棒の如きものを輪切りに大根焚 柳川晋 201903
大根焚インスタ映えはしませんが 波戸辺のばら 201903
大根焚食ぶや芯まで琥珀色 小原芙美子 風土 202001
遠くなる平らかなる日大根焚く 与田幸江 末黒野 202103
寺詣で大根焚場の湯気に酔ふ 松本鷹相 京鹿子 202201
箸取るも置くも合掌大根焚 林徹也 202206
和尚にも婆にも合掌大根焚 林徹也 202206
説法は付録にあらず大根焚 林徹也 202206

 

2022年12月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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