クロッカス  145句

クロッカス神父に長き寡夫暮し    小沢さは子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
クロッカス郷土菓子屋の大時計
山田禮子
きらら
199000
空よりも大地に近くクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
199902
クロッカス咲かせし鈴も古りにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
199902
白黄色紫もまたクロッカス
加藤あけみ
円虹
199906
整はぬ花壇を逸れてクロッカス
加藤あけみ
円虹
199906
公園をよぎる人増えクロッカス
加藤あけみ
円虹
199906
日輪や白を極めしクロッカス
加藤あけみ
円虹
199906
森近くなりし小道やクロッカス
加藤あけみ
円虹
199906
摩天楼のかなたの没日クロッカス
水野あき子
遠嶺
199906
今年又目覚めしものにクロッカス
稲岡達子
円虹
199907
つんつんと地の面囃せりクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
200002
今年又咲き増えてゐしクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
200002
クロッカス咲かせて吾娘は中学へ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200002
お隣も孫が来てをりクロッカス
田中藤穂
水瓶座
200002
クロッカス目白の墓にしるべなし
久保田美代子
酸漿
200006
クロッカス閉ぢて帰宅を促せり
神山喜美代
遠嶺
200007
クロッカス魚の写真集開く
中林明美
船団
200010
覗きたる地の風荒らしクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
200102
クロッカスにも風強き日なりけり
稲畑汀子
ホトトギス
200102
わが腕に絡む腕ありクロッカス
小澤克己
遠嶺
200104
耳たぶは風の泣き場所クロッカス
小澤克己
遠嶺
200105
クロッカス秘密の園の出入り口
石山惠子
遠嶺
200105
色を置き影を並べてクロッカス
三村純也
ホトトギス
200106
クロッカス包むというしぐさかな
堀真知子
海程
200110
クロッカス刻を合はせる花時計
登坂章一
春耕
200204
夕凍みのむらさき絞るクロッカス
池元道雄
馬醉木
200205
誰にでも愛想良くてクロッカス
稲辺美津
遠嶺
200205
ぽつねんと朝日の中にクロッカス
中川悦子
酸漿
200205
こころにも弾むもの殖ゆクロッカス
渡部良子
馬醉木
200206
公園のからくり時計クロッカス
曷川克
遠嶺
200206
生まれ日のけさ咲き初めしクロッカス
与川やよい
遠嶺
200206
嬰児の頭でつかちクロッカス
大塚民枝
酸漿
200206
クロッカス土が笑つてをりにけり
西山紀代子
200207
日帰りの旅は身軽よクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
200302
大地割り来たる力よクロッカス
稲畑汀子
ホトトギス
200302
七人の小人の遊ぶクロッカス
伊藤多恵子
火星
200303
露ためて地を耕すやクロッカス
鎌倉喜久恵
あを
200303
クロッカス黄の固まりに安堵あり
早崎泰江
あを
200304
夢多き頃もすぎたりクロッカス
阿部正枝
絵具箱
200304
雨雫それも小さくクロッカス
福井鳳水
円虹
200305
ジーパンの裁ち目そのままクロッカス
宮崎千恵子
帆船
200305
賽銭のころがりゆきぬクロッカス
吉田島江
火星
200305
山風やかくも紫クロッカス
十川たかし
200306
クロッカス泥んこ遊びの待ち切れず
永岡セツ
酸漿
200405
唐突に春になりたるクロッカス
早崎泰江
あを
200405
クロッカス自己主張なき娘達
森山のり子
あを
200405
告白はすこし背伸びのクロッカス
小澤克己
遠嶺
200405
石ころのみな賢くてクロッカス
神蔵器
風土
200405
土のどこにありし紫クロッカス
今井千鶴子
ホトトギス
200407
クロッカス泥をつけたる花を上ぐ
田中武彦
六花
200505
クロッカス増ゆるともなく咲く所
阿部ひろし
酸漿
200506
クロッカス明日を信じて閉ぢにけり
竹内文子
遠嶺
200507
穴に入り穴掘る犬やクロッカス
丸山照子
火星
200507
刀匠の末の子等をりクロッカス
村田さだ子
酸漿
200605
少年のきれいな前歯クロッカス
神谷孝子
対岸
200605
太陽へほほ笑みかへしクロッカス
荏原やえ子
200606
クロッカス頭を寄せて嫁姑
安田青葉
対岸
200606
朝光のまだ冷えてをりクロッカス
里中章子
200607
クロッカス黒人塚の石の照り
清水裕子
200702
風に乗り雲の百態クロッカス
布川直幸
200704
クロッカスまるで大地のチアガール
七種年男
200705
スパイクの音の近づくクロッカス
吉田島江
火星
200705
三輪車のペダルの漕げずクロッカス
北川キヨ子
200706
愛弟子と言はれてみたしクロッカス
宮澤さくら
遠嶺
200706
われに我が自賛の詩ありクロッカス
阿部ひろし
酸漿
200804
クロッカス鉢に咲かせて婆病めり
松崎鉄之介
200805
出遅れしもの一つなしクロッカス
田村祐巳子
200808
花時計二時半辺りクロッカス
稲畑廣太郎
ホトトギス
200902
クロッカス大地目覚めてゆきにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200902
旦夕のひかりに聡しクロッカス
高崎武義
200902
休日の白の靴下クロッカス
常盤優
炎環
200902
薄幸の女優の泪クロッカス
小澤克己
遠嶺
200905
つつましき暮しのありぬクロッカス
前川明子
200905
三歳の児の自己主張クロッカス
白髭美佐子
200906
クロッカスのポイントとなる濃紫
坂口三保子
ぐろっけ
200906
かたまつて陽に爆笑のクロッカス
布川直幸
200906
クロッカス今日の日射にこぞり咲く
永見博子
酸漿
200906
十指よく働く日なりクロッカス
鷹羽狩行
201004
クロッカス咲ける母校に「早春賦」
森田節子
風土
201004
初めての幼の歩みクロッカス
岩上定子
酸漿
201005
地中より芽の直立やクロッカス
白髭美佐子
201006
日時計のおほらかな刻クロッカス
布川直幸
201104
クロッカス遅れ咲くあり地震の後
阿部ひろし
酸漿
201104
乳母車に園児満載クロッカス
粟倉昌子
201105
軽やかに大地を割りてクロッカス
須賀敏子
あを
201105
余震なほむらさき閉ざすクロッカス
池元道雄
馬醉木
201106
クロッカス咲かせ無口な主かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
201202
夜は一人住まひの庭のクロッカス
稻畑汀子
ホトトギス
201202
クロッカスをごらんさやさや朝の音 中原幸子 船団 201206
いちばんに明るい返事クロッカス 鎌田悟朗 ろんど 201206
クロッカス植ゑしを忘れをりたるに 河野美奇 ホトトギス 201207
クロッカス空へ吐き出す詩心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
地割れたるクロッカス芽ぐむ験担ぎ 鈴木初音 201305
クロッカス刻ゆつたりと過ぎゆけり 上原重一 201305
クロッカス遊び心のやうに咲く 早崎泰江 あを 201305
なにげなく出て来し色にクロッカス 嶋田一歩 ホトトギス 201307
ちがふ色咲き揃ひゐてクロッカス 嶋田一歩 ホトトギス 201307
ここですと突如知らせるクロッカス 早崎泰江 あを 201404
除染了ふる地に鮮しきクロッカス 渡部良子 馬醉木 201406
戦艦に二畳の茶室クロツカス 竪山道助 風土 201505
半生を異国の教師クロツカス 竪山道助 風土 201505
汕頭 スワトウ のハンケチ胸にクロッカス 川田好子 風土 201505
クロッカス港の見える診療所 岡尚 風土 201505
人生は否定肯定クロッカス咲く 鈴木初音 201506
クロッカスあっけらかんと恋捨てて 武智由紀子 201506
クロッカス朝の空気の懍然と 飯田ひでを 201506
芝青く踵返しぬクロッカス 水井千鶴子 風土 201507
補助輪がとれたよクロツカス開く 高野春子 京鹿子 201507
いつよりの庭の一劃クロッカス 稲畑汀子 ホトトギス 201602
消えていく記憶生まれるクロッカス 林田麻裕 201603
まだ解けぬ昨日のパズルクロッカス 安藤久美子 やぶれ傘 201606
クロッカスまるで大地のチアガール 七種年男 輪中の空 201612
建て売りの内覧会やクロッカス 鈴木庸子 風土 201705
地球なる故郷騒がしクロッカス 久保夢女 201705
表札の傾ぐ犬小屋クロッカス 平野みち代 201705
訪ねくる人待つ時間クロッカス 稲畑汀子 ホトトギス 201802
踏みしむる試歩の一歩やクロッカス 荒井ハルエ 春燈 201905
想ひそつと聞かする少女クロッカス 平沢恵子 春燈 201905
参道に飼はれし猫とクロッカス 谷口摩耶 201905
歌ふやうなこゑ現れてクロッカス 浅田光代 風土 201906
ふと開くクロッカスとか好意とか 坪内稔典 船団 201906
校庭に三等身のクロッカス 江島照美 発火点 201909
官邸に五畳の茶室クロッカス 堅山道助 風土 202011
日を溜めて土の笑窪にクロッカス 神蔵器 風土 202104
日溜りに今日目覚めたるクロッカス 窪みち子 202108
やはらかに影の寄り添ふクロッカス 安立公彦 春燈 202204
園丁の跼む日溜りクロッカス 藤原若葉 春燈 202205
幼子の睡毛のながしクロッカス 西岡啓子 春燈 202205
土を割る小さな息吹クロッカス 中村紀美子 春燈 202205
公園の子等の声聴くクロッカス 神山市実 やぶれ傘 202206
鉢植ゑのクロッカス咲く午後は雨 木村瑞枝 やぶれ傘 202206
黒塀の裾にはじけてクロッカス 森清堯 末黒野 202206
単車なほす倅五十路やクロッカス 平澤侃 末黒野 202206
口笛を吹くやうに咲くクロッカス 原友子 202211

2023年4月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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