茶 摘    99句

ひとつ哥いく世もうたふ茶摘かな   梅室

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茶摘女の日焼の指の指輪かな 淡地和子 雨月 199808
茶摘前死の滑走路いまいづこ 澤田緑生 馬醉木 199905
茶摘女のかぶる帽子のつば広し 齋部千里 ぐろっけ 199907
やはらかき陽に新茶摘む乙女かな 豊田作二 遠嶺 199908
茶摘女の出づるに婆の手を振れり 遠藤白雲子 199908
たつぷりと夜空ありけり茶摘籠 彌榮浩樹 銀化 200005
茶摘女の仕事着脱ぐに惜しき香よ 郡司野鈔 200006
朝のまだ残りし里の茶摘かな 武井美代子 風土 200007
宗門の強制捜査茶摘どき 勝亦年男 200008
新茶摘む一枝二葉と教えられ 山崎辰見 ぐろっけ 200010
茶摘み見ゆ列車弁当に茶袋ティーバック 品川鈴子 船出 200104
み目のよき茶摘女は見当らず 吉原一暁 200107
ひたすらに茶摘みの人や押し黙る 桑垣信子 いろり 200107
校庭のわづかな茶摘どつと出て 鈴木夫佐子 200107
茶摘女の立ちて眩しむ海の照り 登坂章一 春耕 200204
茶畑を蝶見回りぬ茶摘時 阿部悦子 酸漿 200207
奈良の人茶摘み話を京で聞く 矢野律子 200208
年一度友の集る茶摘かな 野口年江 酸漿 200208
茶摘籠貰ひ本気になって来し 落合絹代 雨月 200308
色違へ茶摘終ふ畝まだの畝 落合絹代 雨月 200308
見はるかし駿河の茶摘真っ盛り 落合絹代 雨月 200309
一番茶摘み終へ嫁入仕度かな 毛塚静枝 200407
茶摘籠日向に干して昼餉かな 久保田妙 百鳥 200408
墓山を囲みて茶摘み始まれり 赤松郁代 万象 200408
茶摘籠屋号摘み刻付してあり 岡田有峰 築港 200408
茶摘女の新芽摘みゆく早さかな 岡田有峰 築港 200408
茶摘み刻書きて荷台に籠積みし 岡田有峰 築港 200408
ラジオから昼の憩よ茶摘時 川上美穂子 酸漿 200408
新茶摘何処かの畦に鳴るラジオ 小山香月 酸漿 200408
抱きごこち重みにありぬ茶摘籠 鷹羽狩行 200504
駿河路のにぎはひそめぬ茶摘笠 鷹羽狩行 200504
半日で終る茶摘を手伝へり 佐野幸子 百鳥 200508
母たちの昔生き生き茶摘時 村越化石 200508
茶摘女の見ゆ県境車窓より 出口賀律子 雨月 200508
男衆も姉さん被り茶摘唄 高橋英子 ぐろっけ 200509
だんだんと背に馴染みゆく茶摘籠 秋千晴 200510
寒茶摘む浦の小舟の見ゆる山 福島吉美 万象 200605
茶摘籠重ねてありし通し土間 青山悠 200608
茶摘袋大国主のごと負へり 太田絵津子 200608
茶摘女といはれて雛をふやしけり 岬雪夫 200702
新茶摘む課外授業の小学生 青山悠 200707
茶摘女に変身バイク飛ばし来て 辰巳比呂史 200708
陶器市茶摘最中の山の裾 馬越幸子 ぐろっけ 200708
生垣の茶摘みに家族揃ひけり 岡田章子 ぐろっけ 200708
九十九髪の三面六臂茶摘みどき 朝原きよじ 200709
大井川貫く村の新茶摘む 中田みなみ 200709
堂縁に干されて大き茶摘籠 間宮あや子 馬醉木 200709
大袋担ぎ茶摘女山下り来 大栗須美子 万象 200710
茶摘唄聞えて来そう宇治の町 飯田美千子 200807
やはらかき風の流して茶摘うた 斉藤小夜 風土 200807
茶摘女や背の赤子を揺すりつつ 徳丸峻二 風土 200807
癌転移してをり茶摘始まれり 高木智 京鹿子 200807
茶摘機の快音つづく日和かな 博多永楽 雨月 200807
大籠に集め茶摘を了ひけり 博多永楽 雨月 200807
茶摘女に幼も交り籠背負ふ 池部久子 酸漿 200808
茶摘あと畝の刈り込をはりたり 山崎澄子 酸漿 200808
茶摘唄ときをり沖の光りけり 西山浅彦 春燈 200907
青空へ十人十色の茶摘唄 小張志げ 春燈 200907
はるかなる一湾青き茶摘かな 岩永はるみ 春燈 200907
茶摘籠駿河の空に雲ひとつ 藤本一城 200907
畑続く狭山茶どころ茶摘あと 八田與四郎 酸漿 200907
遮光幕より茶摘女の笑ふ声 田中敬 200908
宇治の町夏の刻告ぐ茶摘唄 難波篤直 200908
一番茶摘む山麓の香なりけり 西川慶子 酸漿 200908
紅花の手拭かぶり茶摘み歌 新関一杜 京鹿子 200908
一番茶摘む段取りもやつと出来 浅井青陽子 ホトトギス 200909
茶摘籠降ろし肩腰叩き合ふ 有吉桜雲 200909
茶摘籠負ひてみどりの畑へ立つ 岡野里子 末黒野 201004
茶摘前狭山の丘の明るさよ 島崎勇作 酸漿 201008
素早さを競ふ茶摘女黙ひと日 泉田秋硯 201009
覆ひ内賑はふ朝や茶摘み季 山口キミコ 201107
放射能検査の後に新茶摘む 安藤虎酔 かさね 201207
大空や瑞穂の国の茶摘唄 雨村敏子 201208
茶摘女の眞顔にうたふ戀の歌 丸山佳子 京鹿子 201306
もれ聴こゆ線路工夫の茶摘み唄 中島玉五郎 201307
指先にあつまる日ざし寒茶摘む 福島せいぎ 万象 201403
宇治町の夏の刻告げ茶摘唄 難波篤直 201404
駿河なる八十八夜の茶摘唄 東秋茄子 京鹿子 201408
たなごころ丸く新茶を摘みにけり 斉藤敬子 万象 201502
茶摘女となりて一日蝶まとふ 斉藤敬子 万象 201502
茶の芽摘む自づと茶摘唄弾む 安永圭子 風土 201507
指先に移り香かすか茶摘せり 遠山のり子 201508
安萬侶の墓のつづきの茶を摘める 大石よし子 雨月 201508
茶を摘める急勾配を踏んばって 大石よし子 雨月 201508
新茶摘む一摘み三葉とふ手つき 杉本光祥 201606
山門を出でて広ごる茶摘かな 黒滝志麻子 末黒野 201606
新茶摘み赤子に触るる思ひかな 安永圭子 風土 201608
茶摘女の無造作といふ手際かな 坂本徹 201608
寒茶摘む峡の日ざしの逃げやすし 福島せいぎ 万象 201705
花街の辻占せんべい茶摘唄 山田六甲 六花 201806
赤襷して吾も一朝の茶摘女に 横山昭子 雨月 201808
やはらかき生葉の生気茶摘かな 横山昭子 雨月 201808
初孫の報せを聞くや茶摘み頃 赤松赤彦 六花 201809
茶摘籠富士の風あり光あり 長谷川祥子 馬醉木 201906
新茶摘む農家の嫁の襷掛け 佐藤まさ子 春燈 201908
摘み終へてふんはりと押す茶摘籠 川内谷育代 馬醉木 201909
日と語り風と話して新茶摘む 澤田蔦恵 船団 201910
源流は南アルプス新茶摘む 田中佐知子 風土 202009
茶摘して季節のずれを修正す 本多遊方 春燈 202207

 

2023年4月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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