ぼろ市     136句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ぼろ市の鏡に映る空ま青 片山由美子 199904
ぼろ市とまがふもの干し天灼くる 鷹羽狩行 199908
ボロ市に襤褸なし忽と師が佇ちて 谷川季誌子 200001
ボロ市の人分けて買ふ桜草 田中藤穂 「水瓶座」 200002
ボロ市の人出を割りて運ぶ鉢 黒坂紫陽子 馬醉木 200003
無駄遣ひするぼろ市に出掛けけり 白岩三郎 馬醉木 200003
ぼろ市へ行くお隣りへ声をかけ 吉原一暁 200003
案の定ぼろ市の夜の冷えて来し 大津留いほり 200003
ぼろ市に買喰ひ立喰ひ憚らず 品川鈴子 船出 200104
ぼろ市や砦のごとく古着吊り 杢子安子 200105
耳かきを買ひてぼろ市日和かな 西川五郎 馬醉木 200202
行き止まるぼろ市の道青木の実 栗林松枝 春耕 200203
ぼろ市の真新しきは杵と臼 山本浪子 風土 200204
ボロ市に外人女性饒舌な 岸はじめ ぐろっけ 200204
ぼろ市の裸婦の絵の美しすぎる 後藤立夫 ホトトギス 200204
ぼろ市の露店七百なる人出 江木紀子 雨月 200303
ぼろ市を値切る加勢の声の飛び 江木紀子 雨月 200303
迷路なすぼろ市塔が目印よ 安部桂 築港 200303
ぼろ市の売主の格ぼろの格 江木紀子 雨月 200303
ぼろ市の路地めぐらずに帰りけり 村田さだ子 酸漿 200303
ぼろ市や平成のぼろ明治の襤褸 江木紀子 雨月 200303
ぼろ市に疵物明記堂堂と 安部桂 築港 200303
ぼろ市や肘触れ合うてぼろ漁る 江木紀子 雨月 200303
ぼろ市や杵をかついで男消え 村田さだ子 酸漿 200303
雨に終れりぼろ市も二の酉も 伊藤白潮 200312
ぼろ市に本気で探す妻の帯 伊藤白潮 200312
ぼろ市がカーヴミラーに犇ける 加藤白狼子 築港 200402
襤褸市や女のふえて賑はへり 淵脇護 河鹿 200402
紅紐の進軍ラツパぼろ市に 加藤白狼子 築港 200402
ぼろ市に来て木天蓼の香を聞けり 村田さだ子 酸漿 200402
ぼろ市のイエス像手に修道女 加藤白狼子 築港 200402
ボロ市に赤いコートの友探す 谷寿枝 酸漿 200403
ぼろ市や四百余年守り継ぎ 落合絹代 雨月 200403
ぼろ市のむかし楽市楽座の地 落合絹代 雨月 200403
ぼろ市でお手玉の布買ひにけり 伊藤京子 200403
ぼろ市の口上愛想なきが売れ 落合絹代 雨月 200403
ぼろ市の店のかぎりを人の渦 堀田こう 雨月 200403
ぼろ市に小瓶の柿渋売られをり 大田たまえ 200403
ボロ市のひよつとこ面に福もらふ 谷寿枝 酸漿 200403
ぼろ市の高級和服触れられず 浅野恵美子 酸漿 200404
ぼろ市やふと立ち止まる異人店 井出やすはる 酸漿 200404
ぼろ市の面売寡黙客を待つ 浅野恵美子 酸漿 200404
ぼろ市の人波小波客を呼ぶ 谷寿枝 酸漿 200404
ぼろ市の客詰込みて発つ電車 西山美枝子 酸漿 200405
ぼろ市の中のシャネルのスーツかな 堀田こう 雨月 200501
ぼろ市の破れ三味線土に置き 田中敬子 百鳥 200503
ぼろ市に服喪の姉を連れ出せり 吉田明子 200503
ボロ市の往き来耳掻き買ひしのみ 中田みなみ 200503
ぼろ市の裸電球髪に触れ 田中敬子 百鳥 200503
ぼろ市の打ち上げられしごと並ぶ 柴田佐知子 200504
ぼろ市のいきなり重きもの提げて 柴田佐知子 200504
ぼろ市の見返り美人と目が会へり 近藤幸三郎 風土 200504
ぼろ市や銅壺ぶらさげゆく女 原田達夫 虫合せ 200506
ぼろ市を通りぬけたる昼の月 今瀬剛一 対岸 200602
ぼろ市の上に居座り冬の雲 今瀬剛一 対岸 200602
腕組をしてぼろ市を流れ居り 今瀬剛一 対岸 200602
キューピーの売れてぼろ市翳るかな 今瀬剛一 対岸 200602
ぼろ市に買ひし帽子はすぐ被る 今瀬剛一 対岸 200602
ぼろ市の鏡の面空映す 今瀬剛一 対岸 200602
ぼろ市に紛れて田舎育ちなり 斎藤くめお 対岸 200603
ぼろ市の蓄音機より軍歌かな 田中敬子 百鳥 200603
ぼろ市や神も仏も売られゐて 長野純顕 対岸 200603
ぼろ市に探す打ち出の小槌かな 寺村年明 春燈 200604
ぼろ市や紅絹もて磨く観世音 井出やすはる 酸漿 200604
ボロ市の矢立の糸をはじきみる 阿部正枝 遠嶺 200605
着ぶくれて襤褸市の路地回りけり 川原典子 酸漿 200703
ぼろ市に終戦告げし箱ラジオ 谷田部栄 万象 200704
襤褸市の隅にでんでん太鼓かな 井村和子 万象 200804
襤褸市の煙管に隣る肥後守 服部早苗 200804
ぼろ市に買ひし雛を飾りけり 西畑敦子 火星 200805
ぼろ市や古き時計の打つ三時 勝原文夫 ペン皿 200811
襤褸市のコートそのまま着て帰る 葦原葭切 春燈 200902
参道のぼろ市のぞく菊日和 青山悠 200902
人波に入るやおのづとぼろ市へ 渡辺玄子 酸漿 200903
ぼろ市の古着に思ふ母のこと 吉野さと 酸漿 200903
ボロ市やその後知りたき婚衣裳 中田みなみ 200903
ぼろ市や音色聞かせるケーナ売 吉野さと 酸漿 200903
ぼろ市や薬玉割りの景気づけ 渡辺玄子 酸漿 200903
ぼろ市の人波抜けし植木市 浅野恵美子 酸漿 200904
ぼろ市に神棚あまた並びをり 石井邦子 酸漿 200904
ぼろ市やたちまち友を見失ふ 石井邦子 酸漿 200904
ぼろ市や列の長さはコロッケ屋 西山美枝子 酸漿 200904
吊るものは吊りぼろ市の始まりぬ 佐藤博美 200905
ボロ市へ来て寄る世田谷資料館 北畠明子 ぐろっけ 200905
ぼろ市の今日が仕舞とにぎはへる 片山由美子 200912
ぼろ市の何にともなく人だかり 片山由美子 200912
ぼろ市や持つて帰れぬものも売る 片山由美子 200912
ぼろ市の古き鏡に吾うつる 坂口三保子 ぐろっけ 201003
ぼろ市や代官餅に先づ並び 村田さだ子 酸漿 201003
ぼろ市の売手どつかとぼろの中 神谷さうび 末黒野 201004
ぼろ市の売手どっかとぼろの中 神谷さうび 末黒野 201004
ぼろ市の袋小路に迷ひけり 杉本光祥 201101
ボロ市の将の軍服小振りなり 石田きよし 201102
ぼろ市の尺八つつむ黄八丈 神@田恵琳 春燈 201102
ぼろ市やいつしか妻を見失ふ 今村千年 末黒野 201103
ボロ市の泥大島の渋味かな 宮田香 201103
ぼろ市に拾ひし句なり懐に 矢口笑子 春燈 201103
ぼろ市やはちきれさうな袋の茶 松本文一郎 六花 201104
ボロ市の翠玉の玉ひかりけり 天野美登里 やぶれ傘 201104
ぼろ市の風の痛さとなりにけり 井上春子 春燈 201104
ぼろ市や背伸びして見る叩売 松本文一郎 六花 201104
ボロ市に福寿草あり買ひ求む 青木英林 かさね 201203
ぼろ市の大島紬にしつけ糸 森田節子 風土 201203
ボロ市へ小さな駅が溢れをり 代田青鳥 風土 201203
襤褸市を人の流れに乗りゆけり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201204
ぼろ市やたてよこななめの声のとぶ 長久保郁子 かさね 201302
ぼろ市やはぐれし人を呼ぶマイク 長久保郁子 かさね 201302
ぼろ市や時鐘の音かき消しぬ 長久保郁子 かさね 201302
ぼろ市や出店解体して終はる 長久保郁子 かさね 201302
ぼろ市や代官行列ゆつくりと 長久保郁子 かさね 201302
ボロ市の路地や鎮座の火伏神 清水美子 春燈 201303
ぼろ市や代官餅の杵の音 菊地光子 201303
ボロ市の輪ゴムで括るブロマイド 山田正子 201404
ボロ市や姫と鍾馗の相並び 佐渡谷秀一 対座 201505
ボロ市に吾を購ふものをるや 佐渡谷秀一 対座 201505
ぼろ市で買つた仏のやうなもの 秋月祐一 船団 201512
ぼろ市を抜け来て白洲跡に佇つ 鈴木庸子 風土 201603
ぼろ市や眉毛一本長き香具師 古川夏子 201604
ぼろ市の防毒面に執着す 宇都宮敦子 201604
ボロ市や変はらぬ町に変はる品 谷島弘康 末黒野 201605
ぼろ市の外れいつもの似顔絵師 林八重子 馬醉木 201702
襤褸市や客も主も歌舞伎者 平澤侃 末黒野 201704
ボロ市や押されて風の躓ける 中田みなみ 201806
ボロ市や掌にのせて買ふ七福神 中田みなみ 201806
ボロ市や人に揉れて浮世好き 中田みなみ 201806
ぼろ市や写真のモンロー束ね売り 山田正子 201806
ぼろ市の端に神棚重ねあり 松田明子 201806
ぼろ市やポンパドウルのフランスパン 村上ヤチ代 船団 201906
ぼろ市あぼろ市の隅でもの言ふ写楽の目 千田百里 202002
ぼろ市や神棚を売る声盛ん 宮元陽子 末黒野 202004
ぼろ市や叩いて鳴らす自鳴琴 太田良一 末黒野 202004
今の世に合はぬ法書がぼろ市に 荒井千佐代 202005
ぼろ市を抜けて代官屋敷かな 松田明子 202007
ぼろ市や杵を添へたる臼ひとつ 松田明子 202007
ぼろ市の江戸棲しつけ糸のまま 山田正子 202108
世田谷のぼろ市いまも襤褸豊か 今村千年 末黒野 202203

 

2022年12月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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