青 柚    54句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
枝折戸に触れし青柚の雫かな 穴澤光江 遠嶺 200010
嫁ぎ来て植ゑたる木なり青柚もぐ 谷榮子 雨月 200101
縁先に青柚ひとつおかれあり 石山惠子 遠嶺 200101
青柚まであと幾日と見ては立つ 阿部ひろし 酸漿 200107
青柚子の捥ぐ手元より香を放つ 大塚洋子 酸漿 200109
高枝に青柚の一つ育ちけり 青木政江 酸漿 200109
卓上に青柚子ふたつ星の宿 関口幹雄 遠嶺 200201
青柚子や秩父連山夕暮るる 米須あや子 遠嶺 200202
何なくて青柚一片添へにける 加藤みき 200208
頬杖の肘のつめたき青柚かな 平田倫子 百鳥 200210
青柚子の香を添へたるや灘小鰺 関口ゆき あを 200211
青柚子の木の間に土佐の海光る 武政礼子 雨月 200212
胎の子のよく動くとや青柚の香 平田倫子 百鳥 200309
青柚子の肩ほのぼのと熟れはじむ 阿部ひろし 酸漿 200311
友誼とは青柚子ふたつ照らし合ふ 伊藤白潮 200410
青柚子の下投函を託しけり 田村園子 200411
青柚子や建替へ話振出しに 窪田粧子 馬醉木 200509
清貧願望青柚子一顆机上にし 伊藤白潮 200510
青柚摺る年季の入りし下ろし金 伊藤白潮 200608
白壁の向かう青柚の鈴生りに 近藤紀子 200610
雨止みて青柚子の香の立ちにけり 松崎鉄之介 200611
漱石旧居青柚の数の葉にまぎれ 古賀寿代 200612
青柚子を数へて夫が吾を呼ぶ 宮本道子 酸漿 200612
青柚子や水音つきぬ龍穏寺 今井松子 遠嶺 200711
吸口に青柚の浮かみ七回忌 竹内弘子 あを 200712
青柚子の強がりばかり言ふかたち 七種年男 200801
青柚子にかなひて寸の卸し金 八染藍子 200801
青柚子の窓に謡をさらふ声 大坪景章 万象 200801
いま摘みし青柚で嬰をあやしけり 内山花葉 200803
青柚の香閉ぢ込めてゐる葉裏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
青柚に爪立てて見る雨後の朝 木内美保子 六花 200910
一片の青柚子香る椀の中 西村純代 200912
持ち味の色となりゆく青柚かな 鷹羽狩行 201010
青柚子の香りの中の夕餉かな 加藤みき 201010
青柚の香膳に広がる疎水端 田中佳子 ぐろっけ 201108
青柚子や師の御前に畏まる 藤原若菜 春燈 201108
青柚子がポトリポトリとアスファルト 須賀敏子 あを 201109
青柚子に養生食をふくらます 藤井明子 馬醉木 201209
青柚子や兄に負けじときかん坊 橋本順子 201211
青柚子をつよく搾りて土瓶蒸 谷岡尚美 201401
青柚を散らしてゐたる夕餉なり 近藤紀子 201410
手庇の中青柚子の二つ三つ 遠山みち子 201510
日帰りの生家に青柚摘みてあり 柴田久子 風土 201510
刃をあてて青柚子の香の身を走る 津川かほる 風土 201512
青柚子のひと削ぎの香の走りけり 高橋ひろ 万象 201512
落青柚始末に困る男の背 清水美子 春燈 201610
捥ぎて来し青柚たつぷり初秋刀魚 山口千代子 万象 201611
成木責せし甲斐ありて青柚成る 岩井京子 201612
金平糖のやうな角持つ青柚子も 岩井京子 201612
勝手口出て青柚子を捥ぎにけり 大内幸子 六花 201701
初成りの青柚子今朝も数へけり 石田きよし 201710
待ち切れず捥ぎし青柚の香にひたる 川村欽子 雨月 201711
青柚子をもらひにベルを鳴らしけり 近藤紀子 201911
青柚子や男言葉の女の子 菅原健一 202212

 

2023年5月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。