淡 雪 1    97句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
淡雪の中で抱きたき女をり 小澤克己 遠嶺 199905
淡雪やぬばたまの海峡に落つ 内野聖子 船団 199908
淡雪の時に青めく宇宙船 三神あすか 船団 199909
淡雪の消えていつものわが家かな 稲畑汀子 ホトトギス 200002
解け初めし苔の淡雪落椿 和田祥子 馬醉木 200004
淡雪や父眦にあつきもの 能村研三 200005
白々と淡雪を敷く杭瀬川 松崎鉄之介 200005
淡雪や石に融けゆく童子仏 鈴木まゆ 馬醉木 200005
淡雪の時に青めく宇宙船 三神あすか ヒッポ千番地 200005
淡雪や井伊大老の能舞台 水谷契江 六花 200006
つかの間の淡雪とまる小枝かな 樫井賢一 船団 200006
淡雪となりたる波止に若布を捌く 丸川越司 円虹 200006
淡雪を謡ひ虚子館開館す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103
淡雪や手にちりめんの小風呂敷 岩村節子 200104
京菓子の葛湯を溶くに淡雪降る 村越化石 200105
淡雪や音も墨絵におさまれる 小滝奈津江 酸漿 200105
淡雪の水音となりて軒を落つ 小滝奈津江 酸漿 200105
淡雪をほんのり被ぎ藪椿 纐纈千鶴子 百鳥 200106
淡雪の白無垢まとひ女人堂 小林たけし 200106
淡雪や人の数だけヘルメット 小倉喜郎 船団 200107
若草のあはれ淡雪積らねど 林翔 200107
淡雪の音となりたる昼机 岡井省二 200108
淡雪や干魚あぶりて昼しづか 鷹羽狩行 200203
淡雪や何か満ちくるごとくにて 島谷征良 風土 200203
淡雪や人の賀に湧く旅の駅 岡田和子 馬醉木 200204
野饗には淡雪呼んでみてもよし 山崎未可 銀化 200204
土につくまでは淡雪なりにける 石脇みはる 200204
淡雪にはんざきの夢成りしかな 天野きく江 200205
ひとひらのあは雪どこへとまらうか 浜崎壬午 円虹 200205
劇場の淡雪羹に春惜しむ 西田もとつぐ 雲の峯 200207
花までは淡雪に貸す胸ならむ 暮岸江 銀化 200304
淡雪や心変りを許されよ 大塚まや 京鹿子 200305
淡雪や父ありし日のデスマスク 園田タリ子 帆船 200305
淡雪や名曲喫茶隅の客 石川英利 百鳥 200305
淡雪のとけゆく川を見てをりぬ 水田清子 200305
淡雪の開帳の寺賑はへり 籾山和子 酸漿 200306
淡雪や忘るるために膝正す 風間史子 200306
淡雪の拡ぐる地図の上に消ゆ 山田由利枝 雨月 200306
淡雪や駅前広場異国めき 藤井圀彦 200306
淡雪に高野詣の歩を印す 河村岳葉 築港 200306
淡雪や凡愚半生悔もなし 渡邉友七 あを 200307
淡雪のたちまち土になじみゆく 渡辺真奈美 200311
淡雪や父眦にあつきもの 能村研三 滑翔 200402
淡雪の舞ひ納めたるごとく止み 鷹羽狩行 200404
淡雪は夜にこそ適ふ香擋きて 三由規童 雨月 200405
湯治場に淡雪舞つて骨休 須賀敏子 あを 200405
首すじに淡雪ふはふは三七忌 淵脇護 河鹿 200405
淡雪や手の温き子を抱きをり 三井公子 酸漿 200406
淡雪のやみし天より初雲雀 菊地惠子 酸漿 200406
淡雪や孔雀の綺羅を壷に挿す 大塚まや 京鹿子 200407
淡雪や父の匂ひの銀煙管 白井墨絵 遠嶺 200407
淡雪や泥吐き切りし桶の貝 里中章子 200407
淡雪の大きさは略きまりけり 八田木枯 「夜さり」 200409
新しき下駄に淡雪降りはじむ 小林朱夏 200502
淡雪や金時顔の硝子工 石橋萬里 ぐろっけ 200502
淡雪や古墳を踏んで天仰ぐ 山田六甲 六花 200504
顕微鏡には淡雪の六角華 品川鈴子 ぐろっけ 200504
鐘を撞く肩の淡雪そのままに 飛鳥由紀 200505
淡雪の奈良坂風の吹きぬけて 小林成子 200505
淡雪や真昼の闇を漂泊す 天野きく江 200505
淡雪や人を偲ぶに湯葉を炊き 中野あぐり 春燈 200505
淡雪や古墳調査の人の肩 貝田遊山 200508
淡雪や袂のくらき竹人形 鷹羽狩行 200604
封印を解く淡雪の止まぬうち 佐山苑子 遠嶺 200605
あは雪のひと葉ひと葉の雫かな 長瀬恒子 遠嶺 200605
淡雪に日ざし混じりてゐるやうな 服部早苗 200608
淡雪が父の言葉となって降る 赤木真理 ぐろっけ 200608
淡雪や父の遠忌の香を焚き 千田百里 200705
淡雪を手柄のやうに告げにけり 濱上こういち 200706
淡雪や天の静けさそのままに 中野英歩 八千草 200708
淡雪の積むともならずすぐの雨 福地初江 200801
淡雪や昔湯島の仮住ひ 水原春郎 馬醉木 200803
淡雪の羅漢に会ひし嵯峨野かな 谷村幸子 200804
淡雪や現代語訳に読む源氏 中原敏雄 雨月 200804
淡雪や五線の塀の影ふたつ 鈴鹿仁 京鹿子 200804
淡雪の戸口に鳥の訪るる 村越化石 200804
淡雪の重く笹竹しなりをり 長瀬恒子 遠嶺 200805
送る子の肩へ淡雪夕灯 伊東和子 200805
淡雪やきらめく羅漢の鼻の先 川崎光一郎 京鹿子 200805
淡雪に暮れサムソンとデリラ聴く 藤井美晴 やぶれ傘 200805
淡雪の傘の重さや渡月橋 山村修 酸漿 200805
淡雪や昼の灯滲む蔵茶房 鈴木漱玉 馬醉木 200806
淡雪や一句に本意叙しきれず 川口襄 遠嶺 200806
淡雪のそつと触れゆく休み窯 伊藤たか子 遠嶺 200806
淡雪に草の滲んでをりにけり 笹村政子 六花 200904
淡雪や男山より案内状 中島陽華 200905
淡雪のひとひら地まで見つめけり 小泉貴弘 春燈 200907
淡雪といふ美しき煤仰ぐ 鷹羽狩行 201003
あは雪と大書の掛字雛の間 森清尭 末黒野 201004
炊煙に淡雪ふれもせで積る 禰寝瓶史 京鹿子 201004
淡雪に勾玉いろのひかりあり 宮野百合子 201004
淡雪に黄金飾りの神廂廟 松本鷹根 京鹿子 201005
茅葺きを覆ふ淡雪軒しづく 塩路隆子 201006
淡雪の籬をくぐり尉鶲 熊切光子 末黒野 201006
淡雪舞ふダムに発電用風車 高橋大三 ぐろっけ 201007
生野の淡雪口開くも舞ひ込まず 高橋大三 ぐろっけ 201007
淡雪や別れ話は手短に 宮井知英 201007
淡雪→ 2

 

2022年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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