朝 焼     115句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝焼けて明星光る一番機 牧野睦子 199810
朝焼やサリーまとひしまま沐浴 鷹羽狩行 199908
山国の朝焼に覚め躯を染めぬ 藤田宏 199909
朝焼や一のハーケン巌に打ち 山本雅子 馬醉木 199910
京瓦てふ美しきもの朝焼けす 能村登四郎 「芒種」 199911
在るだけの身に引き寄せる朝焼けは 河野志保 海程 199911
噴煙の朝焼雲に入りにけり 大東由美子 火星 200010
朝焼の波打ち寄せる塩屋崎 久保木千代子 春耕 200010
朝焼の山脈の間を柳絮舞ふ 中里カヨ 酸漿 200010
朝焼けの絶巓若き者に充ち 阿部寒林 「夢」 200010
朝焼に荷を緊めなほす第一歩 山本雅子 馬醉木 200011
朝焼や公園の灯のまだ灯り 林田加杜子 いろり 200108
朝焼の空引き緊むるふれ太鼓 続木かよ子 馬酔木 200109
昨夜雨の朝焼けの雲海染むる 松崎鉄之介 200109
朝焼けてシルエットなすコンテナ船 松崎鉄之介 200109
限りなき真珠生れむ朝焼時 能村登四郎 羽化 200110
目覚めよき夏朝焼の鳥羽の海 能村登四郎 羽化 200110
朝焼やいか釣舟の灯の残り 田中章子 酸漿 200207
朝焼や求道の眉目たしかなり 小澤克己 遠嶺 200209
海際の雨戸ささくれ朝焼くる 相沢有理子 風土 200209
朝焼や鴉そろひて嘴を研ぐ 後藤志づ あを 200210
朝焼や弱音吐かるること怖し 望月周 百鳥 200210
春曙キャニオンの雲朝焼けて 桑田青虎 ホトトギス 200210
朝焼けのパリーの匂ふクロワッサン 三沢蘭 遠嶺 200211
朝焼の空に伸び立つ寒の木々 大山妙子 酸漿 200303
朝焼の汀に漁る鳥の影 小澤克己 春の庵 200305
朝焼や力も出せず男親 朝妻力 雲の峯 200308
朝焼に太陽の塔笑顔見せ 宮村操 築港 200309
沼一円朝焼けて藻の声となる 渡邉友七 あを 200310
朝焼けの鳳鳳三山合掌す 小山百合子 遠嶺 200311
朝焼けや紳士淑女のぞろぞろと 瀬川公馨 200311
朝焼の青いちじくの畑かな 竹内悦子 200311
朝焼や舟漕ぎ出てパンプ摘む 中田みなみ 200312
虹色に空朝焼けて十二月 大房帝子 酸漿 200402
朝焼けの朱きを吸ひて桜咲く 山の狸 六花 200407
朝焼の消ゆガムランの響き初む 赤座典子 あを 200408
朝焼に釣舟戻る湖北かな 山崎桂 帆船 200409
朝焼より現れて不眠の戻り漁船 北川英子 200409
朝焼や風に飢ゑたる剣ヶ峰 小宮山勇 遠嶺 200410
朝焼の沖へ一帆まつしぐら 友田直文 200410
台風の風残りをり朝焼けす 田中藤穂 あを 200411
朝焼けの流氷に立つ尾白鷲 冨永道子 百鳥 200505
朝焼や鴉一家に見られをり 浜口高子 火星 200508
朝焼けの湖に浮かびし彦根城 藤原浩 栴檀 200508
朝焼や早発ちの靴草に濡れ 塩田博久 風土 200510
人の卦をきく朝焼の刻なりし 中道錦子 200511
朝焼に大和国原浮いてきし 中野京子 200608
朝焼や鷺も鴉も一つ田に 高橋千美 京鹿子 200610
朝焼のマッターホルン望みけり 小泉和代 酸漿 200611
朝焼が染める天窓生くるべし 伊藤白潮 200706
朝焼の赤松太き家郷かな 加瀬美代子 200708
朝焼けの富士への思ひ叶ひけり 宮田豊子 春燈 200709
朝焼けて湖面に揃ふ櫂八本 北川英子 200709
朝焼やウラル山脈上空に 小泉和代 酸漿 200710
朝焼けの海半島の尖りたる 大橋雅子 万象 200710
朝焼の水場へ降りる山泊り 木上卓衛 200711
朝焼に浮ぶ初日でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200801
朝焼けに冬の鴉の甘え鳴く 森津三郎 京鹿子 200803
朝焼の空に近づくチチカカ湖 須賀敏子 あを 200807
カーテンのままの朝焼はじまりぬ 井上信子 200809
朝焼けに波音静か湖畔宿 宇治重郎 200809
樺色の朝焼けの淵龍潜む 庄司久美子 200812
秋潮デッキ・ウォーク朝焼けに 勝野薫 ぐろっけ 200901
朝焼けの消えつつ蝌蚪の紐ふくれ 田中藤穂 あを 200908
朝焼の音の一つに連結器 増田守 炎環 200909
朝焼けの波を畳めり烏帽子岩 小川玉泉 末黒野 200910
朝焼けや波ひそやかに浜洗ふ 宇治重郎 200911
朝焼けや出窓の開く音のして 安藤久美子 やぶれ傘 200912
朝焼けの窓開け放つ霜の花 塩田博久 風土 201003
朝焼くる太宰入水の日なりけり 池内結 ろんど 201009
朝焼の白馬山に堕つる流星 田中敬 201011
朝焼や山小屋の灯は昨夜のまま 有賀昌子 やぶれ傘 201012
朝焼の主峰雲脱ぐななかまど 日阪昌子 馬醉木 201012
朝焼や病室にての新刊書 安部里子 あを柳 201107
朝焼けのマッターホルン神々し 竹内悦子 ちちろ虫 201108
朝焼やはや亀のゐる池の石 松本三千夫 末黒野 201109
風待ちて朝焼いろにふくらむ帆 北川英子 201109
富士にいま神の一と筆朝焼す 岡田貞峰 馬醉木 201110
朝焼や雪道を行く豆腐売 米田文彦 かさね 201203
朝焼やどの田水にも音溢れ 高村令子 風土 201208
朝焼や陰影の濃きなつめやし 米田文彦 かさね 201209
朝焼けのカッパドキアの熱気球 中村洋子 風土 201209
朝焼の森かーテンの隙間より 小川玉泉 末黒野 201210
朝焼けの沙に消えゆく鉄路かな 中原俊之 201210
朝焼けの空を映して湖しづか 鈴木礼子 末黒野 201210
朝焼けの東方浄土薬師仏 中田禎子 201210
朝焼の沖広げゆくフェリーかな 上野進 春燈 201211
それぞれの尾根に朝焼八ヶ岳 米田文彦 かさね 201211
ミシガンを飾る朝焼けかもめ飛び 水谷直子 京鹿子 201212
朝焼の仏の海となりにけり 中野京子 201310
朝焼や団地の棟を乱反射 小田嶋正敏 末黒野 201311
朝焼けに青き地球の胎動す 寺田すず江 201409
朝焼や西空ピンクに染まりけり 水谷直子 京鹿子 201410
朝焼けを賑ふ雀街の角 市川伊團次 六花 201410
朝焼や日付変更線越ゆる 阿久津勝利 万象 201512
朝焼の外輪山に牛放つ 秋千晴 201602
詠み難き朝焼の色天の色 伊藤武文 末黒野 201609
燕帰る朝焼けに胸突きだして 浅田光代 風土 201612
朝焼けや夜の帳をひとめくり 加藤昌安 末黒野 201612
朝焼けやさざ波たちて秋の湖 秋川泉 あを 201701
朝焼はジャズ夕焼は子守唄 高橋将夫 201708
朝焼の彼方の人を想ふかな 小嶋恵美 春燈 201709
朝焼のなかに軍艦らしきもの 鎌田光恵 201710
地震に覚む朝焼空のくれなゐに 和田慈子 末黒野 201810
朝焼や瀬戸の島々浮かびたる 渡辺美智子 末黒野 201810
朝焼けに染まり綿虫溌剌と 岡本尚子 風土 201902
朝焼の沖より喇叭聞こえさう 定梶じょう あを 201908
朝焼の雀騒げば消えにけり 松本三千夫 末黒野 201910
朝焼の雲二筋に分かれをり 前田美恵子 202009
朝焼けの音無きドラマ独り占め 原博美 風土 202009
朝焼や光明得んと深呼吸 阿部さちよ 202109
朝焼や男ひとりの歩の速し 中島和子 やぶれ傘 202210
朝焼やジャングルジムの四角形 辻泰子 春燈 202210
朝焼や早発ちの荷を背負ひ直す 坂本依誌子 春燈 202210
朝焼や二度寝の窓の風の音 村田敦子 末黒野 202210

 

2023年5月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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