石 蓴     55句

しのび足に夕潮寄せく石蓴摘み   関口ゆき

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒潮の岩に腹這ひ石蓴掻く 加藤和子 春耕 199906
立ちしまま飲む朝市の石蓴汁 岡田万壽美 俳句通信 200004
跳ね橋の潟を這ひをり石蓴掻 大塚禎子 春耕 200005
いつときを鳶の輪の下石蓴掻く 大東二三枝 200006
嬰児を背に括りつけ石蓴干す 田中嘉代子 ぐろっけ 200105
石蓴生ふ波にさし込む日の光 岸本すみゑ 酸漿 200203
上げ潮に声をかけ合ふ石蓴採り 出岡実 春耕 200205
近寄れば低く唄ひて石蓴掻く 今井千鶴子 ホトトギス 200206
引潮に靡き干されて石蓴の香 梁瀬照恵 ぐろっけ 200206
石蓴掻く神話の白兎駆けし磯 神谷文子 馬醉木 200207
礁より礁へ移る石蓴掻 稲畑汀子 ホトトギス 200301
サーフィンの波寄せてをり石蓴掻く 稲畑汀子 ホトトギス 200301
千枚の棚田背に石蓴掻く 山口たけし 雲の峰 200304
石蓴をば「アーサ」と言ひて帰り来ず 井上信子 200306
石蓴売る一軒に海近くなり 杉浦典子 火星 200307
石蓴生ふ地震に崩れしままの波止 朝妻力 雲の峰 200405
引潮の荒磯のかぎり石蓴かな 片山喜久子 雨月 200405
断層の板状節理石蓴生ふ 成井侃 対岸 200505
英虞湾の海光集め石蓴干す 室伏みどり 雨月 200505
秦の使者来たりし浜や石蓴掻く 有島扇水 河鹿 200506
石蓴採る旅にしたたる夕日かな 有島夛美 河鹿 200507
潮満ちて石蓴の色の戻りけり 松永弥三郎 河鹿 200508
石蓴掻く女のかこむかまどの火 中道愛子 200508
石蓴採るおちよくる波をおちよくれり 石田章子 200605
舫ひ舟つなぎし縄に石蓴伸ぶ 福島吉美 万象 200605
石蓴摘む一本の棹舟支へ 小松敏郎 万象 200608
婆の手に一番採りの石蓴かな 小林輝子 風土 200704
石蓴掻く鳥海山潮に引き入れて 秋葉雅治 200707
石蓴食むより年寿会心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
石蓴生ふ岩場は風と波ばかり 安藤久美子 やぶれ傘 200807
石蓴汁磯の香の聞えけり 中緒和子 酸漿 200904
差し潮に石蓴たちまち色深む 小林玲子 ぐろっけ 200908
縄綱に寄する石蓴や夕辺くる 小林共代 風土 200911
石の上に乾びし石蓴香りたる 加藤みき 201006
開国の日を遠ざけて石蓴生ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
長靴に履替へてをり石蓴採り 天野美登里 やぶれ傘 201206
石蓴干す浜の番して猫の昼 松井洋子 ぐろっけ 201211
石蓴掻岩を抱へて移りけり 小田司 馬醉木 201303
石蓴波島の床屋の暇かな 和田照海 京鹿子 201305
満ち潮に踵浸かりし石蓴摘 呉屋菜々 万象 201305
石蓴萌ゆ降臨の地は日のあふれ いぶすき幸 万象 201306
海中に石蓴の揺れの見え隠れ 安藤久美子 やぶれ傘 201306
遡る根無し石蓴の速さかな 寺岡ひろし 雨月 201405
美ら海へ荒磯をつたひ石蓴掻く 福島せいぎ 万象 201407
波ひとつ石蓴の機嫌とつてをり 橋本くに彦 ホトトギス 201506
生簀籠たつぷり濡れて石蓴波 和田照海 京鹿子 201506
砂州に舟寄せて休めり石蓴とり 大崎紀夫 虻の昼 201510
海光の洗ふ礁の石蓴かな 岡野里子 末黒野 201607
湘南の汐風甘し石蓴採る 大沼遊色 201806
真つ向に蝦夷の島影石蓴採り くどうひろこ 201904
石蓴干す愛州の里の石畳 上野進 春燈 202007
流木を差し出して引く石蓴波 和田照海 京鹿子 202105
浪しぶき被り石蓴のみどり濃し 斉藤マキ子 末黒野 202107
朝餉にと四万十川の石蓴汁 佐藤あさ子 202206
石蓴掻く村人はみな隠れ耶蘇 新井千佐代 202208

 

2023年3月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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