青 饅       79句

青饅や島に泊れば波の音    草間時彦

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青饅や泪もろきを囃さるる
野口光枝
高籬
199812
青ぬたや普段の顔にもどりをり
小澤克己
遠嶺
199905
青饅やすぶ濡れの髪束ねては
竹内悦子
199907
青饅や定時の帰宅さびしくて
櫨木優子
199912
青饅や痩身はその母に似て
橋場千舟
船団
199912
青饅や白き帆立の貝柱
八木岡博江
酸漿
200005
青饅や闇がかりゆく竹生島
朝妻力
俳句通信
200104
青饅や湖のうねりの激しかり
小林輝子
風土
200106
青饅や母亡き後に解ること
折原あきの
船団
200110
青饅や母より継ぎし当り鉢
平田紀美子
風土
200205
青饅や噂供養の小紋着て
西村葉子
京鹿子
200205
青饅の映えてガラスの小鉢かな
井上紘
雲の峰
200205
青饅や海女の踊りにはんや節
近藤幸三郎
風土
200206
青饅に我が家の箸ぞ旅終ふる
和田一
雨月
200206
青饅や妻は大正女にて
岸本林立
雨月
200206
青饅の出されるランチゴルフ場
山本久美子
ぐろっけ
200206
青饅や山樹を囲む風の音
小澤克己
春の庵
200305
手付かずの青饅で飲む燗冷まし
左官治郎
200306
青饅や思ひがけなき夫の言
亀ヶ谷照子
遠嶺
200405
青ぬたと地酒酔ふほかなかりけり
大串章
百鳥
200405
青饅や夫と異なる歴史観
藤井良子
200406
青饅や津軽じよんから聴き乍ら
河合大拙
百鳥
200505
青饅の酢の足らざるも酒の席
小林正史
200506
青ぬたや離郷の友の深帽子
小澤克己
雪舟
200506
青饅を添へ晩年のよかりけり
飯高あい
対岸
200602
青饅や夢も現も波羅蜜多
竹内悦子
200606
青饅や母の思ひ出食ひ違ふ
角田信子
六花
200607
青饅や目を閉じながら話すひと
前川明子
200701
夫の忌や青饅にまず箸をつけ
犬塚芳子
200705
青饅や駆け引き出来ぬ顔であり
能村研三
200705
青饅や千秋樂の夕ごころ
中山純子
万象
200706
青饅や人の梟ひの闇なりし
竹内悦子
200706
青饅に青柳入れて猪口空くる
横山迪子
六花
200706
青饅や主は未だ現れず
竹内悦子
200805
青饅やいま一面の銀世界
松下八重美
200805
青饅や雑念捨つるほどはなし
田村園子
200807
青饅や夕餉相手に子の来る日
小澤菜美
200905
青饅や父の遠忌の母小さし
中島節子
春燈
200907
青饅やしづくにかはる軒の雨
根橋宏次
やぶれ傘
200906
青饅やスナック派にて居酒屋派
山本無蓋
201005
青饅や傍役といふ役どころ
青森公子
201007
青饅や日課のひとつほめころし
岩永充三
201010
青饅や鄙に名立たる岩津葱
浜福惠
風土
201106
青饅やアーチの門をくぐり来て
中島陽華
201107
青饅や生涯居職弟子持たず
松橋利雄
光陰
201203
青饅に練ピーナツの隠し味 鳥居美智子 ろんど 201207
青饅や木戸へまはつてみても留守 鷺山珀眉 京鹿子 201208
はは二人居りし青饅和えるとき 井上信子 201303
青饅や夫に聞きゐる酢の加減 臼村喜久代 万象 201305
青饅や四半世紀となる平成 田中藤穂 あを 201305
青饅や云ひにくき事丸く云ひ 三輪慶子 ぐろっけ 201307
青饅です位牌の父の返事待つ 川崎真樹子 春燈 201404
青饅や少しありたる拗ね心 能村研三 201404
青饅へ曲がり度を超す箸矯むる 柳本渓光 ろんど 201406
青饅やちらちら赤き貝の紐 塩見英子 雨月 201406
父の忌の近し青饅にて一献 田岡千章 201407
青饅や大島紬と腰紐と 竹内悦子 201407
青饅の手間も馳走でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201503
青饅に暮れゆく京の路地の奥 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
青饅やはなしの先は人まかせ 佐渡谷秀一 対座 201505
青饅を盛りて緊まれる白磁皿 藤岡紫水 京鹿子 201605
青饅や宿坊に聞く山の音 鈴木静恵 春燈 201606
青饅や象牙の箸の持重り 卯木堯子 春燈 201607
青饅や明日のために睡るなり 風間史子 201608
青饅や日の暮れてより麦屋節 内海良太 万象 201610
青饅や頼るつもりが頼らるる 田村園子 201707
突き出しの青饅の香が鼻に抜け 小池一司 やぶれ傘 201806
青饅の当り鉢にて和へらるる 住田千代子 六花 201807
青饅や終日小糠雨降れり 石橋邦子 春燈 201905
青饅に名前入りたる箸おろす 半谷洋子 201905
青饅や見込み違ひの苦笑ひ 松橋利雄 春燈 201906
青饅に故郷恋しと思ひけり 鈴木鳳来 春燈 201906
青饅やもう母の事言はぬ父 大川ゆかり 201906
青饅や某日として恙なし 和田照海 京鹿子 202005
青饅のぴりりの少し物足りぬ 谷口一献 六花 202006
青饅や波郷を語り酒かたり 滋野暁 末黒野 202006
青饅や母が貝剥き祖母和へて 浜田美佐子 風土 202206
青饅の具材を掘るに面汚す 小林輝子 風土 202207

2023年4月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。