青北風      60句

青北風に軒の豆殼鳴りやまず    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青北風や佳き日の便り運び来て 久保田一豊 いろり 200001
青北風や音のきれいな裁ち鋏 森央ミモザ 海程 200102
青北風や浮きては潜る川烏 酒井多加子 俳句通信 200111
青北風や揚げたてのピロシキを買ひ 浜麻衣子 六花 200201
青北風や舳先に乾き鳥の糞 鈴木伊都子 200202
青北風の浦に漁る姉妹舟 小澤克己 遠嶺 200209
青北風へ宿坊の矮鶏声を張る 朝妻力 雲の峰 200210
青北風や船腹にある縄梯子 能村研三 200211
青北風や恋路ヶ浜のちぎれ雲 大槻球子 遠嶺 200212
青北風や海の輪郭あきらかに 尾上直子 200212
青北風の蔵書に小さく印しけり 小澤克己 遠嶺 200309
青北風や敗将駈けし関の径 山田をがたま 京鹿子 200311
青北風の沖を夢見る古舟かな 小澤克己 遠嶺 200311
青北風や御手差しだすマリア像 小林朱夏 200312
青北風やまづ一羽来る星羽白 沢聰 馬醉木 200312
青北風やプールさざ波あるばかり 藤田悦子 対岸 200312
青北風や期限の切れしパスポート 大磯幸子 河鹿 200401
青北風や流人島指す方位盤 上薗櫨夫 河鹿 200401
青北風の逆波しぶく港橋 宇野慂子 万象 200412
青北風や北斗の下の七つ島 鷹羽狩行 200412
青北風や纜きしむ音に暮れ 北川英子 200801
青北風や九段大村益次郎 須田紅三郎 200810
青北風や塔簷深き法隆寺 小澤菜美 200811
浮御堂の青北風に髪吹かれゐて 乗光雅子 雨月 200901
青北風を抜け竹林の編集長 小澤克己 遠嶺 200911
青北風や他人のやうな膝頭 中村恭子 200911
青北風や水尾の里に榊剪る 竹中一花 200911
青北風の渦や宇宙の始点より 柳川晋 200911
青北風や中高年のバスツアー 豊谷ゆき江 春燈 200912
青北風やめあての寺の見えて来し 伊藤たか子 遠嶺 200912
青北風は燃ゆる入り日を急かしむる 望月晴美 200912
青北風や一と潮の間の舟焚でる 和田照海 京鹿子 201001
青北風や自愛せよとの一旅信 都丸美陽子 春燈 201012
青北風のころは身近にもの寄する 豊田都峰 京鹿子 201101
青北風やわが名の護摩木加へけり 河崎尚子 火星 201112
青北風や狛犬の背に苔むして 佐藤喜仙 かさね 201201
青北風や渚の石のみな丸(まろ)く 大竹淑子 風土 201212
青北風や弓なりに潮満ち来る 泉本浩子 馬醉木 201212
青北風や井伊堂塔の黙かさね 小山繁子 春燈 201301
青北風や焼魚にして浜みやげ 瀧春一 花石榴 201312
青北風や捨て蛸壺の口が鳴り 兼久ちわき 馬醉木 201412
青北風の水隅に寄せる手漕ぎ船 荒木奈美惠 ろんど 201412
青北風や美しき楷書の男文字 宮崎裕子 春燈 201501
青北風や繋留船に灯の点る 円城寺清 201512
青北風や腋暗かりし海の鳥 深川淑枝 201605
青北風や藻屑まとひし潮佛 大上充子 馬酔木 201611
青北風や錆朱にくすむ佐近詩碑 能村研三 201612
青北風や石を乗せたる屋根の数 菊川俊朗 201612
青北風や岸の渡船の軋みゐて 白石正躬 やぶれ傘 201701
青北風や舳先そろへて舫ひ船 和田照海 京鹿子 201712
青北風や交差してをる獣道 前田美恵子 201712
青北風や湯あがりの身の手櫛なる 加藤みき 201712
青北風や島に残りし相聞歌 豊行青峰 春燈 201712
青北風や網走監獄零号館 遠山陽子 201805
青北風や島の狛犬尾を立てて 前田美恵子 201811
青北風の夕富士を吹き残したり 中根美保 風土 201901
青北風や悍馬は海と照り合へり 岸洋子 201902
青北風や網打ちて湖絞りけり 和田照海 京鹿子 201911
青北風や投網は川を絞りゆく 和田照海 京鹿子 201912
青北風や運河は海へたぷたぷと 半谷洋子 202211

 

2023年9月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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