アネモネ       81句

アネモネの花くつがへし居るは虻    高野素十

作品
作者
掲載誌
掲載年月
アネモネや唇にマイクを寄せすぎて 奥田節子 火星 199806
アネモネの花供華としてしんがりに 桐木榮手 船団 199811
アネモネの夜となるのを待ちいたり 須山つとむ 船団 199811
アネモネに風のこびとが二、三人 三神あすか 船団 199811
けんかしてアネモネアネモネ黒い蕊 小枝恵美子 船団 199912
春立つやマチスのアネモネあたりより 津田このみ 月ひとしずく 199912
夫の遺品のアネモネの絵の小さきかな 星佳子 200006
アネモネやエーゲ見たしと云ふ母に 岡田万壽美 俳句通信 200006
アネモネの夜は一身の濃くなりぬ 政木紫野 馬醉木 200008
アネモネの一つが開く四日かな 須山つとむ 船団 200105
人形の部屋抜けてアネモネの部屋 金子皆子 海程 200105
アネモネの花茎長し大雪警報 金子皆子 海程 200105
アネモネの空似ばかりを特売日 峯尾文世 銀化 200105
アネモネに眠らせておく敵七人 寺田良治 船団 200111
免許更新老おまはりさんとアネモネと 伊藤多恵子 火星 200205
午後二時にアネモネ植ゑし花時計 長山野菊 雲の峰 200206
アネモネの黒蘂理由なき反抗 木戸渥子 京鹿子 200302
アネモネに気ままを通すひと日なり 吉田島江 火星 200306
アネモネや母おほらかに恋の唄 松本きみ枝 遠嶺 200309
アネモネや微熱の五日続きけり 松本硯友 帆船 200406
アネモネや昨日のことは今日忘る 高倉恵美子 200407
アネモネに寄せたる心描きけり 鈴木美智子 草の花 200407
アネモネや役目終へたるランドセル 常盤しづ子 馬醉木 200505
アネモネの一輪ざしに偲ぶ会 中野哲子 六花 200506
アネモネや何の列かは知らねども 小澤克己 遠嶺 200605
アネモネや夢二好みの少女の目 高根照子 200607
アネモネの奏づる色を描きけり 安永圭子 風土 200706
六年生送るアーチやアネモネ咲く 中嶋陽子 風土 200706
アネモネの二鉢飾り睡気さす 松崎鉄之介 200805
アネモネの赤に誘はれ花舗に入る 岡崎春菜 万象 200806
両膝を突きてアネモネ撮りにけり 松崎鉄之介 200806
アネモネや病みても心強き人 設楽唱子 酸漿 200807
アネモネの赤きに黒き芯重し 鈴木阿久 200905
アネモネやけふの眼圧正常値 下山育子 炎環 200906
アネモネや世のしあはせをひとり占め 沼田巴字 京鹿子 200906
アネモネと決めて見舞の花を買ふ 浅川幸代 末黒野 201006
ヒヤシンスアネモネにかほ水鏡 中山純子 万象 201007
窓硝子透けてアネモネ濃むらさき 舩越美喜 京鹿子 201105
アネモネの黒い瞳に陽の力 大村美知子 京鹿子 201105
アネモネや強気な人は苦手なり 大村美知子 京鹿子 201105
色変り愛でてアネモネ寄植す 千葉榮 ろんど 201105
アネモネや毒一匙を身の内に コ田千鶴子 花の翼 201111
アネモネや血圧はかる電子音 村上倫子 201304
飴の芯高温アネモネのブーケ 原ゆき 船団 201306
アネモネや油のごとき夕日影 瀧春一 花石榴 201312
葉を解いてアネモネ彩を尽くしけり 篠原幸子 春燈 201405
アネモネやゴルゴダの丘赤く染め 有松洋子 201406
アネモネの散りかけてゐる彼の部屋 大山文子 火星 201406
アネモネや婚近き子の遠目癖 渡部良子 馬醉木 201407
アネモネの赤に集まるはかりごと 稲畑汀子 ホトトギス 201504
一茎のアネモネとして君臨す 稲畑汀子 ホトトギス 201504
アネモネの疑ひ深き黒き芯 山田正子 201505
アネモネの芽吹きを人を待つやうに 風間史子 201506
アネモネや窓に掴まり立ちの猫 大日向幸江 あを 201604
アネモネや紫の八重咲き初むる 山荘慶子 あを 201604
アネモネになりたがる手は閉じておく 原ゆき 船団 201612
アネモネのような外科医でありにけり 東英幸 船団 201701
八人の息にアネモネ咲きゆきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201702
アネモネはマティスの赤や初暦 江見悦子 万象 201704
アネモネの日増しに開き大輪に 石森理和 あを 201804
アネモネの花弁数へ百枚に 石森理和 あを 201804
アネモネの花弁こぼるること勿れ 稲畑汀子 ホトトギス 201805
アネモネの日増しに開き大輪に 石森理和 あを 201805
アネモネの活けある夕餉離職の日 篠田純子 あを 201805
アネモネや少女光れる洋画集 福永みち子 馬醉木 201807
アネモネの昼ふかぶかと眠る母 天谷翔子 201809
アネモネに笑顔見せたり車椅子 大日向幸江 あを 201904
アネモネの色の褪せたる神学校 近藤暁代 馬醉木 201905
アネモネの香りを羽織る妻の居て 中澤弘 春燈 201906
アネモネや今は昔の鹿鳴館 中島秀夫 王水 201909
少年をアネモネの部屋へと通す 辻美奈子 202006
十本のアネモネを挿す喫茶店 吉田幸恵 やぶれ傘 202006
アネモネ咲く木椅子に雨の湿りかな 中村洋子 風土 202107
アネモネの朝はカフェ・オ・レクロワッサン 森田節子 風土 202107
アネモネや南欧の濃き彩を壺に 高濱朋子 ホトトギス 202108
アネモネや腕は武器を喜ばず 平松うさぎ 202205
アネモネや神保町の喫茶店 森清信子 末黒野 202206
待合室にアネモネの微熱かな 荒井慈 春燈 202207

 

2023年4月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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