甘 酒 (一夜酒)  103句

甘酒や土用に近き夜の雲    龍雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
甘酒や旅籠と記す湯治宿
山田京子
俳句通信
199908
甘酒の好きな鉱物鑑定士
長沼都
船団
199912
甘酒と滝のひびきをのみほせる
鶴目鯛遊子
六花
200003
あれよ!!まあ!!名ある女優が甘酒を
保坂加津夫
いろり
200107
甘酒に酔ふてゐるなり夫静か
松沢久子
いろり
200203
十年は長く短い一夜酒
松山律子
六花
200205
甘酒や明治座帰りの小買物
芝尚子
あを
200407
甘酒や点滴注射受くごとし
長崎桂子
あを
200409
詫び状や甘酒茶屋の白障子
深川敏子
春燈
200503
甘酒横丁走り祭の笛太鼓
鈴木榮子
春燈
200507
浜風に暖簾巻き揚ぐ甘酒屋
景山まり子
百鳥
200510
大方は故人甘酒好きなりし
柳生千枝子
火星
200607
眼を閉ぢて甘酒すする老いたるよ
柳生千枝子
火星
200607
下戸の靴揃へてありし一夜酒
高松由利子
火星
200608
懈き身に生姜を効かし一夜酒
丸尾和子
雨月
200609
甘酒に酔うて狐にかこまるる
木田千女
200701
地震あとの両掌に熱き一夜酒
浜口高子
火星
200709
古代米醸せし甘酒いただけり
金田美恵子
ぐろっけ
200806
甘酒に氷浮かべて飲みにけり
ことり
六花
200808
冷し甘酒すすりてひとり寧けしや
折橋綾子
200809
甘酒を吹けば甘酒くぼみけり
丑久保勲
やぶれ傘
200810
坪庭に風の立ちたり一夜酒
岩崎眉乃
万象
200811
番頭に心付けなる一夜酒
ことり
六花
200905
甘酒を持薬と成して夫病める
高村和子
春燈
200908
甘酒や月日ゆつくり移りける
桑原逸子
200909
甘酒屋窓一ぱいの碧き海
林友次郎
遠嶺
200910
甘酒にひと息さそふ神の庭
岡田愛子
京鹿子
201005
名刹の境内に出し甘酒屋
竹内弘子
あを
201005
甘酒に胃の腑元気にもどりけり
宮崎左智子
あい
201011
甘酒を飲みて身体を温める
武智恭子
ぐろっけ
201103
甘酒を啜る母子も高齢者 米山喜久子 201106
梅雨寒や甘酒茶屋の力餅 水原春郎 馬醉木 201108
地震見舞ふ甘酒なども荷の中に 赤川誓城 ホトトギス 201109
ざつけなき人よ仲見世甘酒屋 コ田千鶴子 馬醉木 201109
甘酒の神田明神下の店 井上信子 201109
甘酒の底の微温さをゆらし飲む 宇都宮敦子 201109
甘酒やひらひらひらと祭笛 神蔵器 風土 201109
甘酒の甘さのほどに生きてをり 齊藤實 201109
本山の門前通り一夜酒 鈴木石花 風土 201110
甘酒に男が酔うた振りをする 小野寺節子 風土 201110
糟糠の妻の甘酒きこしめす 齋藤晴夫 春燈 201110
気の疲れ老の疲れの一夜酒 水谷靖 雨月 201208
甘酒をほたほた運ぶ佛間まで 井上信子 201209
甘酒のとろりと白し標高二千 安田とし子 ぐろっけ 201209
甘酒の接待ありて椅子二つ 福田かよ子 ぐろっけ 201210
土器に巫女より賜ふ一夜酒 山田春生 万象 201210
梅林に酔ひ甘酒に酔うてをり 大橋晄 雨月 201306
甘酒屋の奥の翁の手まねきす 西村節子 火星 201309
故郷や語り明かして一夜酒 小張志げ 春燈 201310
蝉しぐれ甘酒茶屋の梁太き 松本恒子 ぐろっけ 201310
甘酒を補ひ歩く溜息も 長崎桂子 あを 201310
回覧板とどけ甘酒よばれけり 奥山テル子 万象 201311
甘酒を啜りて野心捨て切れず 峰幸子 201408
存ふる大正生れ一夜酒 茂木なつ 春燈 201408
赤き月ぐらりと出でし一夜酒 山尾玉藻 火星 201409
一夜酒皆につられて買ひにけり 垣岡瑛子 火星 201409
塩梅を見てと言はれて一夜酒 箕輪カオル 201409
大徳の檀那の間なり甘酒を 中島陽華 201410
ねねのみち甘酒処は小さき店 豊田都峰 京鹿子 201410
楽しめて二夜三夜なる一夜酒 江島照美 201411
書に倦むやぬくめなほして一夜酒 河合とき 末黒野 201509
少し病み少し癒えたり甘酒を 久保東海司 201510
滝見茶屋轟音耳に甘酒を 久保東海司 201510
甘酒に江戸の風情を楽しみぬ 高橋照子 雨月 201510
甘酒の甘えすぎない甘さかな 和田華凛 ホトトギス 201512
縁日の冷し甘酒妣を恋ふ 岸本順子 京鹿子 201601
甘酒や尻のおもたきマグカップ 箕輪カオル 201609
甘酒の牛乳割りに力得て 大崎ナツミ 雨月 201609
小さき波立てて甘酒すすりけり 伊藤由良 末黒野 201610
筋力体操まじめに励み一夜酒 清水美子 春燈 201610
誰か来ぬかと缶甘酒の冷えてをり 浜福惠 風土 201610
今日も又頼る甘酒飲干して 長崎桂子 あを 201610
きつと会ふまた会えるよと一夜酒 江島照美 201708
省みる己が来し方一夜酒 藤井寿江子 馬醉木 201709
職退きし長子労ふ一夜酒 玉置かよ子 雨月 201709
寧々訪ふや甘酒茶屋の緋毛氈 平野みち代 201710
振る舞ひの甘酒啜る紙コップ 坂場章子 201710
禅寺の茶屋で甘酒谷戸の風 原和三 末黒野 201711
甘酒の傾ぎ積まるる店の籠 五十嵐貴子 末黒野 201711
板粕をしくと割りけり一夜酒 升田ヤス子 六花 201711
手づくりの甘酒とどく夕べかな 山荘慶子 あを 201712
一合の甘酒に酔ふ齢かな 押田裕見子 201712
獺祭の甘酒のある茶店かな 鈴木昌子 六花 201810
老い様のときに疎まし一夜酒 安立公彦 春燈 201810
父に似て来しと言はるや一夜酒 木村傘休 春燈 201811
振舞ひの甘酒を吹き弓始 半谷洋子 201903
ワインには強く甘酒には弱し 藤井啓子 ホトトギス 201911
紙箱の甘酒すする午後三時 丑久保勲 やぶれ傘 201911
そぞろ寒甘酒婆と酌み交はす 谷口一献 六花 202001
甘酒を啜れば名句逃げてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
メモになき甘酒買うて叱らるる 谷口一献 六花 202009
甘酒の幟はためく茶店かな 延川笙子 六花 202010
藤ゆるる甘酒茶屋は人数多 秋山蔦 春燈 202107
甘酒を啜り鬼ごつこの続き 住田千代子 六花 202110
空つぽの詩嚢充たせり一夜酒 岡田史女 末黒野 202111
おたがひに通ずる思ひ一夜酒 小張志げ 春燈 202111
飲み比べ祖母の甘酒超ゆるは無し 坂本依誌子 春燈 202209
今日ひとひの助けに甘酒を飲む 長崎桂子 あを 202209
一夜酒男の子ばかりを育て来し 五十嵐敏子 202209
甘酒を釜に沸かして江戸風鈴 柿沼盟子 風土 202210
火男の貌で甘酒吹きさます 内藤静 風土 202210
旅終へて話の弾む一夜酒 大川暉美 末黒野 202211

 

2023年6月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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