秋 寒       49句

秋寒し蝙蝠傘は杖につく   正岡子規

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋寒や看護の妻の細き肩 川端実 寒昴 199907
秋寒や手入れて空(から)の郵便受け 鷹羽狩行 199910
秋寒や夫は先立つこと決めて 原絹江 いろり 200112
水琴の深き響きや秋寒し 延川五十昭 六花 200301
秋寒や追伸のごと日が照りて 小黒加支 酸漿 200312
秋寒し彝の画室のデスマスク 石平周蛙 対岸 200401
山小屋に鳥のこゑして秋寒し 中村初子 草の花 200401
じやこ食べてやヤ秋寒の日と思ふ 齊藤實 200412
秋寒や新聞カラッと音たてて 芝宮須磨子 あを 200412
秋寒しボツケの地熱石伝ひ 大川智美 風土 200412
秋寒し勝つてくるぞの鼻が折れ 岩崎憲二 京鹿子 200503
昔を語る身内皆亡く秋寒し 斉藤陽子 雨月 200601
秋寒の波音波をくぐりくる 古川洋三 遠嶺 200601
お笑ひの笑へぬ芸や秋寒し 尾崎修司 四葩 200601
秋寒やきつね煎餅の長睫毛 木田千女 200701
ゲシュタボの本部あとなり秋寒し 田中きよ子 酸漿 200712
秋寒の電気リハビリ温としや 小林清之介 風土 200712
秋寒や露店に並ぶピカソの眼 加藤峰子 200801
振り向けば猫と目が合ひ秋寒し 鈴木多枝子 あを 200812
秋寒や歩幅は犬にまかせをり 能美昌二郎 201102
蘭奢待の切り口三つ秋寒き 鈴木照子 201201
秋寒しまだ火を知らぬ火縄銃 松田都青 京鹿子 201401
秋寒しそろそろ渡る蔓橋 松村晋 ぐろっけ 201401
秋寒しかもめ群れ来る地曳網 田中清秀 かさね 201401
秋寒や一等工女の赤たすき 藤本秀機 201501
秋寒の波涛のしぶき竜飛崎 片岡久美子 201501
秋寒し背広の匂ひ遺品とす 相澤和子 ろんど 201501
秋寒の灯明台に火を入れよ 大坪景章 万象 201501
秋寒や頭を隠し二番寝す 松本文一郎 六花 201502
秋寒や蔵の出口の防火桶 斉藤マキ子 末黒野 201502
カテーテル髄を熱くし秋寒し 下山田美江 風土 201511
秋寒し魔女とゾンビに乗り合はす 塩貝朱千 京鹿子 201601
秋寒しベストのファスナー布を咬む 井上静子 201601
秋寒し魔女とゾンビに乗り合はす 塩貝朱千 京鹿子 201602
秋寒の灯明台に火を入れよ 大坪景章 椿垣 201612
秋寒の一気に及ぶ朝かな 金森信子 雨月 201701
秋寒の空の継ぎ目がこのあたり 川嶋健佑 船団 201707
ちぐはぐに着て秋寒の庭いぢり 望月晴美 201712
秋寒し何で今する総選挙 秋川泉 あを 201712
秋寒や橋に高鳴る宿の下駄 林徹也 201804
秋寒し沖に声なき舟ふたつ 平野無石 201811
埠頭より房総はるか秋寒し 荒井貞子 末黒野 201904
秋寒や年金の額細められ 小長谷紘 末黒野 202001
港湾の出船入船秋寒し 黒滝志麻子 末黒野 202001
秋寒の木曾の寝床に川のこゑ 本田武 やぶれ傘 202002
増阿弥の面傾いで秋寒し 中島陽華 202003
秋寒や水道水の手に柔し 山崎稔子 末黒野 202102
電池切れアフガン撤退秋寒し 七郎衛門吉保 あを 202111
光背を背負はぬ仏陀秋寒し 太田良一 末黒野 202201

 

2023年9月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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