秋 寂    93句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋寂びの抹茶にはつか竹の味 華明日香 銀化 199812
秋寂ぶや廊下は傷跡だらけなり 熊谷みどり いろり 200001
秋寂や兵の碑文を判じ読む 西田円史 円虹 200101
秋寂ぶや柳生道の磨崖仏 井出智恵子 春耕 200101
諳ずる古代色の名秋寂びぬ 能村研三 200112
秋寂のふつと消す燭灯りかな 小澤克己 遠嶺 200209
氷穴の雫一途や秋寂びぬ 能村研三 200211
秋寂びぬ芭蕉庵址のちんまりと 谷口ふみ子 雨月 200211
秋寂し鳥追ふ雲のありにけり 小澤克己 遠嶺 200212
さま変りしたる能ヶ谷秋寂し 斉藤小夜 風土 200312
秋寂の汐汲む音も松の風 小澤克己 遠嶺 200312
秋寂し何もない所邑久の駅 中田征二 ぐろっけ 200402
秋寂びやとんがり屋根は玩具めく 真木早苗 八千草 200405
長身の句碑に抱擁秋寂びぬ 能村研三 200412
幼帝の産衣秋寂ぶ櫃小さし 密門令子 雨月 200502
秋寂の庵の土間の笈と笠 小澤克己 雪舟 200506
秋寂ぶやバリウムいまだ体内に 寺岡ひろし 雨月 200512
一絃琴秋寂ぶ音と聞きゐたり 大畠政子 雨月 200601
秋寂ぶや欠け墨こぼる和良紙 山元志津香 八千草 200603
秋寂ぶや利休愛せし手洗鉢 角直指 京鹿子 200603
ガラス戸に昭和の歪み秋寂びぬ 能村研三 200611
秋寂ぶや相の崩れし二面石 三輪温子 雨月 200701
秋寂びて万の仏に蹲る 岸本久栄 雨月 200702
秋寂の雨情も宴を華やげむ 小澤克己 遠嶺 200712
秋寂や明の山水呉須茶碗 荻原美保子 春燈 200712
秋寂びて湖の小舟の二人立ち 能村研三 200712
うすらびの羽衣の松秋寂し 代田青鳥 風土 200801
秋寂の門花菱の紋所 今井松子 遠嶺 200802
秋寂びや手燭明りの駆込寺 川口襄 遠嶺 200802
太宰には徒爾の館や秋寂びぬ 能村研三 200811
東照宮辞して溜息秋寂ぶる 布川直幸 200812
白骨の珊瑚みぎはに秋寂びぬ 河村泰子 ぐろっけ 200901
秋寂びの天窓洞の潮つづみ 守屋井蛙 酸漿 200902
秋寂し煙草をねだるホームレス 吉成美代子 あを 200910
減塩に慣らされてをり秋寂びぬ 能村研三 200911
秋寂びぬ鉄鎖の太き氷川丸 小川玉泉 末黒野 201001
割竹の樋に秋寂ぶ本阿弥庵 淺井照子 京鹿子 201001
秋寂し鴫立沢の水果てて 大信田梢月 万象 201002
舞殿の鳳風の額秋寂びぬ 小川玉泉 末黒野 201002
秋寂びぬ三人の師のベレー帽 能村研三 201010
秋寂びて父の遺愛の絵の具皿 能村研三 201011
潮風の滲みし堂宇秋寂ぶみ 木村茂登子 あを 201012
秋寂ぶや根の熱き髪ほぐしつつ 北川孝子 京鹿子 201101
秋寂ぶや旅の土産の田舎みそ 淺場英彦 万象 201101
菖蒲田の秋寂ぶ風情株寄せて 木村茂登子 あを 201101
秋寂し杖を頼りの母に添い 宮脇百百子 201102
秋寂びぬテトラポッドの腿も 小形さとる 201102
秋寂びの潮鳴り通す小笹垣 能村研三 201112
秋寂ぶや古代住居の土間の罅 田中貞雄 ろんど 201112
「石六」が刻みし歌碑や秋寂びぬ 能村研三 201112
秋寂びぬ公園猫の目鼻立ち 有本惠美子 ろんど 201201
秋寂ぶや沢風及ぶ露月の碑 小林輝子 風土 201201
秋寂や子守つらしと子守唄 森幸 雨月 201202
秋寂びの寝釈迦の襞に砂つもる 須賀允子 万象 201211
秋寂びてべかの名残りの湯屋二軒 能村研三 201212
秋寂ぶや看とりの日々の懐しく 戸田澄子 末黒野 201301
借景の百済寺の庭秋寂びぬ 吉野川三郎 万象 201302
秋寂ぶや男体山は湖いだき 堺昌子 末黒野 201302
病む友や転居の友と秋寂し 足利ロ子 ぐろっけ 201302
白糸の一糸づつ秋寂びて瀧 北川英子 201311
秋寂やよい温泉をひとり占め 山田六甲 六花 201311
秋寂やテレビの音を高くする 舩山東子 ろんど 201311
秋寂や野嶋岬は枝隠れ 山田六甲 六花 201312
秋寂びの色とも逝きし父母の箸 橋本榮治 馬醉木 201312
秋寂びぬ処刑の松の幹の罅 福島せいぎ 万象 201401
秋寂ぶや合戦絵巻に深入りす 池内結 ろんど 201401
豊国の堂内未完秋寂びて 井上あき子 ぐろっけ 201401
妙見にただよふ霊気秋寂びて 塩路隆子 201412
秋寂ぶや堂に定家の念持仏 岡本尚子 風土 201501
秋寂ぶやビルの狭間の斑女塚 竹内喜代子 雨月 201502
秋寂びぬ水夫の半纏色褪せて 森清信子 末黒野 201602
日も水も秋寂ぶ色となりにけり 三屋英俊 万象 201602
わたつみや秋寂ぶ砂の丘の果て 升田ヤス子 六花 201701
「沈流亭」秋寂び深き水鏡 石田阿畏子 馬醉木 201702
秋寂や釈迦堂に差す薄明り 菅野日出子 末黒野 201702
隣り家の空き家の儘や秋寂し 久保晴子 雨月 201801
秋寂ぶの潮聴く崖の鵜捕人 下村たつゑ 201801
秋寂びの手児奈の町を巡りけり 松山三千江 春燈 201801
山影は山に喰ひ人り秋寂びぬ 高橋ひろ 万象 201802
秋寂びし心に平家物語 及川照子 末黒野 201804
秋寂びて空蝉背なを閉じにけり 阪野基道 船団 201806
抑揚のある音読や秋寂びて 能村研三 201810
秋寂ぶや倦(あぐ)み払ひの豚の耳 能村研三 201811
根ざらしの崖に秋寂ぶ音を聴く 能村研三 201812
蕉翁の碑に秋寂ぶの風の音 増成栗人 201901
秋寂ぶや塔の影負ふシテの舞 升田ヤス子 六花 202001
秋寂びて杜の魑魅を眠らせる 亀井福恵 京鹿子 202001
あるがまま生きて秋寂ぶ余生とは 寺田すず江 202001
嵐去り山紫に秋寂ぶる 秋山蔦 春燈 202102
秋寂ぶや放歌高吟夢の夢 杉山善信 末黒野 202102
秋寂ぶや安土に古りし耶蘇の墓 片山博介 春燈 202201
秋寂ぶや黄昏どきの黄信号 高井修一 春燈 202201
秋寂ぶや部屋に花など飾りもし 秋山文子 末黒野 202201

 

2022年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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