秋惜む 4   119句

秋惜しむワインの卓へヴァイオリン   内田真人

作品
作者
掲載誌
掲載年月
晴れの国てふ秋惜む空のあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
晴れてゆく仔細に吉備の秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
秋惜む旅は長距離運転で 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
秋惜む形に咲かせ路地の奥 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
幾曲りしたる山路の秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201611
秋惜む日々旅も又家居又 稲畑汀子 ホトトギス 201611
名水を汲む列にゐて秋惜しむ 多田ユリ子 201612
流れ藻の美しきに見入り秋惜しむ 占部美弥子 末黒野 201612
船よりの架橋の灯秋惜しむ 金森信子 雨月 201701
朽舟へ満ち来る汐秋惜む 藤井君江 馬醉木 201701
高原の教会の黙秋惜しむ 本池美佐子 201701
ガジュマルの大樹に佇ちて秋惜む 岡田ちた子 雨月 201702
船で行く川中に秋惜しみけり 白石正躬 やぶれ傘 201701
秋惜しむ電車一本遅らせて 大川ゆかり 201702
デコルテを着こなす女秋惜む 江島照美 201702
秋惜しむ船行き交へる横浜港 平瀬千会 風土 201702
秋惜しむ渡り廊下のきしみにも 笹村政子 六花 201702
相撲甚句流るる町に秋惜しむ 原田しずえ 万象 201702
雲を眼下に秋惜しむ山の宿 菊池洋子 やぶれ傘 201702
千年の仁王の眼窩秋惜しむ 林徹也 201704
秋惜むタワーの先にある未来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
成瀬家を偲びて城の秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
秋惜しむ奥社へ続く木の根みち 佐々木並 春燈 201712
小江戸にて小半機嫌秋惜しむ 能村研三 201712
響動せる神鼓に島の秋惜む 水田壽子 雨月 201801
みちのくの旅路なぞりて秋惜む 水田壽子 雨月 201801
秋惜む賢治板書の下ノ畑 岡崎郁子 馬醉木 201801
実るもの散り敷けるもの秋惜しむ 斉藤マキ子 末黒野 201802
秋惜しむ吾も遊子や懐古園 岡野里子 末黒野 201802
雲かかる浅間の嶺や秋惜しむ 山崎稔子 末黒野 201802
三十六歌仙掲ぐ宮居の秋惜む 山本漾子 雨月 201802
秋惜しむ妣の念珠の糸替へて 石川裕子 万象 201802
大文字山の頂に立ち秋惜しむ 懸林喜代次 春燈 201802
自転車を土手に寝かせて秋惜しむ 赤岡茂子 春燈 201802
分校にあの日の匂ひ秋惜む 藤井啓子 ホトトギス 201803
秋惜しむ京臍石に触れもして 亀井福恵 京鹿子 201803
遥かなる稜線に秋惜みけり 岩岡中正 ホトトギス 201804
暗くなるまで石に坐し秋惜む 浜崎素粒子 ホトトギス 201804
はじまりし治療に祈り秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201810
秋惜む夜は雨になるとの予報 稲畑汀子 ホトトギス 201810
秋惜む昔話もひとくさり 稲畑汀子 ホトトギス 201810
明日は又明日の予定に秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201810
秋惜む心に見舞ひ得しことを 稲畑汀子 ホトトギス 201810
常緑樹落葉樹草秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
昨日山今日は川見て秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
信州に上州に秋惜む旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
吉備路より三河路へ秋惜む旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
秋惜しむ帝釈さまの木彫師と 能村研三 201811
秋惜しむスタインウェイの細き脚 頓所友枝 201901
倒れ木のままのベンチに秋惜しむ 中根美保 風土 201901
好天の箕面連山秋惜しむ 大橋晄 雨月 201902
嗣治の乳白色に秋惜しむ 塩見治郎 雨月 201902
足踏みのシテの振舞秋惜しむ 石黒興平 末黒野 201902
落日のわたつみの秋惜しみけり 岡野里子 末黒野 201902
伊予と加賀訪ひ重ね来て秋惜む 千原叡子 ホトトギス 201903
橋の名のバス停三つ秋惜しむ 青木朋子 201905
一つづつ会終へて秋惜みけり 稲畑汀子 ホトトギス 201909
公園の芝生の色に秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
秋惜む心に今日をふり返る 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋惜む仕事の山を置きざりに 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋惜む旅とて仕事ばかりかな 稲畑汀子 ホトトギス 201910
順調に仕事を崩し秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201910
忌を修し終へたるよりの秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201910
肩の荷を降ろす如くに秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋惜む心抱きて逢ふ友も 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋惜みつつ今日も又旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201910
皆歳を取りしと語り秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 201910

 軍艦島

秋惜しむがらんどうなる島に立ち

荒井千佐代 201911
刈谷てふ親しき距離に秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
水の綺羅日の綺羅に秋惜みけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
秋惜む心に添ふも添はざるも 稲畑汀子 ホトトギス 201911
野の花の青きを摘みて秋惜む 松本幹雄 馬醉木 201912
秋惜しむ女人高野の塔仰ぎ 多方清子 雨月 202001
秋惜む千里寺さまの御句碑に 山田夏子 雨月 202001
秋惜しむ最後のユーロ手渡して 竪山道助 風土 202001
時刻表屏風だたみに秋惜しむ 政時英華 京鹿子 202001
歳月や渡良瀬川の秋惜しむ 小林紫乃 春燈 202001
山霊の秋惜しみゐる葉擦れかな 近藤喜子 202001
ふる里に似たる谷戸径秋惜しむ 石黒興平 末黒野 202002
秋惜しむがらんどうなる島に立ち 荒井千佐代 202003
これよりの川安かれと秋惜む 今橋眞理子 ホトトギス 202003
掃除して老柳荘の秋惜む 川口利夫 ホトトギス 202004
秋惜しむ左千夫遺愛の吊香炉 小河原清江 梛の木 202007
会場の熱気に秋を惜みけり 稲畑汀子 ホトトギス 202009
ふり返る旅秋惜む心切 稲畑汀子 ホトトギス 202010
秋惜む心を笑顔もて対す 稲畑汀子 ホトトギス 202010
集ふことすなはち秋を惜みつつ 稲畑汀子 ホトトギス 202010
旅多きことを心に秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
被災地に心を置きて秋惜む 稲畑汀子 ホトトギス 202010
又一つ済みたる行事秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋惜む富士黒々とくろぐろと 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
極上の神戸ビーフに秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋惜む日本の災禍案じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋惜む尾張に三田に鎌倉に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋惜む丸の内から遠ざかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
すべからく相応に生き秋惜む 植村蘇星 京鹿子 202010
秋惜み君を惜みて句座淋し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
濁音を回す水車や秋惜しむ 太田良一 末黒野 202012
奥多摩の渓流訪ね秋惜しむ 箕田健夫 やぶれ傘 202101
秋惜しむ昔ここには映画館 石塚清文 やぶれ傘 202101
藤十郎讃へつつ秋惜しむかな 橘正義 春燈 202102
山辺の道のはるけし秋惜しみ 堺昌子 末黒野 202102
秋惜むかにふりそそぐ日差かな 湖東紀子 ホトトギス 202104
秋惜む若狭に夫の声残る 竹中一花 202107
秋惜む庭に咲くもの終るもの 稲畑汀子 ホトトギス 202110
何よりも秋惜む日の晴れしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202110
靴底の乾きし音に秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
秋惜む都心の森に埋もれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
外つ国の騒ぎを余所に秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
波音を膝に抱く浜秋惜しむ 太田良一 末黒野 202112
武蔵野の木の香水の香秋惜しむ 小山繁子 春燈 202201
鴫立沢の夕暮を待ち秋惜しむ 落合絹代 風土 202201
亡き友に出会いし辺り秋惜しむ 大山夏子 202202
秋惜むにも気がかりは病める人 木村享史 ホトトギス 202204
太山寺脇の行く秋惜しみけり 山田六甲 六花 202209
田の神を山に還して秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
秋惜む記憶の薄れゆく君と 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
鎌倉の忌日遠ざけ秋惜む 稲畑廣太郎 ホトトギス 202210
極楽の文学に秋惜みけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
秋惜む→1

2022年11月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。