秋の野 (秋郊・秋野) 69句
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作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
秋郊の湖畔ゆるりと駆けゆけり |
稲畑廣太郎 |
ホトトギス |
199910 |
秋の野に五感のひとつ置いて来し |
中谷まもる |
火星 |
200001 |
秋の野に音叉の形で転びたり |
吉川真実 |
海程 |
200002 |
寸鉄を帯びずに秋の野に立てり |
宇都宮滴水 |
京鹿子 |
200011 |
比良夫貝放ち秋野の猿田彦 |
中島陽華 |
槐 |
200101 |
捨猫に心の残る秋の野路 |
斉藤陽子 |
雨月 |
200112 |
月山を遠く秋野の道しるべ |
河合笑子 |
あを |
200201 |
秋野より鳥一斉に飛び立てり |
山口和子 |
ぐろっけ |
200201 |
秋の野は淋し光に満ちながら |
稲岡長 |
ホトトギス |
200202 |
秋の野として飛鳥野は静まれり |
稲岡長 |
ホトトギス |
200202 |
秋の野に耳をあづけてゐる静寂 |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200210 |
秋郊へ縞の遮断機はね上がり |
生田恵美子 |
風土 |
200212 |
秋の野や素手にて食らふ握り飯 |
堀一郎 |
雲の峰 |
200212 |
秋の野に積荷おろしてをりにけり |
高橋将夫 |
槐 |
200212 |
秋野来て源氏絵巻の中に浮く |
服部郁史 |
京鹿子 |
200303 |
秋郊の夫婦手提は夫が持つ |
岡本眸 |
朝 |
200310 |
創刊百五十号記念大会 大日や秋の野に立つ金字塔 |
高橋将夫 |
槐 |
200401 |
秋郊といふ武蔵野に大和路に |
稲畑廣太郎 |
ホトトギス |
200410 |
七草の氾濫秋の野に遊ぶ |
藤田輝枝 |
対岸 |
200411 |
紙コップ紙皿秋の野に遊ぶ |
櫻井幹郎 |
百鳥 |
200411 |
血の色を好む外科医を秋の野へ |
丸井巴水 |
京鹿子 |
200501 |
巖群は天ゆなだれて野の秋へ |
瀧春一 |
菜園 |
200509 |
伽石も句碑も秋野の一部分 |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
200510 |
人の世のしがらみを抜け秋野かな |
高橋将夫 |
槐 |
200510 |
秋の野に散らばりえにし深めけり |
大串章 |
百鳥 |
200511 |
嵯峨野線トロツコ電車秋の野路 |
河合佳代子 |
栴檀 |
200512 |
秋野より土産の花材一握り |
菊地英雄 |
酸漿 |
200612 |
水底のやうな日の差す秋野かな |
田尻勝子 |
六甲 |
200703 |
風吹かば風の色なす秋野かな |
笹村政子 |
六花 |
200711 |
トンネルを抜け秋の野へ一直線 |
芹沢千春 |
炎環 |
200811 |
秋野舞ふ姫扇より舞扇 |
小澤克己 |
遠嶺 |
200811 |
秋の野の碑は万葉の置き手紙 |
伊東和子 |
璦 |
200812 |
遊芸の書にさながらの秋野行 |
小澤克己 |
遠嶺 |
200812 |
夕暮れの秋野にトランペットの音 |
岩月優美子 |
槐 |
200901 |
秋の野に仏を風と訪ねけり |
佐野功 |
遠嶺 |
201001 |
病よき人を秋野にいざなはん |
山田弘子 |
ホトトギス |
201003 |
風少し荒しと思ふ秋の野に |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
201010 |
秋野原坐れる石の温度かな |
常田創 |
璦 |
201011 |
秋の野の芯に牛らの塩くれ場 |
淺場英彦 |
万象 |
201101 |
遠三上まで秋の野をつなぐ水 |
浅野香澄 |
京鹿子 |
201102 |
手を引いて秋の野川へ下りにけり | 大坪景章 | 万象 | 201110 |
秋の野につぎ当てズボン老学者 | 伊藤和子 | 璦 | 201112 |
身近なる白秋の野辺日は真上 | 鈴木初音 | 槐 | 201201 |
津波きて只一面の秋野原 | 赤座典子 | あを | 201211 |
秋野には徒然草が生えてをる | 高橋将夫 | 槐 | 201211 |
秋の野に万葉の歌碑あまた並め | 大橋晄 | 雨月 | 201212 |
秋の野は千変万化色の壷 | 山本達人 | かさね | 201212 |
布を織るやうに色づく秋野かな | 高橋和枝 | 沖 | 201310 |
庭と呼ぶよりも秋の野とぞ呼ばむ | ことり | 六花 | 201311 |
秋郊にふるさとを見る旅住まひ | 川崎雅子 | 春燈 | 201311 |
聞き返すことはもう無く秋野駈け | 石坂比呂子 | ろんど | 201312 |
ハモニカの程よき重さ秋野坐す | 丸井巴水 | 京鹿子 | 201312 |
秋郊のキャベツ玉なす古墳塚 | 田中臥石 | 末黒野 | 201401 |
秋草を句座に秋野の縮図とし | 大橋晄 | 雨月 | 201401 |
秋の野は詩情あふるる四重奏 | 飯田美千子 | 璦 | 201411 |
秋の野の夜は果てなし虫と風 | 有松洋子 | 槐 | 201412 |
秋の野に蛇の名問へば山かがし | 松本文一郎 | 六花 | 201412 |
秋の野に展べ学生の設計図 | 山田美恵子 | 火星 | 201501 |
秋の野に群れ咲く小花うす紫 | 水谷直子 | 京鹿子 | 201501 |
秋の野嬰栗の謂はば偏屈形振りの | 柳本渓光 | ろんど | 201502 |
秋の野はトランペットのためにある | 早瀬淳一 | 船団 | 201502 |
風のごと僧わたりくる秋野かな | 大内マキ子 | 万象 | 201511 |
秋野行く山のあなたを口遊み | 松本三千夫 | 末黒野 | 201511 |
秋野行く高倉健の遥かなり | 谷岡尚美 | 槐 | 201602 |
秋郊やどんどん先へ行く二人 | 湯川雅 | ホトトギス | 201702 |
島裏の海になだるる秋野かな | 石黒興平 | 末黒野 | 201702 |
咲けるもの散り急ぐもの秋の野に | 稲畑汀子 | ホトトギス | 201810 |
さまよひて迷路の如き秋の野に | 稲畑汀子 | ホトトギス | 201810 |
秋野へと園児の赤帽列なして | 三羽永治 | 集 | 201811 |
深秋の野に天平の石ひとつ | 落合絹代 | 雨月 | 201901 |
秋の野を太子疾走馬の像 | 今泉忠芳 | ある日の滴 | 201912 |
夕さりの秋野に座せば人恋し | 高木邦雄 | 末黒野 | 202002 |
子が爺を追ひ麦秋の野を駈ける | 遠藤泉 | 鴻 | 202009 |
金秋の野山恋ひけり疫病なか | 伊藤由良 | 末黒野 | 202103 |
秋の野の風のはたてに牧水碑 | 木村傘休 | 春燈 | 202111 |
秋の野をかきわけ走るローカル線 | 山口地翠 | 春燈 | 202112 |
2022年9月4日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
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