秋の川   87句

秋の川真白な石を拾ひけり    夏目漱石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
うら成りのものを流して秋の川 天谷満男 銀化 199812  
秋の川原阿吽の呼吸で車椅子 阿辺一葉 海程 199902  
日曜の秋の川原に団居あり 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
秋の川沿へば水音ついて来る 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
クリスタル音を奏でし秋の川 桑垣信子 いろり 199910  
舟揖の音とて澄める秋の川 森義久 銀化 199912  
人死なしめ粛々秋の川となる 大村美智子 京鹿子 200001  
石の椅子二人で見つめ秋の川 野田田美子 海程 200002  
秋の川太刀のごとくに野のなかに 出原博明 円虹 200002  
底見えて石美しき秋の川 井上比呂夫 200010  
秋の川棹をくの字に挿しにける 足立浩一 200011  
秋の川さらさら犬の洗はれて 小澤克己 遠嶺 200011  
秋の川掬ひしものの白さかな 小林あつ子 火星 200101  
瞬けば瞬き返す秋の川 大倉郁子 船団 200108  
水音のつぶやきに似て秋の川 石原勢津子 雨月 200110  
秋の川海に出てなほ流れけり 佐藤真次 200112  
鮮しきおのれの目鼻秋の川 坂本京子 200112  
筏組むこゑのひびけり秋の川 佳藤木まさ女 春耕 200112  
かぎりなく水澄む秋の川澄めり 阿部ひろし 酸漿 200210  
ゆつくりと羽毛の落ちる秋の川 篠鳳俊博 銀化 200211  
瀬の音も初秋の川床となりにけり 久保晴子 雨月 200212  
友禅の五反並びて秋の川 鈴木てるみ ぐろっけ 200302  
雨音に瀬音重ねし秋の川 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
百塔が見渡せ秋河匂ふなり 戸田和子 200311  
水は水産みて濁るや秋の川 竹中一花 200311  
秋川に石の泳ぎてをりしかな 山田六甲 六花 200311  
絵具溶く水晩秋の川に汲む 清水明子 遠嶺 200401  
ちちははにも秋の河原の石ひろふ 竹内弘子 あを 200401  
白壁に往時しのびつ秋の川 磯みどり 遠嶺 200402  
皿割って秋の河童のここちせり 山元志津香 八千草 200403  
藍染の洗はれてをる秋の川 水田清子 200410  
渡し船一人を乗せて秋の川 内藤ゑつ ゑつ 200411  
舟唄の手拍子揃ふ秋の川 今村能子 遠嶺 200412  
ぶつかるも曲るも必死秋の川 松本淳子 対岸 200412  
菜を洗ひ茶碗をあらひ秋の川 杉浦典子 火星 200412  
三百の支流束ねて秋の川 史あかり ぐろっけ 200412  
秋の川曲るあたりの斜張橋 森津三郎 京鹿子 200501  
番屋てふ古き景おく秋の川 山田弘子 ホトトギス 200503  
腹の内透かし見せてる秋の川 物江晴子 八千草 200504  
秋の川撓みて柿の村をいだく 瀧春一 菜園 200509 瀧山丘陵
秋の川みなかみの山をしかと畫く 瀧春一 菜園 200509  
秋の川れい々と岐れ集まれる 瀧春一 菜園 200509  
秋の川丘に戰國の壘をのこす 瀧春一 菜園 200509  
秋の川桑畑の色を遠ざくる 瀧春一 菜園 200509  
秋の川目線に高く船行けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510  
秋の川原円空仏と子供かな 方谷村幸子 200511  
秋の川おもひおもひに鵜のあそぶ 松本桂子 200512  
水の秋川が唄ひて靴脱がす 西山美枝子 酸漿 200512  
秋川の遥かの山のけぶりをり 田巻和子 遠嶺 200601  
秋の川列車一弾めき渡る 成井侃 対岸 200601  
渾々と湯もやは秋の川に沿ふ 的池遙 百鳥 200601  
秋の川九十九曲り千住まで 原田しずえ 万象 200601  
山里の段々畠秋の川 小沢喜美子 遠嶺 200602  
秋に来て見れば鴨川秋の川 杉本薬王子 風土 200611  
安芸の家渡り次ぎ行く秋の川 前川明子 200612  
秋の川水綻んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710  
秋の川触れれば指の切れさうな 富沢敏子 200801  
源を十和田湖に発し秋の川 北尾章郎 200802  
倒木のオブジェ景なす秋の川 北尾章郎 200802  
横ずわりして水中の秋の河馬 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
秋川の真中を奔る水の束 藤田宏 長城 200808 奥多摩御岳渓谷
死角より鷺現れて秋の川 鷹羽狩行 200811 伊勢
孤児めくや秋の川面に佇ち尽す 田原陽子 200811  
トランペット秋の河原を寂かにす 安部里子 あを 200811  
秋の川水漬きし草の影深き 吉村さよ子 春燈 200812  
石投げて石の音する秋の川 白石正躬 やぶれ傘 200901  
案内は秋の川辺を来られよと 稲畑汀子 ホトトギス 200910  
さわさわと水の急げる秋の川 岡田真澄 風土 200910  
おだやかに流れの映ゆる秋の川 渡辺安酔 200911  
光陰をのせて流るる秋の川 上原恒子 雨月 200911  
秋川の涸れて鴉の屯かな 駒井のぶ 200912  
今日父の誕生日なり秋の川 田原陽子 200912  
水口へ動くともなく秋の川 加古みちよ 火星 200912  
秋の川男二人の洗濯場 松木溪子 201001  
秋の川竹の小舟に竹の樟 松木溪子 201001  
晩秋の川の底ゆく鮭の群 柴田鏡子 201001  
棹船を端に横たへ秋の川 松木溪子 201001  
初秋の川妣への追慕流したる 伊藤希眸 京鹿子 201008  
散骨を遠く拝めり秋の川 中村輝子 酸漿 201011  
橋裏に水かげろふや秋の川 笠井清佑 201012  
維新の葛藤いくつ流せし秋の川 池田倶子 雨月 201101  
晩秋の川の中まで山来る 長憲一 201101  
石ひとつ滑らせてゆく秋の川 高野春子 京鹿子 201202  
飛び込みし男の子らを見ず秋の川 酒井秀郎 返り花 201211  
秋の河原阿國の舞と晒し首 加藤みき 201301  
橋桁に藻屑からまる秋の川 仁平則子 201301  
秋の川行雲ゆるぎなく映り 神田恵琳 跫音 201303  

2013年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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