秋の日 3   115句

水底の草にも秋の日ざしかな    高橋淡路女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
銭苔をぱさつかせたる秋日かな 山田六甲 六花 200910
秋の日や洗礼のごと鍬洗ふ 小林朱夏 200910
川瀬滾り秋日は四囲にはねてをり 佐藤喜仙 200910
秋日中喪服うなづき合ひゆけり 山尾玉藻 火星 200911
ふすまにも菊の紋章秋日射 竹内悦子 200912
鎌倉に虚子の句碑詠む秋日差 大島みよし 200912
沖島の僧の法話や秋日燦 増田一代 200912
タクシーもバスもベンツや秋日燦 金井香ル 200912
古民家の破璃戸に秋の日差しかな 三羽永治 遠嶺 200912
幕を引く指先秋の日をあつむ 中山皓雪 200912
秋の日の猫ゆつたりと昼寝して 池田いつ子 酸漿 200912
死しても翅玉虫色に秋日濃し 伊藤一枝 酸漿 200912
燦々と川面に見ゆる秋日差 大房帝子 酸漿 200912
表六句の碑へしらたまの秋日濃し 伊藤敬子 200912
秋日照り元気を出せよと菜に水を 鈴木敬一 200912
シーボルト渡りし七里秋日濃し 中根健 200912
秋日受け小波煌めく名古屋港 中根健 200912
木々つなぎ秋日にひかるくもの糸 秋田健三 200912
蛸干して秋の日を踏む八十歳 坪内稔典 船団 200912
留守居番地下鉄響く秋日中 森理和 あを 200912
秋日沁むロシア公子の遭難址 田中芳夫 201001
行く秋の日射しの中に黙ふたり 大松一枝 201001
秋日射す古井戸しかとよしず蓋 竹内悦子 201001
神さぶる甌穴あまた秋日影 石脇みはる 201001
岸壁に漁網繕ひ秋日濃し 川口襄 遠嶺 201001
秋の日のあまねく句座の古畳 遠藤和彦 遠嶺 201001
サルビアの名残りの紅に秋日濃し 岡野ひろ子 201001
秋日差す木組み斜めのレストラン 長谷川友子 春燈 201001
秋日中奉納連歌の墨をする 降幡加津 ろんど 201001
秋の日のあまねく沁みて子規の部屋 浅田光代 風土 201001
三千の湖沼瑠璃色秋日影 松木溪子 201001
秋の日があふる大洋ガイドさる 島純子 ぐろっけ 201001
秋日差し猫の居眠るところまで きくちきみえ やぶれ傘 201001
秋日濃し極彩色の勅使門 松本三千夫 末黒野 201002
多羅葉の便り秋日に透かし読む 外山生子 末黒野 201002
秋日燦長屋門よりオートバイ 鶴見遊太 201002
御造営称ふる秋日燦々と 野田しげこ 201002
秋の日をちりばめてゐる銀沙灘 岩上利一 201002
夕雲に秋の日の色濃かりけり 白石正躬 やぶれ傘 201002
秋の日を浴びて寝る人駈ける人 松村光典 やぶれ傘 201002
動くとも見えず秋日の漁舟 柴田志津子 201002
教会のステンドグラス秋日濃し 平尾圭太 ホトトギス 201003
秋日濃し軒の重なる漁師町 松田明子 201003
丹の橋にしたたかに降る秋日かな ことり 六花 201009
湧水の泡の金色秋日射 堤京子 馬醉木 201010
水底の石に秋日の差してをり 能村研三 201010
飲食のための行列秋日なか 能村研三 201010
UVのローションさはに秋日濃し 田下宮子 201011
秋の日を光背として阿弥陀仏 坂上香菜 201011
ひとときは厨に秋の日の射せり 太田佳代子 春燈 201011
狛犬に秋の日傘の落ち合へる 蘭定かず子 火星 201011
秋の日の背に溢れをり大師像 飯田角子 酸漿 201011
秋の日や夫の残せしインク壼 濱田カノエ 酸漿 201011
万杉に万翳画と秋日濃し 浅井青二 雨月 201011
秋の日の黒猩猩の手あしかな 吉弘恭子 あを 201011
飛烏路の「万葉おやき」秋日濃し 坂上香菜 201012
聖堂のステンドグラス秋日映ゆ 塩路五郎 201012
飛鳥路の「万葉おやき」秋日濃し 坂上香菜 201012
大学のポプラまつすぐ秋日射 八田マサ子 馬醉木 201012
香煙に秋の日矢射す奥の院 市村健夫 馬醉木 201012
文の助茶屋に長居の秋日かな 柳橋繁子 201012
広縁に積木散乱秋日濃し 松下信子 万象 201012
秋の日のすとんと暮れし友の去る 山荘慶子 あを 201012
ぞろぞろととげ抜き地蔵秋日射 田中藤穂 あを 201012
秋の日や手作りジャムに心込め 五十嵐満里子 酸漿 201012
秋の日や漆絵皿の出来上がり 能勢栄子 201101
龍踊のうねりや秋の日を弾き 山田ひさし 馬醉木 201101
秋日濃し児のあいさつの韓国語 伊勢きみこ 火星 201101
よく笑まふ嬰に秋日の濃かりけり 村上悦子 雨月 201101
秋日燦一島覆ふ大聖堂 中島霞 ぐろっけ 201101
秋の日の夫婦の散歩無口なり 堀口香代子 ぐろっけ 201101
秋の日や百年蔵の喫茶店 青木政江 酸漿 201101
拓本の表装美しや秋日差 阪本哲弘 201102
朱を残し秋日落ちたり淡路島 中尾廣美 ぐろっけ 201103
秋の日の友の便も届きけり 満川房子 酸漿 201103
グレゴリオ聖歌木椅子に秋日満つ コ田千鶴子 花の翼 201111
秋日濃き材木商の駒繋ぎ 伊藤純子 201111
スケッチブックに秋日をどつてゐたりけり 平野加代子 春燈 201111
母よ風呂敷包みに秋日差 井上信子 201111
秋の日のかたむくころや亡夫恋し 辻香秀 201112
秋の日や娘と並ぶ婚約者 藤原若菜 春燈 201112
歌舞伎見し眼もて見廻す秋日の街 内藤玲二 201112
それぞれの礎石の抱く秋日影 中山皓雪 201112
地に還るもろもろ秋日濃かりけり 川端俊雄 火星 201112
糶了へし荷受け櫓の秋日影 能村研三 201112
何の実と問うて秋日にかざしけり 吉田政江 201112
いでゆ坂ゆるゆる秋日濃くなりて 大川ゆかり 201112
嶺線の映えて秋日のすべり台 北村幸子 201112
秋日濃し花屋は水をよく使ひ 石井秀一 風土 201112
秋日影一番札所高く在り 上野かりん ろんど 201112
秋の日の逆光五重塔古色 大橋晄 雨月 201112
奥の間に秋日の届くべうもなし 大橋晄 雨月 201112
禅寺の拭き込みし床秋日差す 石川純 万象 201112
秋日浴びすめらぎの山車のんびりと 原田達夫 201201
秋日濃し亀濡れいろの甲羅干す 上原重一 201201
群れ鳥の声去り秋日残りけり 佐渡谷秀一 春燈 201201
秋の日を床屋に昔語りかな 佐々木新 春燈 201201
千年の欅の空の秋日かな 佐藤喜仙 かさね 201201
秋日背に次々海の幸糶られ 大橋晄 雨月 201201
秋日濃し曲り棚田の曲り畦 岸本久栄 雨月 201201
秋日濃し千筋の砂紋ひかり出す 八田マサ子 馬醉木 201202
秋日濃し下りは早きベロタクシー 五十嵐章子 201202
書肆と標示す古書店秋日差 上辻蒼人 風土 201202
棚田ただ静かに秋の日の暮るる 福島松子 ぐろっけ 201202
秋日影思ひは恋かロダン像 三枝邦光 ぐろっけ 201202
秋の日を拒む関所の獄舎かな 小川玉泉 末黒野 201202
あだし野の石みな仏秋日濃し 宮平静子 雨月 201202
虫喰ひの葉の孔にある秋日影 藤井美晴 やぶれ傘 201202
モノレール秋日走つてをりにけり 水田むつみ ホトトギス 201203
武蔵野や秋日威を張る寺の庭 佐藤喜仙 かさね 201203
逝く秋の日の片照るや白樺 小川玉泉 末黒野句集 201203
コルネットよりやはらかき秋日かな 松村ふみもと ホトトギス 201204
秋の日をころがし三遊間を抜く 蔦三郎 ホトトギス 201208
瀬の滾り秋日は四囲にはねてをり 松田利秋 かさね 201210

秋の日→4

     

2021年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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