秋茄子   192句

秋茄子の太るを止めて裂けはじむ    伊藤白潮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
秋茄子を色よくゆがき人を待つ 大平保子 いろり 199910  
秋茄子捥ぐ手に夕日あふれをり 荻原芳堂 春耕 199912  
秋茄子やふるさとに母一人住み 川合広保 俳句通信 199912  
夕雨に残る朝の秋茄子 稲辺美津 遠嶺 200001  
秋茄子やキュキュ塩す明日のため 熊谷みどり いろり 200010  
秋茄子の色たのもしき朝餉かな 能村登四郎 200010  
生り残る小さき秋茄子漬けやうか 中川朋子 円虹 200012  
尻跳ねる秋茄子仲間に水たっぷり 立岩利夫 海程 200012  
秋茄子の田楽に母憶ひけり 古田考鵬 雨月 200012  
秋茄子の紺をふかめて故郷の味 矢嶋みつ江 遠嶺 200101  
臍むずとがさつきたりし秋茄子 岡井省二 200110  
秋茄子の色を散らして漬けにけり 山口秀子 酸漿 200111  
秋茄子の程よく漬かり良き朝餉 井関祥子 酸漿 200112  
日のほてり残る小籠の秋茄子 岩崎正子 春耕 200111  
ここもまた一坊のあと秋茄子 川澄祐勝 春耕 200112  
秋茄子の色濃き里に住みなれし 鈴子とし子 遠嶺 200112  
秋茄子をじゆぶじゆぶと食ふ何處か壊死 中原道夫 銀化 200210  
いつまでを嫁と言はれむ秋茄子 八條凛子 銀化 200210  
秋茄子の徒花ゆゑか色の濃し 関口ゆき あを 200210  
落柿舎は秋茄子の畝高く立て 西田もとつぐ 雲の峰 200211  
糠床に紫紺かがやく秋茄子 青木政江 酸漿 200211  
秋茄子を直火に焦がす子規忌かな 川井政子 風土 200212  
秋茄子のとり忘れあり尼の寺 海老原信男 築港 200212  
秋茄子の根元乾きし盆の窪 植木戴子 200212  
秋茄子を褒めて値切るや朝の市 加藤峰子 200301  
秋茄子の盛られし笊の匂ひけり 大谷茂 飛白 200208  
秋茄子や朝日に濡るる掌 関口八郎 200302  
秋茄子のかくす術なき傷みかな 久我八千代 200303  
糠味噌の桶やや小さし秋茄子 宮原國夫 雲の峰 200311  
秋茄子の太りすぎたり妻の留守 宮原國夫 雲の峰 200311  
エプロンに摘む秋茄子の濃紫 矢崎すみ子 200312  
秋茄子の貸農園に女の声 神長裕子 200312  
草を抜く老に秋茄子もらひけり 近藤豊子 雨月 200312  
秋茄子のもぎたてをすぐ貰ひけり 保田英太郎 風土 200312  
秋茄子の紺きつぱりと水はじく 閑田梅月 馬醉木 200401  
秋茄子の自負なき色に変はりけり 加藤峰子 200401  
職退きてよりの晴耕秋茄子 次井義泰 200401  
悪妻の漬物上手秋茄子 飯田希々 草の花 200401  
いささかの苦味がよろし秋茄子 滝沢伊代次 万象 200410  
秋茄子の売場人混む道の駅 渡辺清子 200411  
土の上に秋茄子置かる能の村 植木戴子 200411  
秋茄子や川原石積む奥美濃路 高野清風 雲の峰 200411  
一畝の葉もきれぎれに秋茄子 井上紘 雲の峰 200411  
秋茄子音の途絶えし町工場 森理和 あを 200411  
秋茄子の自負なき色に変りけり 加藤峰子 200501  
秋茄子の紫紺の艶に彩れり 瀬在苹果 ホトトギス 200502  
秋茄子や上り框で済む話 境惇子 200502  
妻の留守朝餉夕餉の秋茄子 中田征二 ぐろっけ 200101  
千段を越えし寺領の秋茄子 岸はじめ ぐろっけ 200202  
ちぎり絵の秋茄子獅子唐湿地茸 物江晴子 八千草 200504  
秋茄子の豊作嫁に食はしけり 安達実生子 馬酔木 200511  
秋茄子を焼いて冷やして老いしかな 淵脇護 河鹿 200512  
秋茄子の美味を身重の嫁にかな 斉藤陽子 雨月 200511  
秋茄子きゆつきゆつと洗ふ汀女の忌 武藤嘉子 200512  
正解はひとつにあらず秋茄子 松本きみ枝 遠嶺 200212  
秋茄子や厨を未だ手離さず 吉田島江 火星 200512  
秋茄子を焼く久々の水仕かな 相沢有理子 風土 200512  
秋茄子を食べ日本語のうまくなる 中村昭義 百鳥 200602  
秋茄子を買ひしばかりに雨に遇ふ 青山丈 200503  
秋茄子の太り過ぎたる海女の畑 一瀬昭子 馬醉木 200610  
鬱の日の藍でありけり秋茄子 吉田島江 火星 200611  
秋茄子触れなば指に蔕の刺 山川好美 春燈 200611  
秋茄子の育てと枝を切りにけり 島崎勇作 酸漿 200611  
秋茄子も空も濃き日や人恋し 藤岡紫水 京鹿子 200612  
晩年や彩よく揚がる秋茄子 秋岡朝子 200612  
秋茄子嫁ぎ受け継ぐ塩の壷 森理和 あを 200711  
秋茄子の籠に尊き色となり 前川明子 200712  
言ひかけて言葉忘るる秋茄子 近藤てるよ 酸漿 200712  
したたかに秋茄子食うて家長なり 金子慶子 遠嶺 200801  
区民農園秋茄子ばかり垣間見ゆ 千葉冴子 200801  
千一回振りて漬けたる秋茄子 柿沼盟子 風土 200802 山形民田茄子
糠漬の秋茄子贅を極めけり 安永圭子 風土 200802  
買ひ足しに来て秋茄子を手掴みに 岡本眸 200809  
下戸の庭小振りばかりの秋茄子 北尾章郎 200810  
秋茄子や漬ける女手なきままに 勝原文夫 ペン皿 200811  
秋茄子や齢を重ねゐればこそ 菅原健一 200811  
朝市のひかりの中の秋茄子 川口襄 遠嶺 200812  
きこきこと音たて洗ふ秋茄子 田口登代 遠嶺 200812  
秋茄子や夫とふたりで立つ厨 与川やよい 遠嶺 200901  
秋茄子の謂れ知らずよ嫁二人 井上正子 春燈 200901  
秋茄子や分け隔てなく老淑女 伊吹之博 京鹿子 200901  
暮るるまで母は畑や秋茄子 岡田満壽美 夢のごとしと 200904  
秋茄子の花にふるればこそばゆし 伊藤敬子 200909  
秋茄子上がり框に足さする 室谷幸子 万象 200911  
読み書きの苦手秋茄子を焼きにけり 竹島勝代 200911  
秋茄子の水はじきたる皮の艶 桂敦子 200912  
秋茄子や父あらば酌み交はすべく 西山春文 200912  
秋茄子を家内一同よばれたり 加藤みき 200912  
撥ね返す余力まだあり秋茄子 橋本良子 遠嶺 200912  
秋茄子をしつぽりと煮る役目なり 田原陽子 200912  
秋茄子の種いちにちを思ひ出す 高田令子 200912  
前掛にもらはれてゆく秋茄子 冨山俊雄 山居抄 201008  
朝市へいそぐ軽舸けいかの秋茄子 桂樟蹊子 201009  
秋茄子の尻のきゅきゅきゅと陽が昇る 貝森光洋 六花 201010  
秋茄子に期待をこめて枝詰めり 鈴木一三 末黒野 201011  
秋茄子と俳号頂き茄子漬ける 東秋茄子 京鹿子 201011  
一降りの夕立待たる秋茄子 伊藤いな栄 酸漿 201011  
秋茄子を噛めばひねくれたる音す 安居正浩 201012  
秋茄子売りきる無人販売所 村上沙央 201012  
妻捥ぎて来し秋茄子や朝の卓 田中臥石 末黒野 201012  
種満ちし温み掌にあり秋茄子 藤岡紫水 京鹿子 201012  
秋茄子の美形不器量エプロンに 岡野ひろ子 201012  
秋茄子や高音に売れる朝の市 渡辺安酔 201012  
秋茄子の畑が照つて八咫烏 佐藤凉宇子 ろんど 201012  
秋茄子の色の鈍りて雨不足 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201012  
いっこうに嫁の来ぬ家秋茄子 貝森光洋 六花 201012  
秋茄子の旨さの分かる齢かな 山根征子 201101  
斎の膳亡き人植ゑし秋茄子 川村みよき 万象 201101  
秋茄子の色艶を切る丸く切る 安居正浩 201101  
秋茄子のたしかな味を嫁と分く 内藤三男 ぐろっけ 201101  
朝捥ぎの秋茄子並べほまち店 山崎稔子 末黒野 201102  
秋茄子の瑞々しきを一夜漬け 中山静枝 201110  
その中のことに秋茄子京野菜 木村茂登子 あを 201110  
鯉の棲む生水川端に秋茄子 坂上香菜 201111  
賀茂育ち尻まるまると秋茄子 宮崎左智子 201111  
秋茄子といへどとりどり道の駅 藤原若菜 春燈 201112  
秋茄子の長きを称へ戴きぬ 西岡啓子 春燈 201112  
糠床も終の秋茄子さぐりあて 岡田和子 馬醉木 201112  
鉢植の秋茄子大いなる一つ 大坪景章 万象 201112  
菊坂や鉢に育てる秋茄子 山田春生 万象 201112  
秋茄子にこだま返しのやうな色 井上信子 201201  
秋茄子は誓子好みの紺ばかり 藤田かもめ ぐろっけ 201201  
夫ほめてわれの漬けたる秋茄子 北崎展江 くりから 201209  
元気印の姑捥ぎくれし秋茄子 和田森早苗 201211  
どの尻もあげて秋茄子なり終ひ 宮崎左智子 201211  
虫喰ひの葉陰に一つ秋茄子 安藤虎酔 かさね 201211  
広すぎる卓となりけり秋茄子 河崎尚子 火星 201211  
秋茄子島の畑はささ蔭に 松本三千夫 末黒野 201211  
秋茄子の紺に曇りのなかりけり 宮木加津代 万象 201212  
無駄花の無き秋茄子の色深み 水谷靖 雨月 201212  
猪罠はいつも空つぽ秋茄子 宮井知英 201212  
秋茄子の色は深海冷たかり 古川忠利 ろんど 201301  
庖丁の少しきしみて秋茄子 今井千鶴子 ホトトギス 201302  
胃カメラに残りてゐたる秋茄子 瀬川公馨 201302  
秋茄子の辛子漬ほめのれん酒 安藤虎酔 かさね 201308  
秋茄子嫁の手に為る一夜漬 小池清司 かさね 201310  
大小の秋茄子届く朝まだき 須賀敏子 あを 201311  
秋茄子へ技整うる高野かな 雨村敏子 201311  
秋茄子の味噌で仕上げし照りを盛る 井上静子 201311  
うまかりし母の糠漬秋茄子 田中藤穂 あを 201312  
秋茄子戸板に婆の小商ひ 橋場美篶 末黒野 201312  
秋茄子の充実感をたなごころ 河村啓花 ろんど 201312  
秋茄子の号は暮しの番子良し 東秋茄子 京鹿子 201312  
碧天を支えて曲る秋茄子 熊川暁子 201312  
勾玉の形がふたつ秋茄子 雨村敏子 201401  
秋茄子ゲニウス・ロキを祀らむ 瀬川公馨 201401  
父ひとり紫紺の魂の秋茄子 馬場由紀子 201401  
山住みの甕に雨溜め秋茄子 竹内久子 京鹿子 201401  
秋茄子のレシピ好機のメールかな 四條進 201411  
子に送る芥子漬なる秋茄子 島玲子 風土 201411  
鉢植の秋茄子一つ残りをり 溝渕弘志 六花 201411  
孤高とは取り残されし秋茄子 藤丸誠旨 春燈 201412  
まんまるの摂津秋茄子おほほほほ 岩下芳子 201412  
糠床に入るか思案の秋茄子 長崎桂子 あを 201412  
夕映えや穫り残されし秋茄子 森田尚宏 201412  
秋茄子のぶらりと住めば都なり 海老根武夫 201412  
秋茄子の存在感や一の膳 北尾章郎 201412  
有耶無耶に過せぬ一事秋茄子 佐藤山人 201501  
秋茄子の影もむらさき籠の中 広渡敬雄 201501  
妻留守の即席拉麺秋茄子 田中臥石 末黒野 201501  
秋茄子のいろにやすらぐ機内食 稲岡みち子 雨月 201501  
ひび割れの深き秋茄子ほまち畑 山崎稔子 末黒野 201502  
まんまるの摂津秋茄子おほほほほ 岩下芳子 201508  
秋茄子や終章の色限りなく 黒澤登美枝 201510  
秋茄子色よく漬かり句意さかん 村上倫子 201511  
秋茄子のカレーが待つてゐる夕べ 箕輪カオル 201512  
秋茄子の紫紺の色は夜の色 小田嶋野笛 末黒野 201512  
白胡麻と遊びませんか秋茄子 林田麻裕 201512  
竹籠に山と艶けき秋茄子 森清堯 末黒野 201601  
秋茄子や小振りなれども形良く 松浦哲夫 末黒野 201601  
お返しは孫の育てし秋茄子 山荘慶子 あを 201611  
秋茄子を刻みて偲ぶ母のこと 府川昭子 春燈 201611  
秋茄子に映つてゐたる赤ん坊 広渡敬雄 201612  
労ひの色となりたる秋茄子 大沢美智子 201612  
てのひらに包みて摘めり秋茄子 南うみを 風土 201612  
秋茄子の小ぶり侮り刺されけり 外山節子 末黒野 201612  
秋茄子や外では嫁を褒める妻 金子正道 京鹿子 201702  
秋茄子をもぐや朝の日まぶしくて 池谷鹿次 末黒野 201704  
秋茄子を描きて旨き色となり 井上静子 201711  
秋茄子の味噌汁二杯三杯と 石森理和 あを 201711  
秋茄子や残り時間の予定表 大日向幸江 あを 201711  
秋茄子をゆたりゆたりとラタトゥイユ たかはしすなお 201712  
存らへて風格の色秋茄子 石田きよし 201712  
貸農園爺が自慢の秋茄子 関東美佐栄 京鹿子 201712  
秋茄子の浅潰け午後のダージリン 安藤久美子 やぶれ傘 201711  
毎日よ病院食の秋茄子 志方章子 六花 201801  
秋茄子の始末こだはる農家かな 大日向幸江 あを 201808  
秋茄子の大豊作に泣き笑ひ 大日向幸江 あを 201809  
ぼく教頭君は町長秋茄子 朝倉晴美 船団 201812  
味噌汁の具の秋茄子の種あらず 小川玉泉 末黒野 201812  
秋茄子の皮やや固き憾みあり 大橋晄 雨月 201901  
プランターの秋茄子風に揺れてゐる 有賀昌子 やぶれ傘 201901  

 

2019年9月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。