秋湿り      58句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
合掌造りの急な階段秋湿り 田中藤穂 水瓶座 200002
躓きて翁の家の秋湿り 関田誓炎 海程 200004
乗り継ぎの駅のコーヒー秋湿り 竹部千代 200011
旧稿と鞄にありし秋湿り 能村登四郎 羽化 200110
酒の香や丸太の椅子の秋湿 阿部悦子 酸漿 200112
ひらひらと藁屋火を焚く秋湿り 手島靖一 馬醉木 200311
不揃ひの石の百段秋湿り 野内妙子 200312
鎌倉の鴉も猫も秋湿り 宮澤さくら 遠嶺 200402
秋湿り埃まみれの楽譜箱 十河秀子 百鳥 200412
秋湿り跡目知れずの嫁入り菓子 品川鈴子 ぐろっけ 200412
塩地蔵眼窩にも塩秋湿り 小泉三枝 春燈 200501
秋湿り墓の卒塔婆いかにせん 品川鈴子 ぐろっけ 200511
新聞のくたりと折れる秋湿り 赤座典子 あを 200611
靴下の穴を繕ふ秋湿り 小林正史 200612
佇てばはや森の香重き秋湿 内山けい子 200702
白い闇ぬけて身にそふ秋湿り 中野京子 200712
砂利を踏む音も重たく秋じめり 大井邦子 ぐろっけ 200712
秋湿り薬草園の作業服 木下もと子 200802
醤油蔵の帳場そろばん秋湿り 小澤菜美 200812
醤油屋の帳場そろばん秋湿り 小澤菜美 200812
秋湿り板戸なだめて閉めにけり 末吉治子 春燈 200911
亡き母の箪笥は開かず秋湿り 末吉治子 春燈 200911
臥す折れる聳ゆ記紀杉秋湿り 品川鈴子 ぐろっけ 200912
友の読む電子読本秋湿り 森山のりこ あを 201012
血管のやうな路線図秋じめり 坂場章子 201101
蔵奥に箱階段や秋湿り 森清信子 末黒野 201102
杉玉の古り酒蔵の秋湿り 岡井マスミ 末黒野 201102
秋じめりとは胸もとか喉元か 井上信子 201111
木々渡るなじみの風の秋湿り 石田きよし 201112
菓子折りとことわり状や秋湿り 佐藤喜仙 かさね 201211
秋湿り不満噴き出す新内閣 福島松子 ぐろっけ 201301
石仏を囲む田んぼや秋湿り 渡邊孝彦 やぶれ傘 201302
老猫の動き緩やか秋湿り 福島松子 ぐろっけ 201302
秋湿り置き去りされし野球帽 古沢幸次 ろんど 201312
秋湿り海女小屋の昼大浅蜊 長崎桂子 あを 201312
秋じめり皺おさへつつ寄席出づる 三輪慶子 ぐろっけ 201312
指先で回す地球儀秋じめり 三輪慶子 ぐろっけ 201312
秋湿り主役少年変声期 向江醇子 ぐろっけ 201401
古書店の裸電球秋湿り 大島寛治 雨月 201501
香煙の乱れてのぼる秋じめり 大崎紀夫 やぶれ傘 201511
秋湿り亡き犬にもの言うてみる 飛高隆夫 万象 201512
野良猫の人呼んで鳴く秋じめり 吉村摂護 201601
秋じめりひそめ島主の奥座敷 松本三千夫 末黒野 201602
文庫本の百円均一秋湿 豊谷ゆき江 春燈 201612
上野の杜に異人の読経秋湿り 中山皓雪 201701
ぼんぼん時計のんびりと鳴る秋湿り 小巻若菜 やぶれ傘 201712
秋湿る観音堂に灯を献ず 柿沼盟子 風土 201801
古本の匂ふ古書街秋湿り 岡田正義 雨月 201901
三井別邸アリの巣コロリ秋湿り おーた一えつこ 201903
秋湿り煮炊きの匂い消した家 近藤かな 201903
病告ぐ医師の白衣や秋湿り 工藤はる子 201912
秋湿り時流に乗れぬへそまがり 時澤藍 202001
塩山駅信玄像の秋湿り 田中藤穂 あを 202011
『暗夜行路』書きにし部屋の秋湿り 小林共代 風土 202112
日の丸の行李に残る秋湿り 菊川俊朗 202112
秋湿り腕絞めつける血圧計 倉澤節子 やぶれ傘 202112
図書館の踏み台きしむ秋湿り 升田ヤス了 六花 202201
天が病み地が病み人も秋湿り 石川東児 202202

 

2022年10月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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