明の春   55句

武士町やしんかんとして明の春    一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
赤富士の幸先のよし明の春 水野節子 雨月 199904
生かされて新世紀とや明けの春 保坂加津夫 いろり 200002
明けの春ガリガリ食む食む子(ねずみ)の歯 尾上有紀子 わがまま 200002
昼の月なにかを失せて明の春 坊城俊樹 円虹 200003
遠く住むここの戸口も明けの春 村越化石 200003
明けの春町や村にも声のして 保坂さよ いろり 200102
なつかしき筆ぐせに会ふ明の春 伊藤和子 遠嶺 200204
掛ものは師父の能筆明の春 西村しげ子 雨月 200204
子規野球殿堂入りの明の春 長山あや ホトトギス 200207
遠嶺まで心を挙げて明けの春 小林恵子 遠嶺 200304
朝明の春満月の瑞々し 海上俊臣 酸漿 200305
八十路てふ未来はてなき明の春 竹下陶子 ホトトギス 200308
苔枕投げ先斗町明けの春 中島陽華 200503
言祝ぎに樟脳匂ふ明けの春 松本恒子 ぐろっけ 200504
江戸前の釣果に盃を明けの春 大曽根育代 遠嶺 200504
十年の確かな歩み明の春 稲畑汀子 ホトトギス 200511
仏師作の干支の亥賜ふ明けの春 門伝史会 風土 200703
未来圏の風来る工都明の春 和田政子 200803
望みある月日ばかりや明の春 長瀬恒子 遠嶺 200805
若者は逝きて帰らず明の春 瀧青佳 ホトトギス 200806
神国とあがめし昔明の春 竹下陶子 ホトトギス 200901
老いどちが頬桃色に明けの春 芝宮須磨子 あを 200903
音もせでうねる海原明の春 竹内慶子 春燈 200904
積るがに見ゆや夜明の春の雪 井口初江 酸漿 200906
煌めいて大白鳥の明けの春 加藤克 201003
明の春友の詩集を繙ぬ 川出浩之 201003
榊手に若き禰宜舞ふ明の春 小澤淳子 201003
伝説のジュゴンと遊び明の春 増田一代 201103
受賞せし友に乾杯明の春 久保晴子 雨月 201104
床の間の独歩の軸や明の春 山内四郎 春燈 201204
妻あれば何はなくとも明の春 山田春生 万象 201304
始祖鳥のふた親の顏明けの春 佐藤喜孝 あを 201403
特攻の心に伍する明けの春 鴨下昭 201504
寿の軸掛け待つや明けの春 植木やす子 201508
姑の字の身に添うて来し明の春 西住三惠子 201603
明けの春つやつや知らぬ世界あり 瀬川公馨 201604
振袖のオカリナ奏者明の春 三木千代 201604
屋根の間に日輪見ゆる明の春 清水量子 201606
曾孫の腕にずしり明けの春 安斎久英 末黒野 201704
虹の松原松韻濤声明の春 栗山恵子 雨月 201704
明の春彼(あ)の日或る日に後退 高橋龍 201707
先哲に習ひ歩まむ明の春 植村蘇星 京鹿子 201801
干支の戌折りて目鼻や明の春 加藤良子 春燈 201804
杓の水含む五感に明の春 吉岡睦子 馬醉木 201904
一族に亥年が四人明の春 佐藤玲子 春燈 201904
あるがまま生きて行く日日明の春 稲畑汀子 ホトトギス 202001
馳足を止め一歩づつ明の春 稲畑汀子 ホトトギス 202001
ここちよき簗の瀬音や明の春 駒井でる太 馬醉木 202002
あきつしま令和穏しき明の春 川村欽子 雨月 202003
風の和ぎ全き富士や明の春 岡野里子 末黒野 202004
ほのぼのと差し来る曙光明の春 植村蘇星 京鹿子 202101
八十は第三楽章明の春 岡田史女 末黒野 202104
慎重に落款つくや明の春 菅澤陽子 春燈 202204
明の春白色尉の面ひとつ 神野未友紀 202204
法鼓一打響きわたりて明の春 大川暉美 末黒野 202204

 

2023年1月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。