あかぎれ     67句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踵には裏切られしよ皸れぬ 貝森光大 六花 200004
娘の指の皸見るもふれずおく 佐藤千巻 円虹 200004
皸の手もて三尺包丁研ぐ 今村征一 円虹 200005
皹の死語となりゆく爪染めて 濱地恵理子 200202
あかがりの指もて母のものを縫ふ 下平しづ子 雨月 200202
あかぎれに抒情を流し込む 松本康司 銀化 200203
あかぎれの心に転位したりけり 田村はじめ 銀化 200205
下駄履きの皹まざと修行僧 渡井佳代子 200207
豆腐屋の皸の手の大きかり 島田利郎 遠嶺 200302
皸に長幼のあり朝御飯 小原禎子 銀化 200303
あかがりの手をもて母を納棺す 下平しづ子 雨月 200303
浮腫の足この皹の手で温めやる 東亜未 あを 200303
皸の痛みに偲ぶ母の指 宮森毅 六花 200312
数の子や皹皸のことなども 吉弘恭子 あを 200402
産土やあかがりの手を小さく打ち 岡本明美 雲の峰 200403
皸を握りかくして東京へ 今瀬一博 200403
皹や空想癖は昔から 荒井和昭 200404
皸の手で繰る重き広辞苑 花房敏 ぐろっけ 200405
皸の汝が手をつつむ看取りかな 原田暹 百鳥 200405
診察を受く皹の手を隠し 柴田咲子 築港 200405
皹の絆創膏が視野の端 瀬下るか 200503
富士くつきり皹増ゆる昨日今日 こばやしきょうこ 200602
あかがりの指をちやほやして止まず 伊藤白潮 200602
母の忌や手にあかぎれの話など 東芳子 酸漿 200603
皹の胼胝を削るにゾリンゲン 松崎鉄之介 200603
皸の痛さに堪へてゐる翁 二村蘭秋 雨月 200605
あかぎれの血なれば許す人の世あはれ 八田木枯 晩紅 200609
皹に馬油まあゆう塗りて隠りけり 松崎鉄之介 200705
皹の日々深くなる介護の手 内田郁代 万象 200705
母の忌や手にあかぎれの話など 東芳子 酸漿 200705
あかがりの手のせつせつと拭く柱 藤井佐和子 200803
水仕事せぬ夫の手に皸が 岡田章子 ぐろっけ 200805
笊を編む足皹れてをりにけり 山田六甲 六花 200812
皹の手に撫でられしひよんの笛 高橋芳子 火星 200903
皹の手に重き母校の百年史 三村武子 酸漿 200904
赤子抱く手に皸のほてりたる 吉田和子 ぐろっけ 200904
あかがりや昔引金ひきし指 守屋井蛙 酸漿 201004
薬害の果てのあかがりすり合はす 木下もと子 201005
皸の指で意固地に機結び 羽生きよみ ぐろっけ 201102
あかがりを舐めれば硬しあまかりし 河隅惠子 201104
皹の手をもて蟹を包み呉る 杉本光 201104
あかぎれの踵見せ合ふ露天風呂 中田寿子 ぐろっけ 201105
皸の祖母の厚き手柔かき 笠井清佑 201202
皹や嫁ぎたる子に父ふたり 小田司 馬醉木 201202
皸のうづく踵をもち歩く 松崎雨休 風土 201203
皹の指にマニキュア祝の朝 草間三香子 万象選集 201205
働かぬ身の皹を恥ぢにけり 吉田陽代 201302
あかぎれや男にもある厨事 塩田博久 風土 201404
御僧の皸の手の遠慮がち 宮崎左智子 201504
皸の手もて洗ふや筆硯 奥太雅 万象 201504
皸は手の邪魔ならず米を研ぐ 藤丸誠旨 春燈 201604
皹の手を抱く夕べや救急絆 長崎桂子 あを 201604
水使ひつつ皹をなげく妻 大畑善昭 201703
皹やペットボトルの蓋回す 黒澤佳子 あを 201705
母の忌や厨に遺る皹薬 植田桂子 馬醉木 201801
皸の踵恐ろし靴穿くとき 松本三千夫 末黒野 201803
よく励みつつ皹を嘆く妻 大畑善昭 201804
スマホ持つ子は皸や車中席 伊吹之博 京鹿子 201804
血を噴きし皸に膏詰めにけり 重原爽美 201811
皸の仁王の手脚剥落す 木村あさ子 201902
皸は皹とありあかぎれや 七郎衛門吉保 あを 201904
皸の痛みの走る介護の夜 日高みち子 やぶれ傘 201904
皴・皸昭和の余波遠くなり 七郎衛門吉保 あを 201904
あかぎれの春まだ痛し足の裏 谷貝美世 末黒野 202007
皸の妻に代はりて水仕かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
皸は電子辞書引く指先に 安藤久美子 やぶれ傘 202201
皸をなでる幼ナの優しさよ 中川宰恵 202206

 

2023年2月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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