凩 3     115句

胸中の凩咳となりにけり   芥川龍之介

木枯 こがらし 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
凩に追はれ繁昌亭に着く 泉田秋硯 200802 上方落語常設館
凩や鮑の穴のままでゐる 栗栖恵通子 200802  
凩や遠く見てゐる埴輪の目 高松由利子 火星 200802  
凩一号乳房のごときモダン焼 高橋芳子 火星 200802  
凩の煽る落暉に雲燃ゆる 菊地惠子 酸漿 200802  
凩や黒豆に水足してをり 及川澄江 風土 200803  
凩や教へとなりし父の背 西澤ひで子 遠嶺 200803  
星生る凩の空青きまま 山田弘子 ホトトギス 200805  
凩に縮こまりたる富士のあり 木村享史 ホトトギス 200806  
凩に六甲の晴極まりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩のいつかしづまりをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩の去りしか朝の来てをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩や庭を黄色に染め上げし 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩の中飛ぶものも散るものも 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩の去りて残りし木々の色 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩に飛ばされさうに身構へし 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
凩と思ふビル風とも思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
裸婦像に凩容赦なかりけり 黒澤登美枝 200902  
凩や辻占ひに呼ばれたる 助口弘子 火星 200902  
凩や川光りつつ海へ入る かわばたとしお 火星 200902  
凩や寛次郎窯に火の気無く 佐藤博重 春燈 200902  
凩の二号一号よりきびし 出口賀律子 雨月 200902  
凩のプラットホーム明石城 栗田武三 ぐろっけ 200902  
凩や角に薬屋荒物屋 和田満水 200902  
凩の突然硝子を鳴らしに来 東亜未 あを 200902  
凩や陶の狸は立ち通し 久本久美子 春燈 200903  
凩や私の挽歌持ち去りし 松田都青 京鹿子 200903  
凩やインク掠れしボールペン 林昭太郎 200903  
凩や定期整備の花時計 瀬島洒望 やぶれ傘 200902  
凩の暗闇坂を吹きおろす 今井千鶴子 ホトトギス 200904  
凩の海白く噛み黒く噛み 河野美奇 ホトトギス 200904  
凩と行く電飾の銀座かな 安藤久美子 やぶれ傘 200903  
凩に多摩の稜線尖りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911  
凩に吹き払はれし星仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200911  
凩一号冷の強きに恐れ入る 大橋敦子 雨月 200912  
凩の高階に鍋ひた磨く 山尾玉藻 火星 201001  
凩や戦国の代の城の跡 森田武 201001  
凩が道路迷走して来たる 吉田希望 201002  
一号と呼ばれ凩勇み立つ 阪本哲弘 201002  
凩一号残日を吹き落す 遠藤真砂明 201002  
凩一番地図に引く赤き線 成田美代 201002  
凩や葉のわらわらと地に紅ず 川井秀火 ろんど 201002  
凩や身ぬちに軋むひとところ 椋本一子 雨月 201002  
凩やセロリはコップに立てておく 荒井千佐代 201003  
凩や屋台の裏に発電機 瀬島洒望 やぶれ傘 201003  
凩を避ける茶房のドア重し 小林玲子 ぐろっけ 201003  
凩が深酔ひの頬打ちゆけり 佐藤喜仙 201003  
凩に富士はだかつてをりにけり 嶋田摩耶子 ホトトギス 201004  
凩の通り抜けたる朝の作務 稲畑汀子 ホトトギス 201011  
凩に翻弄されて引き返す 仙石君子 雨月 201102  
凩の跡や木立の空広し 小倉正穂 末黒野 201103  
凩やむき出しに持つ処方箋 坂場章子 201103  
凩の中さよならの声もがれゆき 秋葉貞子 やぶれ傘 201102  
凩や震へるものと吠るもの 熊川暁子 201104  
凩やもの食ぶる貌玻璃越しに 坂口夫佐子 火星 201104  
凩に磨かれ残る星一つ 木村享史 ホトトギス 201106  
凩やセロリコツプに立てておく 荒井千佐代 祝婚歌 201110  
凩に従ふほかはなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201111  
凩のをさまりてゐし朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201111  
凩に脱ぎたる雲の遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 201111  
凩の一掃したる空仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 201111 凩→ 1
凩や戦車の如く配膳車 吉村摂護 201112  
凩のままに除幕の白栲よ 品川鈴子 ぐろっけ 201201  
堂々と踏ん張る銀杏凩に 三川美代子 201202  
凩のマジックショーや木のダンス 土井くみ子 201202  
凩や五行足らずの略年譜 吉田希望 201202  
凩や雌鶏急に蹲る 小林朱夏 201202  
凩や眠れば母子なほも似て 白木原裕毅 201202  
凩やとかく増幅する噂 細川洋子 201202  
凩にもつとも聡きハープ橋 森岡正作 201202  
赤々と爪染め凩に出でぬ 甲州千草 201202  
凩や転勤の子は沙汰もなし 市橋香 ぐろっけ 201202  
凩の壁に囲まれ酔ひ早し 山尾玉藻 火星 201202  
合格の絵馬を撥ねゆく初凩 池内結 ろんど 201202  
凩や夜泣きをあやす子守唄 小林朱夏 201203  
凩に言葉ころがる歩道橋 野坂民子 馬醉木 201203  
女学生の列へ凩割り込みぬ 藤田素子 火星 201203  
凩に耳ばかり鋭くゐたりけり 松本三千夫 末黒野 201203  
凩や太き梁さへ軋みけり 柴田朱美 京鹿子 201203  
凩やことばは尠ないほうがいい 柴田朱美 京鹿子 201203  
凩にとらはれてゐる大樹かな 秋葉貞子 やぶれ傘 201203  
凩の夜快晴の朝となる 今橋眞理子 ホトトギス 201204  
凩やよく知る星座幾つある 河野美奇 ホトトギス 201204  
凩の家居のふつと旅情めく 今橋眞理子 ホトトギス 201204  
凩やとり残されし如く月 今橋眞理子 ホトトギス 201204  
凩に昂り跳ねるブルドッグ 藤田かもめ ぐろっけ 201204  
窓を打つ凩ひとり暮しかな 副島いみ子 ホトトギス 201205  
凩に戦いてゐるビルの角 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211  
戸締りをして凩の夜を早寝 稲畑汀子 ホトトギス 201301  
草木は眠りぬ凩は猛り 辻美奈子 201301  
凩になりそびれたる臆病風 久染康子 201301  
凩に逆らひ急ぐ日暮時 赤座典子 あを 201301  
凩を厭はぬ鞄持ちの頃 田中貞雄 ろんど 201302  
一茶忌や凩街道なほ歩く 佐瀬晶子 ろんど 201302  
凩へ向かつて歩く黒鞄 涼野海音 火星 201303  
胸板に初凩をとどめけり 大場ましら 201303  
凩の外宮吹き抜け乾びたる 瀬川公馨 201303  
凩を抱くごとくに歩みけり 井上浩一郎 ホトトギス 201304  
凩や宇宙まで見えさうな空 今橋眞理子 ホトトギス 201304  
凩の尾の筑波の峯を低くせり 鴨下昭 201305  
凩の鋭角にビル直角に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311  
凩に家居の至福ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201311  
凩一号木枯さんの笑顔見ゆ 田中藤穂 あを 201401  
葬り終へまた凩の人となる 高橋あさの 201402  
凩に大琵琶の波ただならず 大石よし子 雨月 201402  
凩の夜更に使ふ電子辞書 國保八江 やぶれ傘 201402  
凩や屋根に踏んばる鍾馗さん 岩下芳子 201402  
鬢髪の揺れ凩のなれの果 築城百々平 馬醉木 201402  
凩や妻の口癖母のごと 松嶋一洋 201402  
耳塚へ凩届く故郷より 黒住康晴 201403  
凩やオーボエ吹きて窓叩く 池内結 ろんど 201403  
凩や山の稜線張りつめて 有松洋子 201403  
凩や枝の鳥網の取り切れず 上月智子 末黒野 201403  
凩や大三角の鳴りさうな 近藤喜子 201403  
凩の裾にまつはる枯葉かな 藤生不二男 六花 201403  
実朝の海は凩忌を修す 高野春子 京鹿子 201404  
凩に落ちずに残る一葉かな 藤波松山 京鹿子 201404  
凩や寄生木の毬吹き残し 正谷民夫 末黒野 201404  
凩に時を止めたる都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411  
凩に都庁天辺戦けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411  
凩に舞ひ上りたる芥かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411  
凩に道路乾いてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411  
凩のやうに決りしこと一つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411  
凩を聞きて夕べの家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 201411  
ふり返る日々凩に吹かれつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201411  
凩を発ちて六百キロの旅 稲畑汀子 ホトトギス 201411  
凩の空の青さをみそなはせ 稲畑汀子 ホトトギス 201411  
凩の通り抜けたる庭と見し 稲畑汀子 ホトトギス 201411  
一夜吹き荒れし凩朝戸繰る 稲畑汀子 ホトトギス 201411  

 

2014年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。