木 枯 3     98句

木枯の根にすがり付檜皮かな    桃隣

 こがらし 木枯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
木枯しに大見得をきる古木かな 吉澤利治 遠嶺 200503  
木枯や其角の墓につきあたる 大山夏子 200503  
眠剤に頼る木枯し吹く夜は 史あかり ぐろっけ 200503  
木枯しの夜の一隅に永訣す 小澤克己 遠嶺 200503  
木枯しや淵は秘宝の翡翠色 小松道子 対岸 200504  
木枯や駄菓子の袋耳を張り 若井新一 200504  
木枯がまたぐ春野の賑々し 吉弘恭子 あを 200504  
木枯の音の住みつく退避壕 有島夛美 河鹿 200504  
木枯や雲の切間の星かぞへ 町田洋子 200504  
木枯や母の月日の火消壺 中野あぐり 春燈 200505  
木枯や村の墓場は垣なくて 松林順子 雨月 200505  
木枯しや家路へ急ぐ衿立てて 斉藤郁子 200505  
木枯に喧嘩売られてゐる如し 田口武 さうぢやなくても 200512  
木枯らしやテニスコートにまぐれ乞ひ 後藤風宏 四葩 200601  
木枯や金星一つ吹きのこす 神蔵器 風土 200601  
パン焼ける匂ひ木枯の交差点 木村茂登子 あを 200601  
木枯の乗り込む駅を呪ひけり 泉田秋硯 200602  
木枯の中海の呼ぶやうな声 前川明子 200602  
木枯を耳に満たしてきし顔か 中島あきら 200602  
木枯や風紋崩す砂つぶて 高橋照子 雨月 200602  
本堂のガラスは木枯しを映す 今瀬剛一 対岸 200602  
木枯しのあとの川筋灯りゐる 山尾玉藻 火星 200602  
木枯しや男がくぐる縄のれん 石堂絹子 河鹿 200603  
木枯を呼ぶ皮剥の口とがる 伊東恵美子 馬醉木 200603  
木枯は過客よ樹々を我を撫で 千田百里 200603  
木枯や暁闇に朝刊の音 的池遙 百鳥 200603  
木枯しの月より吹いて来たるかと 市堀玉宗 栴檀 200603  
木枯をくぐりて築地寿司を食ぶ 横田晶子 風土 200603  
木枯に張りまどひゐる鯨幕 田所洋子 雨月 200603  
母にだけ木枯し吹いてゆきにけり いば智也 六花 200603  
木枯や忘れ上手は生き上手 舩越美喜 京鹿子 200603  
木枯しの吹き残したる藁ロール 岡崎桂子 対岸 200603  
木枯の荒れたる朝の森晴るる 稲岡長 ホトトギス 200604  
木枯や森の木霊をふるはせて 水田むつみ ホトトギス 200604  
木枯しに届く手作りチョコレート 佐山苑子 遠嶺 200604  
木枯しや竹の音する美術館 石橋亀次郎 遠嶺 200604  
木枯やカラカラカラと星の屑 柴田靖子 200604  
木枯の翳りに変はる湖心かな 土屋酔月 火星 200604  
木枯や縞馬は縞寄せ合つて 大沢美智子 200604  
木枯の渦巻く路地の行止まり 松下信子 万象 200604  
木枯しや弥撒はアレルヤ唱に立ち 荒井千佐代 200604  
木枯に押さるる旅か遺されて 湯橋喜美 200611  
木枯のふつと顔出す自動ドア くらたけん 200611  
木枯や童話の鬼が戸を叩く 大橋麻沙子 雨月 200612  
轟々とひびき木枯峠越ゆ 松崎鉄之介 200701  
木枯に雨戸の鳴つて夜もすがら 伊藤セキ 酸漿 200701  
物読める窓外木枯しひやうと過ぐ 和田祥子 馬醉木 200702  
真夜覚めて木枯を聴く草枕 根岸善雄 馬醉木 200702  
木枯や肺に加へて心不全 澤田緑生 馬醉木 200702  
木枯を聞く腕組か放哉像 手島靖一 馬醉木 200702  
木枯の果夕照のビルの街 大坪景章 万象 200702  
木枯の往生際といふ出口 篠藤千佳子 200702  
木枯の吹き残したる牧舎の灯 蘭定かず子 火星 200702  
木枯の渡る日杉の匂ひけり 天野きく江 200702  
神殿に木枯入りし挙式かな 片岡静子 200702  
木枯しや古典講座の昼さがり 藁谷文枝 遠嶺 200702  
木枯しや駅の灯を借り商へる 藤井昌治 200702  
木枯一号塀毀つ家すでになく 野路斉子 200702  
木枯や河童は淵に眠りをり 島崎久美子 酸漿 200702  
木枯や待つ夫ありて心急き 上林孝子 200702  
木枯らしの街ボクシングジム灯る 鈴木照子 200703  
木枯しや秩父路に売る陀羅尼助 猪鼻純枝 万象 200703  
木枯やラ・フランスの香あり 石脇みはる 200703  
木枯も乗り込み島の連絡船 上野進 春燈 200703  
木枯や武甲山ぶかふは白く尖りたり 林友次郎 遠嶺 200703  
廃れ窯には木枯らしの火吹竹 馬越幸子 ぐろっけ 200703  
木枯しの髪の中まで入り来る 黒澤登美枝 200703  
木枯の欅を朴を渡りけり 山田六甲 六花 200704  
木枯や下校の児らの頬赤き 横山迫子 六花 200706  
木枯に幼さ残るくち締める 横山迫子 六花 200706  
木枯も寿退社のには負け 横山迫子 六花 200706  
木枯に神戸の山がゆれてゐる 横山迫子 六花 200706  
木枯よ何に怒りて何を哭く 横山迫子 六花 200706  
竹生島いま木枯にもまれをり 浅田光代 風土 200711  
木枯に彩を探せば灯の点る 鈴鹿仁 京鹿子 200712  
木枯はちどりあしこそ相応しき ことり 六花 200712  
木枯やフーガの音を鳴らし過ぐ 中村悦子 200801  
木枯やはうれん草は紅つくし 山尾玉藻 火星 200801  
木枯の夜や追悼の文綴り 大橋敦子 雨月 200801  
木枯の夜や過褒の辞怖れゐる 大橋敦子 雨月 200801  
木枯のつぶて抜けゆく高架駅 川崎良平 雨月 200801  
木枯ののこせしもののかげあまた 豊田都峰 京鹿子 200801  
木枯のはて一灯のひくかりし 豊田都峰 京鹿子 200801  
ハイウエイ越す木枯しの速度増す 熊谷かよ子 200801  
木枯や日々の移ろひたしかなる 伊藤克子 酸漿 200801  
木枯に身を押されつつポストまで 田中藤穂 あを 200801  
木枯しや悲報訃報と吾を嬲る 小澤克己 遠嶺 200802  
木枯や蒸気むらさき色となる 石脇みはる 200802  
木枯の瀬戸大橋を横なぐり 南敦子 200802  
下町の木枯二号受けて立つ 数長藤代 200802  
木枯の待ち伏せ暗き地下出口 隅田享子 200803  
川筋を木枯小僧駆け抜けて 藤井圀彦 200803  
木枯に吹き寄せらるる海の音 工藤はるみ 風土 200803  
木枯や耳をはなれぬ音のあり 須藤美智子 風土 200803  
木枯に遊び遊ばれ木立かな 中山静枝 200803  
木枯や昼の閑けさ英語塾 鴨下昭 200803  
木枯や山羊も卵も生まれたて 相良牧人 200803  
木枯しが知る南溟の一つ星 小澤克己 遠嶺 200803 木枯 →4

 

2014年12月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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