啄木鳥(きつつき・けらつつき)     91句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
啄木鳥の音の乾ける一夜庵 山田弘子 春節
199503
大峰に雲の一朶やけらつつき 塩路隆子 花衣
199605
木とともにきつつきの穴冬を越え 村越化石
199904
啄木鳥や文珠は智恵をしぼりゐて 神蔵器 風土
199911
疑問符のたくさんつく日けらつつき 小枝恵美子 ポケット
199911
啄木鳥の影よ確かに木を下り 城戸愛子 酸漿
199912
けらつつき山道すでに平らなり 石脇みはる
200002
木屑散らし熊啄木鳥留守や深雪晴 藤村美津子 春耕
200005
きつつきの音のまつはる忌を修す 青陽子 ホトトギス
200005
こげらつつく音のやみくも冴返る 星佳子
200006
新緑や青啄木鳥の声間をおきて 河内孝子 酸漿
200007
啄木鳥の木を掘る音や花曇 桑久保奈美子 酸漿
200007
うららなり青啄木鳥の声澄みわたり 大塚洋子 酸漿
200007
啄木鳥の穴縦列に芽吹きけり 大塚洋子 酸漿
200007
啄木鳥や木に嘴あてて何もせず 能村登四郎
200011
啄木鳥の内弁慶が遺産の森 丸山佳子 京鹿子
200011
啄木鳥の薬師を穿つ山日和 高野美佐子 俳句通信
200012
啄木鳥や水輪の生れて又生れて 豊岡清子 遠嶺
200101
樺の間の残雪蒼し啄木鳥谺 丹羽啓子 馬醉木
200104
啄木鳥や芽吹き初めたる楢大樹 青木政江 酸漿
200106
こげら打つひびき高円山萌ゆる 山陰石楠
200107
啄木鳥や山荘人の気配なく 稲畑汀子 ホトトギス
200110
啄木鳥の決まつて来る木荘のもの 稲畑汀子 ホトトギス
200110
小啄木鳥ゐて木立かすかな音発す 溝内健乃 雨月
200201
啄木鳥に文珠の智慧の大善寺 神蔵器 風土
200201
受け止めて重すぎるものけらつつき 篠田純子 あを
200201
禁猟は寺領の掟けらつつき 木船史舟
200202
啄木鳥やそれは旧暦育ちの木 禰寝瓶史 京鹿子
200202
白樺を日照雨過ぎたるけらつつき 海老澤映草 春耕
200202
けらつつき己苛み幹叩く 野口香葉 遠嶺
200202
降る雪に小啄木鳥が木々をめぐりをり 伊藤一枝 酸漿
200203
啄木鳥の巣の漆黒の穴小雪舞ふ 根岸善雄 馬醉木
200204
赤啄木鳥の枝に黙せり寒もどり 永見博子 酸漿
200204
啄木鳥の叩く音澄めり春朝日 長田秋男 酸漿
200204
青啄木鳥の社に籠る安居かな 阿部悦子 酸漿
200207
啄木鳥の打音が覚ます羊歯若葉 渡辺立男 馬醉木
200209
啄木鳥や森の静寂を貫きぬ 稲畑汀子 ホトトギス
200210
啄木鳥や扉のあるごとく森の口 鷹羽狩行
200211
啄木鳥や墓に海軍上飛曹 木下野生
200212
啄木鳥を見つけし足の濡れてをり 伊藤多恵子 火星
200302
冬あたたか小啄木鳥の降らす木屑かな 隅田恵子 雨月
200303
啄木鳥の音凍滝へ木霊せる 小西石蕗 円虹
200305
静寂あり春啄木鳥の一樹あり 小澤克己 遠嶺
200306
磨崖不動春のきつつき引寄する 伊藤白潮
200306
啄木鳥や見える限りの杉木立 藤枝五三子 帆船
200308
啄木鳥の溶岩に嘴研ぐ朝ぐもり 神宮きよい 馬醉木
200310
熊啄木鳥の開けたる穴に色なき風 星野淑子
200401
木へ嘆き訴へつづけけらつつき 山口速
200401
冬うらら小啄木鳥をまねて四十雀 三村武子 酸漿
200403
青啄木鳥の啓蟄の沢巡り鳴く 長田秋男 酸漿
200405
初桜啄木鳥きびきびと幹めぐる 朝妻力 雲の峰
200405
啄木鳥や片側暮れし森の木々 大曽根育代 遠嶺
200406
礼装の啄木鳥忙し大樹打つ 岡ハツ子 帆船
200408
赤啄木鳥を聽けばきくほど風のおと 佐藤喜孝 あを
200409
小啄木鳥鳴く行者の道や岩煙草 小松鈴子 酸漿
200410
留守がちな詩人の家や小啄木鳥来る 青木政江 酸漿
200411
きつつきや余力に使ふ竹箒 吉田明子
200411
山荘に二個のトランクけらつつき 片山タケ子
200412
啄木鳥や森の扉を出れば空 豊田都峰 京鹿子
200412
啄木鳥の声を描けば暮るる木々 豊田都峰 京鹿子
200412
啄木鳥や不意に展けて山上湖 久保知音 対岸
200412
啄木鳥笑ふたんこぶ赤く青くなる 東亜美 あを
200412
首振つて啄木鳥樅の幹たたく 木暮剛平 万象
200501
悪太郎の面とつたりけらつつき 中島陽華
200501
啄木鳥の幹を打つ音母校なり 冨永道子 百鳥
200501
北窓は木々に近しよけらつつき 真塩実
200502
けらつつき来て居ると夫声ひそむ 指尾直子 雨月
200503
雪被く樅より明けて啄木鳥こだま 根岸善雄 馬醉木
200504
芽吹山小啄木鳥の音の軽やかに 金川眞里子 百鳥
200506
落葉松を小啄木鳥が移る芽吹前 網野茂子 酸漿
200506
きつつきの樹を打つ音も木霊かな 大高芭瑠子 炎夏
200507
啄木鳥や湿原にあるいくさ跡 九万田一海 河鹿
200512
啄木鳥の木を叩き日を短かくす 成瀬櫻桃子 春燈
200512
深く息せり啄木鳥の止まぬゆゑ 成田美代
200512
いくたびも杉谷通りけらつつき 雨村敏子
200601
啄木鳥や森の精気を深呼吸 伊藤稔代
200603
啄木鳥や山荘の夜の孤独打つ 長山あや ホトトギス
200603
啄木鳥の穴に差しゐる初日かな 岡村葉子 栴檀
200604
啄木鳥の木屑鮮し恵方道 岡村葉子 栴檀
200604
春告ぐる小啄木鳥の音を峡に聞く 久保田ヤスエ 酸漿
200605
松風や其の巨幹にけらつつき 瀧春一 常念
200606
木琴の鳴り出すロッジけらつつき 片山タケ子
200611
山毛欅の森メール手練てだれのけらつつき 佐々木新 春燈
200611
熊啄木鳥や衰亡の民文字持たず 江草礼 春燈
200701
啄木鳥や春日の禰宜の通ひ道 今越みち子 万象
200701
啄木鳥の叩き間近き朝のあり 坂本知子 酸漿
200702
赤啄木鳥の飛んで輝く雪けむり 門伝史会 風土
200703
寒晴や啄木鳥打つ音の絶え間なく 石垣幸子 雨月
200704
春の雨小啄木鳥また来し給餌台 吉野さと 酸漿
200704
啄木鳥の谺に氷湖わたり来ぬ 小林碧郎 馬醉木
200706
雪解雫と啄木鳥けら打つ音を重ねをり 新倉舒子
200706
啄木鳥や駆逐する記憶の塔 新関一杜 京鹿子
200710
きつつきの雛の声降る峠越え 伊藤希眸 京鹿子
200710
霧を出でまた霧に入る啄木鳥けらのこゑ 水原春郎 馬醉木
200711
工房に未完の像やけらつつき 高柳ちゑ 遠嶺
200801
啄木鳥や写真の裏の走り書き いしだゆか 遠嶺
200801
五七五に穿つ情景けらつつき 浜田はるみ 遠嶺
200801
啄木鳥の谺となりし冬田打 戸栗末廣 火星
200802
啄木鳥の己が筋に励み打つ 室伏みどり 雨月
200802
青啄木鳥やまだ覚めやらぬ雪の朝 青木政江 酸漿
200804
啄木鳥げらの叩くひびきや木の芽風 坂上香菜 あい
200805
きつつきや若葉ささめく谷の風 阿部ひろし 酸漿
200806
啄木鳥の雲の扉を開きたり 中田禎子
200808

08/09/05 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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