春 寒 3       100句

春寒や鬣擦れし檻の獅子    和田魚里

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
春寒を言うて玉子を買うてくる 北村和子 草の花 200405  
ひとつとせ人みな遠し春寒し 仙入麻紀江 草の花 200405  
どんよりの日のなかぞらの春寒し 三島富久恵 草の花 200405  
春寒し円形舞台休演中 杉本美智江 雨月 200405  
春寒の白湯に蜂蜜溶かしけり 村上一葉子 200405  
春寒や碁盤の上の薄埃 若山実 雲の峰 200405  
春寒し項の細き修行僧 清水明子 遠嶺 200405  
春寒料峭嘴刺して水にごらざる 坂ようこ 200405  
春寒しおかめの顔の下り眉 高橋瑛子 河鹿 200405  
春寒し中州の葦に傾ぐ舟 西屋敷峰水 河鹿 200405  
春寒やひと声値切る骨董市 池上悠子 河鹿 200405  
神廟に源氏の系図春寒し 北川光子 ぐろっけ 200405  
抜かれる歯削らるる歯や寒き春 波多野葉子 200405  
春寒き土の匂ふ夜ありにけり 長屋璃子 火星 200406  
生と死を問ふ春寒の写真展 平居澪子 六花 200406  
腰越状に鴎ひた啼き春寒し 長谷川祥子 馬醉木 200406  
御柱祭ただごとならず春寒き 永田二三子 酸漿 200407  
一片の雲の迅さや春寒し 前迫寛子 河鹿 200407  
春寒し消息絶つて幾年ぞ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502  
春寒の路地に人情育めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502  
春寒のなき旅先でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200502  
春寒きことも心に旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200502  
春寒き森と共生する我等 稲畑汀子 ホトトギス 200502  
春寒しエクセル覚えては忘れ 細野恵久 ぐろっけ 200502  
堂春寒聖オルガンは小さく置かれ 有働亨 馬醉木 200503 井持浦教会
薄墨の「山雲」春寒料峭図 木村茂登子 あを 200503  
春寒き事に話のはじまれり 山本康郎 酸漿 200504  
春寒し立砂高き一の宮 中御門あや 雲の峰 200504  
春寒や爪を磨くにやすり掛け 伊藤トキノ 200505  
春寒し頭の丸き百度石 岩谷丁字 春燈 200505  
春寒やうべなひがたき母の老 菅沢陽子 春燈 200505  
春寒や子の書きなほす答辞文 須藤節子 万象 200505  
舶来の春寒かとも碇泊灯 中尾公彦 200505  
吸殻や三四郎池春寒し 辻恵美子 栴檀 200505 東大
揚げ舟に飛砂攻めしあと春寒し 西屋敷峰水 河鹿 200505  
春寒や月と孤独を分かち合ふ 尾堂Y 河鹿 200505  
春寒し一本足の鷺立ちて 舩越美喜 京鹿子 200505  
春寒や雨戸はづしてしまひけり 竹田圭子 帆船 200505  
春寒く兄と見て居る甲山 田中みのる 火星 200505  
いつ打ちし痣のむらさき春寒し 三輪温子 雨月 200505  
文化財とて旧皇居ただ春寒 仙石君子 雨月 200505  
春寒や封書の裏の緘一字 出口賀律子 雨月 200505  
春寒く返す言葉の迷ひけり 東川弘子 築港 200505  
春寒し絵馬幾重にも押し合うて 中嶌テル子 築港 200505  
細波を織りなす湖や春寒き 渋谷ひろ子 酸漿 200505  
春寒し本を捨てると妻が言ふ 冨田正吉 200505  
偏西風蛇行せりとて春寒し 赤座典子 あを 200505  
春寒し表具師は糊ゆるめゐる 鈴木多枝子 あを 200505  
春寒や鰐口の緒のつよき縒り 西屋敷峰水 河鹿 200506  
ネックレス絡む苛立ち春寒し 田下宮子 200506  
廻廊の春寒き灯や坊泊 川崎俊子 馬醉木 200506  
読まぬまま溜めこむ雑誌春寒し 伊藤早苗 200506  
裂けやすき地図やプラハの春寒し 白神知恵子 春燈 200506  
春寒し灯りともして船が航く 柳生千枝子 火星 200506  
水抜きしままの噴水春寒し 浜和佳子 百鳥 200506  
春寒や生家跡なる蔵一つ 八田節子 ぐろっけ 200506  
輪中秘話語りつがれて春寒し 大石よし子 雨月 200506  
春寒しゆきひら伏せしままに置く 北島上巳 酸漿 200506  
気がかりな事引きずりて春寒し 西出俊子 酸漿 200506  
春寒し待つことばかり多き日々 東紀子 200506  
まだ温き母に紅さす寒き春 北島上巳 酸漿 200506  
春寒き袋小路に入りにけり 大久保白村 ホトトギス 200507  
訃報相次ぐ春寒の日を重ね 松尾緑富 ホトトギス 200507  
春寒を解きそめし日の高さかな 安原葉 ホトトギス 200507  
春寒や擦り寄る猫を膝の上 柴田靖子 200507  
春寒き堂に極楽地獄の絵 三浦澄江 ぐろっけ 200507  
羨道にのこる火の跡春寒し 青山悠 200507  
一鳥も見ず春寒の九十九里 松原ふみ子 200507  
春寒や木馬の胎に中国人 霧野萬地郎 200508  
春寒し体の不思議小宇宙 貝田遊山 200508  
春寒の茶所に待つきつね蕎麦 横井博行 万象 200510  
春寒し湖上に夜間飛行の灯 高橋あゆみ 200510  
春寒といふ枷持ちて来し出先 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
消息を聞き春寒き一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
春寒に咲かせる工夫あることを 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
春寒や今日の仕事は今日終へて 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
春寒をいとはずに来て下されし 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
不用意に出て春寒を口にせず 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
玻璃越に春寒の人通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200602  
春寒の夜更かし三日つづけけり 島谷征良 風土 200602  
残月は誰の頭蓋ぞ春寒き 鷹羽狩行 200603  
春寒や海女の小屋の戸まだ開かず 水田清子 200603  
ひとの句を誹る易しさ春寒く 林翔 200604  
立春寒波といふことありと老の言ふ 安陪青人 雨月 200604  
み仏はガラスの中に春寒し 木村茂登子 あを 200604  
春寒し前ゆく人の背のまろく 鎌倉喜久恵 あを 200604  
春寒し家路を星のいざなへる 生方義紹 春燈 200605  
春寒し兄が遺作の竹箒 神蔵器 風土 200605  
土饅頭たむろしてゐて春寒し 黒田咲子 200605  
隙少し見すも処世や春寒し 岩崎憲二 京鹿子 200605  
謙遜も遠慮も八分春寒し 岩崎憲二 京鹿子 200605  
春寒や駅の灯とどく金魚池 城孝子 火星 200605  
春寒にきざむ葷菜色匂ふ 安田とし子 ぐろっけ 200605  
春寒く海去る女黒づくめ 後藤秋邑 百鳥 200605  
反り橋の欄干の朽ち春寒し 安室敏江 百鳥 200605  
春寒き庭木に黙す尾長をり 渋谷ひろ子 酸漿 200605  
髪切りてふと襟元の春寒し 牧原佳代子 酸漿 200605  
春寒の鬼面の前に落ちつかず 本多俊子 さくらの音 200605  
金堂の防犯カメラ春寒し 北尾章郎 200606  
出土壷どれも春寒まとひをり 高橋千美 京鹿子 200606 春寒→4

 

2020年2月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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