花 曇 3       45句

研ぎ上げし剃刀にほふ花ぐもり    日野草城

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
パソコンに積もる埃や花曇 宇治重郎 201106  
花曇り目まひ虚実に余震なほ 森下康子 201106  
加へたる砂糖ひと匙花曇 コ田千鶴子 馬醉木 201106  
花曇子の吹くアルトサキソフォン 松井倫子 火星 201106  
花曇り文士つてやつの情死自死 安居正浩 201106  
とんかちで羽目打つ妻よ花ぐもり 定梶じょう あを 201106  
花曇り眉すんなりと描きけり 田原陽子 201107  
平和呼ぶ太郎の塔や花ぐもり 中山皓雪 201107  
花曇ちよつと重たき車椅子 中下澄江 201107  
投票へ行くにも杖を花曇 小川玉泉 末黒野 201107  
墨東へ向かふ車窓や花曇 藤原若菜 春燈 201107  
花曇り一人の飯の炊き上る 鈴木とおる 風土 201107  
裸婦像の肩つややかや花曇 永田二三子 酸漿 201107  
徘徊の老婆の訃報花曇 久世孝雄 やぶれ傘 201108  
水餃子ぷるっとつるっと花曇り 火箱ひろ 船団 201110  
大いなる伽藍の上の花曇 武井美代子 万象 201110  
花曇り幾度も触るる手術跡 小林朱夏 201205  
自転車の寝転ぶ堤花曇 福島茂 201205  
花曇たぶん武蔵の恋のせい 鶴濱節子 始祖鳥 201206  
鳥の声遠く聞こゆる花曇 松本周二 かさね 201206  
山鳩の日がな鳴きつぐ花曇 木村梨花 春燈 201206  
オムレツのゆれて置かるる花曇 蘭定かず子 火星 201206  
花ぐもりそのまま暮れてしまひけり 豊田都峰 京鹿子 201206  
屋上に干されし病衣花ぐもり 瀬戸悠 風土 201207  
鳥の声遠く聞こゆる花曇り 松本周二 かさね 201207  
花曇もと来た道を戻りけり 木村傘休 春燈 201207  
パドックの馬の仰け反る花ぐもり 杉浦典子 火星 201207  
養生の鯉池たひら花曇 山田美恵子 火星 201207  
花曇り肩にひび入る石佛 田中文治 火星 201207  
花曇り猫の予報は午後雨に 松井洋子 ぐろっけ 201207  
ドーナツの穴の不揃い花曇 金田けいし ろんど 201208  
鳥羽口ヘつづく京の花ぐもり 飯塚ゑ子 火星 201208  
どこやらが晴れてゐるから花曇 後藤立夫 ホトトギス 201209  
鯉の尾の跳ねる力や花ぐもり 北崎展江 くりから 201209  
水重く使ひて午後の花曇 林昭太郎 あまねく 201210  
花曇り神保町に紙の店 瀬島洒望 やぶれ傘 201210  
花曇り身を委ねゐる医療機器 柴田志津子 201304  
針穴を睡魔のふさぐ花ぐもり 熊丸淑子 馬醉木 201305  
窓際の旅の眼鏡や花曇 古川千鶴 かさね 201305  
花曇塵ぬぐひてもぬぐひても 市ヶ谷洋子 馬醉木 201305  
外来の呼び出しマイクも花曇 大場光よし 風土 201305  
花ぐもり垣間見えたる山の空 白石正躬 やぶれ傘 201306  
似たかほが三たりゐると花ぐもり 定梶じょう あを 201306  
こてこてのゴッホ自画像花曇 高谷栄一 201306  
花曇しつけ糸ある古着捨て 佐用圭子 201306  
近付けば鬼瓦かな花曇 和田勝信 かさね 201306  
風ありて天の半分花曇 岩下芳子 201306  
花曇静心もて愛でゐたる 大橋晄 雨月 201306  
門扉閉ぢ布沙女居しづむ花曇 奈辺慶子 雨月 201306  
フリスビー低く野を飛ぶ花曇り 渡邊孝彦 やぶれ傘 201306  
三面鏡開くひと日や花曇 織田喜美子 春燈 201307  
金貨のやうなつり銭が出る花曇 瀧春一 花石榴 201312  
花曇失せもの駅へもらひに行く 瀧春一 花石榴 201312  
白墨で書く文字太く花曇 森岡正作 201406  
湾なりに列車過ぎゆく花曇 泉本浩子 馬醉木 201406  
傷みたる母の手鞠や花ぐもり 杉山哲也 馬醉木 201406  
待つだけの恋物語花ぐもり 山本みち子 201406  
花曇胃の腑に適ふ今朝の粥 大松一枝 201407  
花曇鳩はつがひで戻り来る 吉田葎 201407  
花曇憂ひても儘ならぬこと 伊藤厚子 ろんど 201407  
誰も弾かぬピアノの埃花ぐもり 三輪温子 雨月 201407  
花曇ひとは何かと火を焚けり 土屋草子 ろんど 201408 花曇→1

 

 

2015年4月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。