朝 桜 2       116句

よき家に泊まり重ねて朝桜    高浜年尾

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝

初桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
朝桜都心に仰ぐ箱根山 桑久保奈美子 酸漿 200507  
水のごと覚めゆく空や朝桜 長山あや ホトトギス 200508  
日と風と水の匂ひに朝ざくら 古川洋三 遠嶺 200508  
芥焼く煙真っ直ぐ朝ざくら 宮原利代 ぐろっけ 200508  
朝桜あけぼのの彩耀へる 中島知恵子 雨月 200508  
赤ん坊の眉うつすらと朝桜 浅田光代 風土 200601  
お下がりにアイロン効かす朝桜 川嶋一美 200605  
朝ざくら連理の枝を輝かせ 小澤克己 遠嶺 200606  
真つ新なスーツ見送る朝櫻 与川やよい 遠嶺 200606  
釣場への道濡れてをり朝桜 藤田さち子 対岸 200606  
日の射してゆめ千金の朝ざくら 落合絹代 風土 200606  
早起きのここにも一人朝ざくら 内海良太 万象 200606  
水底の砂のつぶさに朝桜 加瀬美代子 200606  
朝桜浴槽に湯のあふれをり 片山タケ子 200607  
朝桜テニスコートを取り囲み 大島寛治 雨月 200607  
漆黒の幹の漲る朝桜 佐藤佐代子 200608  
笊をもつ人と見てゐる朝桜 坂口夫佐子 火星 200609  
上水のぐいと曲がりぬ朝桜 百瀬七生子 海光 200705  
雨空の晴るるを待てり朝桜 阿部ひろし 酸漿 200705  
先生を案内の堂や朝櫻 狭川青史 馬醉木 200706  
死より身を躱しきつたる朝桜 水野恒彦 200706  
画仙紙の帯封を解き朝ざくら 八染藍子 200707  
朝ざくら素顔きれいなひとに会ふ 戸栗末廣 火星 200707  
正面に陣取りシート朝桜 数長藤代 200707  
身のほとり静けさに見る朝桜 永見嘉敏 酸漿 200707  
庭下駄に残る雨滴や朝ざくら 佐々木幸 200708  
厨房に牛乳届く朝ざくら 真保喜代子 200708  
わが峡を引締めて立つ朝桜 阿部ひろし 酸漿 200805  
百周年祝ふ母校の朝桜 中村阪子 万象 200806  
老幹の鼓動たしかに朝桜 松本幹雄 馬醉木 200807  
原爆の火を灯籠に朝桜 内田郁代 万象 200807  
ここよりは空海のみち朝桜 田村愛子 万象 200807  
湖底の小石透きたる朝櫻 野口香葉 遠嶺 200807  
朝桜ひこは小学一年生 稲次登美子 雨月 200807  
日の差していのち漲る朝桜 森脇貞子 雨月 200807  
朝桜足音あおとつらなる地下出口 櫻木道代 ぐろっけ 200807  
組分けの発表に湧く朝桜 坂本緑 幸せのかたち 200808  
たまゆらの露解きそめし朝桜 山田弘子 ホトトギス 200809  
夜を込めて着きし鎌倉朝ざくら 藤浦昭代 ホトトギス 200810  
朝桜小屋を出せよと鳴く牛か 工藤義夫 馬醉木 200906  
町空のまだ瑞々し朝ざくら 千手和子 馬醉木 200906  
人も樹もまだ影もたず朝桜 高橋たか子 馬醉木 200906  
朝桜鼓に固き飾り紐 植田桂子 馬醉木 200906  
トロ箱に氷均さる朝桜 松井倫子 火星 200906  
寿ほぎの色世にあらばあれ朝桜 望月晴美 200906  
新調の制服眩し朝桜 羽賀恭子 200906  
学び舎はわがふるさとや朝桜 吉沢陽子 200906  
朝桜古寺巡礼の初日にて 泉田秋硯 200907  
護送車のしづかに曲る朝ざくら 細川和子 炎環 200907  
朝ざくら好きなことだけして逝かれ 浅田光代 風土 200907  
まだ何も置かぬテーブル朝桜 涼野海音 火星 200907  
独りつて好いものなのよ朝桜 鈴木藤子 ろんど 200907  
日を浴びてまた秀でたり朝桜 藤原さちよ 酸漿 200907  
動物園めざす父と子朝桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200908  
朝桜濠は古語らざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004  
朝桜忌日と知りてより零る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004  
揺るること散ること忘れ朝桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004  
朝桜しづかに立てる姿かな 阿部ひろし 酸漿 201005  
生涯の節目をいくつ朝ざくら 船橋とし 201005  
朝桜卵の殻に血の走り 掛井広通 201006  
靖国の魂に斎けり朝ざくら 鷹崎由未子 春燈 201006  
朝ざくら雨の匂ひを残しけり 中根美保 風土 201006  
朝桜合同庁舎硝子張り 白石善子 雨月 201006  
朝桜獣舎はつかにさざめける 深澤鱶 火星 201006  
鵯の声ひときは高し朝桜 石川元子 酸漿 201006  
朝桜人の数だけ犬の数 木村茂登子 あを 201006  
川一本呑み込んでゐる朝ざくら 柴田久子 風土 201007  
牛乳の白き量感朝ざくら 鶴見遊太 201007  
朝桜馬穴に水のあふれゐし 城孝子 火星 201007  
波音のこの一村の朝桜 藤原冬人 火星 201007  
枝先に日ざしふるへて朝桜 今橋眞理子 ホトトギス 201008  
決断は早きがよけれ朝桜 古賀しぐれ ホトトギス 201008  
歯ぶらしは軽めに握る朝ざくら 畑佳与 京鹿子 201008  
門前の下乗の札や朝桜 丑久保勲 やぶれ傘 201008  
泡一つ残す現し世朝ざくら 間島あきら 風土 201011  
湯浴して朝のさくらに逢ひにゆく 児玉寛幸 馬醉木 201012  
花嫁のブーケめく朝桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104  
日を浴びて余白埋めゆく朝桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104  
朝桜一枝震へてより開く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104  
閘門のひらきどきなり朝桜 山尾玉藻 火星 201104  
この海の平らかにあれ朝桜 清水節子 馬醉木 201106  
並び咲きまさにあさうめ朝桜 阿部ひろし 酸漿 201106  
あと十年生きると決めぬ朝ざくら 山田暢子 風土 201106  
日当りて目覚むるさまに朝桜 加藤静江 末黒野 201107  
朝桜光りを茲に集めけり 八幡操 ぐろっけ 201107  
勤行の鐘の音やさし朝桜 山本とく江 万象 201107  
反魂丹舐めたる朝の櫻かな 中島陽華 201107  
朝さくら陰翳雲のごとくあり 鳳蛮華 201108  
二人目の曾孫の安産朝ざくら 小川玉泉 末黒野 201108  
日に解けてゆく朝桜あさざくら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
まづひかる高木の梢や朝桜 稲岡長 ホトトギス 201110  
海もまだ眠りの中や朝桜 コ田千鶴子 花の翼 201111  
日に解けゆく朝桜あさざくら 稲畑廣太郎 ホトトギス 201204  
黄蘗林きは立ててゐる朝桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204  
漬樽を転がし洗ふ朝桜 阿部澄 万象選集 201205  
朝桜茹でる卵のをどりだす 神蔵器 風土 201205  
円卓のカナッペプレート朝ざくら 小谷延子 万象 201206  
朝ざくら母と合はせし深呼吸 坂口夫佐子 火星 201206  
宿坊の枕小さし朝桜 大西八洲雄 万象 201207  
地に触れて地の生気吸ふ朝桜 岡野ひろ子 201207  
白じろと下弦の月や朝ざくら 小川玉泉 末黒野 201207  
下りて来る日を待つ谷の朝桜 安原葉 ホトトギス 201209  
ワイシャツのひやりと朝の桜かな 林昭太郎 あまねく 201210  
朝風に揺るるさくらの花重し 海村禮子 春燈 201306  
弔ひの家動き出す朝桜 生田恵美子 風土 201401  
朝桜揺れて仲見世動き初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403  
日を浴びてより朝桜濡れ色に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404  
朝桜昨夜の霊気を払ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404  
大学にさきがけの風朝桜 栗山よし子 馬醉木 201405  
俳人にサプリメントの朝桜 すずき巴里 ろんど 201407  
瓦斯点けて音迸る朝桜 福永みち子 馬醉木 201407  
魚板打つ音の湿りや朝ざくら 大上充子 馬醉木 201407  
青年の仰ぐ旧家の朝桜 菅野蒔子 末黒野 201407  
風神の見とれて吹かず朝桜 大久保白村 ホトトギス 201408  
灯明に遅速の揺らぎ朝桜 工藤ミネ子 風土 201411  
咲き満ちて風にも散らぬ朝ざくら 野沢しの武 風土 201412  
朝ざくら山をそびちに開拓碑 近昌夫 春燈 201412 朝桜→ 1

 

2015年4月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。